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Windows ではじめるM5Stack

Last updated at Posted at 2018-03-14

免責事項

本記事はWindows 環境でM5Stack を扱うための最初の手順を、個人メモとして纏めたもので、記事の内容を100%保証するものではありません。

また、内容の正当性に関して、いかなる保証もするものではありません。万が一、本記事の内容に誤りがあり、問題が生じた場合でも一切責任を負いかねますのでご了承下さい(間違い等の指摘があれば適宜修正はしたいと思いますが)。

尚、本記事の内容は予告なしに変更、または削除することがあります。

はじめに

M5Stack はカラーディスプレイ、microSD スロット、スピーカを搭載したArduino コンパチブルな四角いモジュールで、搭載されているESP32 により、Wi-Fi、Bluetooth 通信も扱え、充電池も内蔵されています。USB ケーブルで接続することで充電やPCとの通信を行います。

また、本体と同形の拡張モジュール(GPS 等をはじめ、プロトタイプ用のものもあり)をスタッキングしていくことで、機能を拡張することができます。

というわけで、はじめから色々準備されていて触りやすいのですが、開発方法がいろいろあって、最初の準備が分かりづらいので、Windows での手順をメモがてらまとめてみました。

尚、利用したM5Stack はBasic モデルに加速度、ジャイロ、磁気を計測可能な9軸センサ、MPU9250 を搭載したモデルM5Stack Gray になります。

開発手順

M5Stack は以下のような開発方法が利用できます。

  1. Arduino IDE での開発
  2. M5Stack をWiFi に接続し、m5cloud に接続することで、ブラウザによってクラウド経由でコード開発(MicroPython)。
  3. 2. のオフライン版ファームを利用してのコード開発(MicroPython)。

開発環境の切り替えは、ファームウェアをダウンロードしてきて、M5Stack に転送することで行います。Arduino IDE の場合はArduino IDE 用に用意されたモジュール内のesptool から、m5cloud の場合はespressif.comの用意しているFlash Download Tools (ESP8266 & ESP32)を利用して転送します。

という訳で、それぞれの場合を見てましょう。

1. Arduino IDE 開発の場合

PC にArduinoIDE をインストールして、USB ケーブルで接続して開発します。公式サイトでは以下のページで手順が紹介されています。

1-1. Windows マシンにUSB ドライバをインストール

SiLabs CP2104 Driverをダウンロードし、インストールします。

公式ガイドの但し書きによると、Windows10 の場合はUniversal ドライバ(v10.1.1) は入れず、古いバージョンのものを使用してね、とありますが私の環境はWindows 8.1なのでv6.7.5 のドライバをダウンロードして入れました。

1-2. arduino.cc からArduino IDE をダウンロード、インストール。

以下のURL からArduino IDE をダウンロードし、インストールします。

私の環境では、既存のArduino IDE がありましたが、最新版の1.8.5 のインストーラ版を上書きインストールしました。

1-3. スケッチブックの保存場所を確認

Arduino IDE を起動し、「ファイル」>「環境設定」で「スケッチブックの保存場所」のフォルダを確認し、閉じます。

1-4. git からモジュールコピー

公式サイトの手順ではgit クライアントをインストールしていますが、今回は手動でコピーして配置しました(git をインストールした場合には、モジュールの更新があった場合は楽になります)。

1-3 で確認したフォルダ以下に「hardware\espressif\esp32」フォルダを作成します。以下のページを開き、右にある「Clone or download」からZIP をダウンロードし、作成したフォルダ内に中身を展開します。

1-5. esptool.exe の配置

1-4 で展開したフォルダ内の「tools」フォルダ内にある「get.exe」をダブルクリックします。ファイルがダウンロードされ、正常終了すると「esptool.exe」ファイルが増えます。

1-6. Arduino IDE へのライブラリ設定

M5Stack をUSBケーブルで接続します。デバイスマネージャなどでCOM ポートの接続先を確認します(以下の図ではCOM3)。

Arduino IDE を起動し、「スケッチ」>「ライブラリをインクルード」>「ライブラリを管理」を選択します。表示されたダイアログで「m5stack」でフィルタリングすれば、目的のライブラリが表示されますので、「インストール」ボタンを押します。

1-7. ボード設定

Arduino IDE の「ツール」>「ボード」で「M5Stack-Core-ESP32」を選択します。「シリアルポート」を1-6 で確認したCOM ポートに設定、Upload Speedを「115200」に設定します。

1-8. サンプルファイルの実行

Arduino IDE の「ファイル」>「スケッチ例」以下にサンプルがあるはずです。

コンパイルして書き込んで実行してみましょう。

2. m5cloudによるオンラインMicroPython 開発の場合

クラウドを使って、Web 上のIDE からMicroPython で開発できます。公式サイトでは以下のページで手順が紹介されています。

2-1. Windows マシンにUSB ドライバをインストール

1-1 と同様の手順でUSB ドライバをインストールします。

2-2. 書き込みツールのインストール

espressif.comの用意しているFlash Download Tools (ESP8266 & ESP32)を利用してファームの書き込みを行います。

ダウンロードして展開し、適切な場所に配置して下さい。フォルダ内にある「ESPFlashDownloadTool_XXXX.exe」が本体になります。

2-3. ファームをダウンロード

m5cloud 版のファームを以下よりダウンロードします。尚、ファイル名に「psram」の文字があるものは、2018年モデルの4MB メモリのM5Stack 向けのもののようですので、通常はファイル名に「psram」の文字のないもので良いかと思います。

2-4. ファームの書き込み

M5Stack をUSBケーブルで接続します。デバイスマネージャなどでCOM ポートの接続先を確認します(以下の図ではCOM3)。

2-2 で用意した「ESPFlashDownloadTool_XXXX.exe」をダブルクリックします。以下のような画面が出たら「ESP32 DownloadTool」をクリックします。

ダウンロードしたファームを選択し、@の後ろの欄に「0x1000」と入れます。また、「COM」欄に確認したCOMポートを設定します。「ERASE」ボタンを押してクリアした後、「START」ボタンを押すとファームが書き込まれます。

ここから先の手順については@inachi さんこちらの記事が詳しいので省略します。

3. オフラインMicroPython 開発の場合

PC とUSB ケーブルで接続して、シリアル接続でMicroPython によって開発できます。

3-1. Windows マシンにUSB ドライバをインストール

2-1 と同様の手順でUSB ドライバをインストールします。

3-2. 書き込みツールのインストール

3-1 と同様の手順で書き込みツールをインストールします。

3-3. ファームをダウンロード

オフライン版のファームを以下よりダウンロードします。今回「m5stack-20180228-v0.3.4.bin」を試したところ、うまくいきませんでしたので、1つ前の「m5stack-20180206-v0.3.3.bin」をダウンロードしました。

3-4. ファームの書き込み

2-4 と同様の手順でファームの書き込みを行います。

3-5. シリアル接続とコードの書き込み

ファームの書き込みツールを閉じた後、Tera Term で接続します。「設定」>「シリアルポート」で「ポート」に3-3 で確認したCOMポートを、ボーレートに「115200」を設定します。

M5Stack をリセットすると、Tera Term でブートログが見れるはずです。

リターンキーを何度か押すと入力できるはずです。help()でヘルプが見れますが、CTRL + eでペーストモードに入りますので、コピーしたソースを張り付け、CTRL + dで終了できます(キャンセルはCTRL + c)。

M5Stack をリセットすると書き込んだプログラムが起動します。

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