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仮想通貨で負けた話

Last updated at Posted at 2017-12-24

仮想通貨で負けた話

この記事はIS17erアドベントカレンダー18日目の記事です。当然あとから書きました。

昨日の記事に引き続き仮想通貨の記事です。

「仮想通貨勝てるんじゃね?」「なんで負けるかわからん」という声を最近良く聞くので、ぼくの過去の仮想通貨トレードから、大損した部分を抽出してベスト3の形式でまとめたので、参考にしてください。正直、もうBitcoinは2倍になったりしないと思うので(少なくとも1,2ヶ月オーダーでは)、以前仮想通貨で成功した人の話を聞いて安易に始めないほうがいいと思います。

金額を書いてもアレなので、損失は割合で書きます。ちなみに取引所は、昨日の記事でもおすすめされていたcoincheckです。

1位

12/22の暴落で、一時的に49%の損失

事の初めは、12/21の夜、大学の門が閉まるか閉まらないかの頃、Moneroという通貨が10%ほど、暴落し、ぼくはポートフォリオの25%ほどを占めていたJPYをすべてMoneroにしました。ここ最近で10%も下落することはかなり珍しいので、回復すれば10%ほどの利益が見込めると思ったのです。

しかし、深夜、時がたつに連れ、Moneroだけではなく、すべての通貨が連動して暴落し始めました。ぼくはすでにBitcoinを手放しており、手元に残っているのはすべてアルトコインです。coincheckではアルトコインの売買の際に、買いの価格と売りの価格がおよそ6%ほど異なります。ここで、通貨を売却するとしたら、それは現時点からさらに6%以上の下落を読んだ場合の行動です。さすがに、そんなことは起きないかなと思い、朝起きたら18%程度の損失が出ていました。

12/22の午前中、だいたい20%の損失のままキープしていたのですが、ここでRippleだけが高騰していたので、ポートフォリオの20%ほどを占めていたRippleを売却しました。

お昼、ご飯を食べていたら、Bitcoinを始めとし、Rippleも含めたすべてのコインが大暴落し始めました。10日ほど前に一度150万JPY/BTCまで下落したのですが、さすがにこれを下回らないだろうと思って、クレジットカードでポートフォリオの25%分ぐらい買い足そうと思ったのですが、あまりの急落にcoincheckが502 Bad Gatewayになってしまい、決済もエラーの連続で、結局行動できませんでした(クレジットカードの決済は、売買時レートのマージンも考慮して、10%を超えるマージンを取られるので、10%以上の回復を確信しないとおすすめできません)。

夜、さらに暴落が続き、この時点で40%程度の損失が出ていました。アルトコインを中心に所有していたぼくにはかなり厳しかったのですが、コインによって下落率がかなり違うことから、下落率が低いものをすべて売却し、下落率が大きいものに乗り変えました。売買レートのマージンにより、この操作で、5%程度のアセットを失うことになります。大体、この時で最大49%の損失が出ました。

その後、瞬間的に前日比60%ほど下落したNEM, Liskというコインを底値で買うことができ、これらの回復により、一時的に損失は10%程度まで回復しました(しかし、再び下落したので一連の変動で損失は20%程度になりました)。

まとめ

  • アルトコインを売って買うとそのたびに6%ほどアセットが減少するので、かなり見極めて買う必要があります。
  • 6%というのは少ないように感じるかもしれませんが、たとえばアセットが100万だとすると、6万円です。
  • クレジットカードで買うのは、よっぽどの変動を見込まない限りおすすめしません。
  • 回復時に下落率が低いコインから下落率が高いコインに乗り換えるのは、かなり効果的です。

2位

レバレッジ取引で、25%程度の損失。

レバレッジ取引は魅力的ですが、極めて危険なので本当におすすめしません。
まずはレバレッジ取引について、簡単に説明したいと思います。

レバレッジ取引とは、coincheckの場合、5倍のアセットを所持しているとみなして行われる取引です。
たとえばあなたが100万持っているとすると、500万を持っている人と同等な取引が可能です。
100万持っていた場合に10万分の利益が出たとすると、レバレッジ取引を行っていると50万の利益が出ます。つまり、110万になるところが、150万になります。さらに、これにより、750万所持している人と同等な取引をさらに行うことが可能になります。

ただ、お気づきだとは思いますが、損失を出すと大変なことになります。
本来10万円分の損失は50万円分の損失になってしまいます。さて、これがどう深刻なのかを説明する前に、レバレッジ取引の取引形態について説明します。

通常の注文では、Call(買い)/Put(売り)は注文した瞬間(指数注文なら決済された瞬間)から損益が発生します。しかし、レバレッジ取引ではそうではありません。レバレッジ取引では、ポジションというものが存在し、買ったものを売り、差額を決済するタイプと、売ったものを買い、差額を決済するタイプがあり、それぞれ、Short, Longと呼ばれます。つまり、レバレッジ取引は差金決済なのです。

つまり、レバレッジ取引の一つの魅力として、暴落時にも巨額の利益を出すことができる、ということが挙げられます。
たとえば、2000000JPY/BTCから1500000JPY/BTCに暴落したとして、初め5BTC分Longで注文をして、底値に達したときに決済したとする場合、6.66BTCに増やすことができます。レバレッジですから、1BTCが2.66BTCに増えていることになります。

さて、ここからがレバレッジ取引の危ない話ですが、レバレッジ取引では、自分が本来所有しているアセットよりも大きな負債を負う可能性があります。たとえば、先程の例で、100万持っている人が、レバレッジ取引を行い、本来の価格で20万分の損失を出すと、それはレバレッジされ100万円分の損失になります。これ以上の損失を負うと、アセットが負になってしまいます。

そこで、ほとんどの取引所では、証拠金維持率というパラメータが用意されており、coincheckでは証拠金維持率が50%を下回った場合、反対売買が行われShort, Longいずれも強制決済されてしまいます。つまり、いくら回復の見込みがあろうと、証拠金維持率が50%を下回った時点で、アセットは強制的に半減されてしまいます。

証拠金維持率とは次のように計算されます。

証拠金維持率=(レバレッジ取引での現時点での含み益/含み損を考慮したレバレッジアセット)÷(本来所有しているアセット)

つまり、証拠金維持率が50%を切る瞬間というのは、先程例に出した、「100万円のアセットをもってレバレッジ取引に参加した人が10万円分の損失を出した場合」です。

レバレッジ取引の罠

coincheckの場合、レバレッジ取引はBitcoinについてのみ、トレードビューで行うことができます。トレードビューでは、アルトコインのように売買の際にマージンを取られないので、短期間の取引が可能です。

しかし、トレードビューを使ったことのある人なら誰もがわかると思いますが、通貨のレートと買い板の最安値、売り板の最高値はすべて異なります。一般に

(売り板の最低値)≦(通貨のレート)≦(買い板の最高値)

となっています。これは、それぞれの取引に関して、Call注文とPut注文が同じ量だとは限らないことに起因します。
たとえば、1600000JPY/BTCの相場で1BTC購入するような注文があった場合、買い板に、1599900JPY/BTCで0.6BTC売りに出している人と、1599999JPY/BTCで0.8BTC売りに出している人がいたとして、前者から0.6BTC, 後者から0.4BTC分取り出されて決済されることになります。実際は、もっと多くの注文で平均されレートが計算されているので、以上のような結果になります。

何が言いたいかというと、レバレッジ取引において(普通の取引においてももちろんそうですが)、成行注文で売ってすぐ買うことや買ってすぐ売ることは損失を生みます。なぜなら、買い板の最高値と売り板の最低値の間にマージンがあるからです。Bitcoinの場合、数千円のマージンがある場合が多く、5BTCのShort/Longを注文した瞬間、1万円の損失が発生することになります。実際に所有しているアセットが5BTCの場合、ほんの僅かな損失なので、無視することもできると思いますが、レバレッジの場合、1BTC(150万JPY/BTC)とすると、わりと大きな損失になるので、注意する必要があります。

まとめ

  • レバレッジ取引は、短期間の急上昇/急降下の場合のみおすすめします。
    変化が少ないときにやると、上述したような売り板と買い板の価格差から、損失につながることが多いです。
  • 12/22のビットコイン下落時など、レバレッジ取引は大活躍したかもしれません。

3位

プログラムに戦わせて33%の損失

なぜ順位が3位なのかというと、割合は2位より大きいですが、金額としては、2位よりずっと小さいからです。

coincheckが公開しているRubyのGemを使って、自動トレードプログラムを書きました。
以前書いた記事に難点はまとめたのですが、もう一度復習すると

  • 成行注文はAPIのタイムラグがあるので、危険
  • 高騰時、下落時にアクセス集中のため、APIが3秒ほど遅れることや、そもそも通信エラーになることもある
  • 指数注文の場合、すぐにキャンセル判定ができるようにしておかないと、暴落時に対応できなくなる。
  • 長時間テストしてから使ったほうがいい

ちなみに、現在就活で、日本で昨年度利益額首位の投資銀行に行っていて、自動トレードシステムの話とか聞きましたが、ナノ秒単位でやっているそうです(株ですが)。個人じゃまず勝てないですね。クリティカルパスの分析をしていて、クリティカルパス部分は超低レイヤーで実装しているみたいです。FPGAもあるそう。

やっぱり個人ではやらないほうがいいと思います。

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