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toggle holdingsAdvent Calendar 2024

Day 24

入社して約一年半のGISと地図技術への取り組みを振り返る

Last updated at Posted at 2024-12-24

toggle holdings Engineer Blog にも同じ内容の記事を転載しています

2024年もあと7日ほど。早いですね。

2024年のトグルホールディングスを振り返ると、今年始めての試みとして、各種カンファレンスへのスポンサードを行いました。5月の TSKaigi #1(東京都中野区)、11月の TSKaigi Kansai(京都府京都市) には Platinum Sponsor として参加しました。また 10月に行われた YAPC::Hakodate 2024(北海道函館市)にも Perl Sponsor として参加しました。

TSKaigi へのスポンサードからも分かる通り、トグルホールディングスが重点的に取り組んでいるの重要技術の一つとして TypeScript が挙げられますが、その他にもいくつか重要技術があります。生成AIといった各所で取り組まれているものもその一つですが、とりわけ不動産業務と切っても切り離せないのが 地図に関する技術GIS と呼ばれたりもするものです。

GIS とは

GIS (ジーアイエス) とは Geographic Information System の頭文字を取った略語で、日本語では 地理情報システム などと訳されます。簡単に説明すると、緯度経度といった場所に紐づく情報=地理空間情報を取り扱う技術の総称のことです。Wikipedia にある「地理情報システム」の記事が詳しいです。

今までに公開された toggle holding アドベントカレンダー2024 の記事でも、GeoJSON や PLATEAU といった GIS にまつわるトピックを取り扱っています。

GIS が対象とする領域は地図にとどまらないのですが、地理空間情報のプロット手法として地図が用いられることは自然なことで、私は GIS という単語を地図技術の類義語として語ってしまうことがあります。

私がトグルホールディングスに入社したのは2023年の夏だったのですが、その 入社動機は「業務の中で興味があった地図技術を学んで実践できる」 ことでした。

私と地図

2020年のコロナ禍で満足に外出できない日々が続いた時、自宅でよく Google Maps や Google Earth を開いて色々な場所を見て「バーチャル旅行」をしていました。

元々、行ったこと無い場所を地図で見て何があるか想像したり、昨今のWeb地図でリアルタイムに現在の状況が反映された地図を眺めるのが好きで、日常的に Yahoo!マップや地図マピオンなどの iOS/iPadOS アプリを取得したい情報に応じて使い分けたり、公共交通機関のリアルタイムな動向を Mini Tokyo 3DFlightradar24 で確認したりしています。位置情報サービスの草分け的存在である Foursquare / Swarm はサービス開始当時からのユーザです。

ユーザとして複数の地図系アプリの熱心な愛用者ではあったのですが、ウェブ開発者としては「こんなアプリ作れたらいいなぁ」と思いつつ、プライベートな時間でゼロから何か作るほどの行動力を発揮できずにいました。勉強しない言い訳は色々できますが、「仕事にしてしまえば平日ずっと向き合える」という単純な発想から2023年に転職。やる気だけあって(GISに関しては)専門知識がない私を「地図担当」として採用して頂いたことは有り難い限りです。

業務で触れたGISとWeb地図

2023年夏の入社後は、土地仕入れを効率化する社内アプリケーション TSURUHASHI の開発・保守運用の担当となりました。

TSURUHASHI については下記の記事を参照ください。

すでに一定の完成を経ていた TSURUHASHI にさらなる改善を施すべく、フロントエンドに詳しい方の力を借りながら、主にバックエンドの GIS データの整備を中心に行っていました。

当時は体系的な GIS の勉強をしたかったものの、どこから着手していいかわからず、とりあえず業務で出会ったものを都度調べていました。シェープファイルGeoJSONgeometry型、ST空間関数、空間JOINなどの基本的な(今では基本的とわかる)ものから、プロジェクト固有の概念まで、今まで出会うことがなかった GIS の技術要素に出会い学んでいきました。

入社当時はプロジェクトメンバーが大きく変わっていた時期で、気軽に質問できたりと頼れる人が一時的に激減していたこともあって学びに苦労しましたが、半年ほど GIS を学んで俯瞰ができるようになったことで、GIS 初学者への勉強のロードマップをある程度示すこともできるようになりました。私自身、学習曲線がなかなか上向かない人ではありますが、エンジニアが一気に増えた2023年末から新卒社員が入社した2024年春以降に適宜アドバイスができたことを思うと、自分の入社時期は良かったなと思います。

なお 2024年12月現在、GIS 初学者が一通りの GIS の知識をつけるには、教科書として「位置エン本」「位置ベロ本」を最初に一通り読んでもらうことが一番の近道 かなと思います。「位置ベロ本」の方は2024年8月発売であり、2023年にこの書籍があったら…と当時の私を振り返って思ってしまいます。

TSURUHASHI では Google Maps Platform を使っていたのですが、その中で Google Maps Platform では対応しづらい要件を経験、地図技術に長けた外部よりいらした複数の方々より MapboxMapbox GL JS の存在を教えて頂きました。愛用している Mini Tokyo 3D でも使われている Mapbox GL JS であり、導入に迷いはありませんでした(なお、Mini Tokyo 3D の作者である草薙さん @nagix は Mapbox Japan のアンバサダーです)。

2024年夏からは Mapbox GL JS を使った地図の開発導入を開始。正直なところ、それまでフロントエンド技術は「みようみまね」でやり過ごしていたのですが、アプリケーションへのゼロからの地図 = Mapbox GL JS 導入ということで、React や各種 UI ライブラリとも真剣に向き合うことに。最初は何もかもわからない状態でしたが、今では Mapbox GL JS の勘所もある程度わかるようになり、React もある程度人並み程度にはわかるようになりました。

学習曲線がなかなか上向かない私は、プライベートの時間で一人勉強していたら何ヶ月も成果が出なかったと思います。 地図という副作用の塊同然の要素を React と一緒に取り扱うことで、React の様々な構文の活用に迫られた ことも良い経験でした。

2024年になってから、自分が携わっていない社内プロジェクトでも GIS や地図技術が重要技術として取り組まれ、社内でも GIS 仲間と呼べる人が増えています。1年と少し前、2023年を思い返すと相談できる人も少なかったのですが、特に2024年の後半は相対的に組織の規模が大きくなったことで嬉しい環境になっています。

社内では Google Maps や Mapbox GL JS 以外にも、Leaflet や deck.gl の活用事例もあり、横の連携を強化することで次の技術選定を良いものにしていきたいです。また Mapbox GL JS が多くのプロジェクトで活用されていることから、その「親戚」である Maplibre GL JS にも取り組んでみたいと考えています。

2024年、GIS のイベントにも多数参加した

2023年、社内で GIS について気軽に話せる仲間が少なかったことを解消する意味で、社外で行われる GIS 系イベントにも各種参加しました。

2023年夏の入社以降、2024年末までに参加した GIS イベントをまとめてみました。

2023年当初はオンラインイベントが多く、GIS の知人を増やす目標を達成しづらい状況でしたが、コロナ禍の気配がだいぶ無くなった2024年は現地参加イベントも増え、色々な方と対面で交流できたことが嬉しいです。それでもまだまだ GIS 界隈に知人が多いとは言えず、ぼっちになりがちではあります。とはいえ、もともと社交的な人間ではないこと、社会人なりたての2000年代にも(大規模イベントに参加して終始ぼっちで帰宅する)同じような思いをしたなぁと思い出しながら、今後も様々なイベントに足を運んで交流の機会を増やそうと思っています。

前述でも「一人で勉強していても一向に上向かない」といったことを書きましたが、長く社会人をやっていて、自分ひとりでは何もできないということは日々痛感します。会社に足を運び、同僚との日々の何気ない会話から得られる気づきというのは、少なくとも私にとって大きいもの。その何気ない日常が崩れた2020年のコロナ禍によるワークスタイルの激変は、(フルリモートによって)通勤の苦痛を取り去ったというポジティブな側面とともに、同時に私から偶発的な雑談とそこから得られる様々なものを奪いました。

トグルホールディングスでは、「週2〜3回は来てくださいね」というハイブリッド勤務が採用されており、雑談大好きな私は毎日出社しつつ、「〇〇さん、今日はリモートワークだけど、明日は来そうだから明日マップタイルサーバについて聞いてみよう」といったことが出来るのは大きな魅力です。

勤務体制と福利厚生 | toggle holdings Engineering Handbook の「リモートワークについての考え方」も参照下さい)

ここ10年ほど、複数のコミュニティイベントや過去の在職企業での社外向けエンジニアイベントにて、イベント運営側に回ることは毎月ペースであったのですが、参加者側としてこれほど頻繁にイベントに参加することはそれこそ10年ぶりくらいです。それも、興味先行の GIS の知識、そして先駆者の生の声を聞きたくて界隈で活躍する方々の交流を求めた結果なのかもしれません。

トグルホールディングスでも GIS の社外向けイベントをやってみよう!

GIS のイベントにたくさん参加した…という話をしましたが、もともとイベント運営に多数携わった身として、開催する側にも立ってみたいと考えるようになりました。様々な層(難易度、ジャンル、適用業種等)への GIS イベントへ参加しましたが、まだ埋められていない層は多いと感じています。であれば「やってみよう」の精神を発揮するしかないと。

そんな思惑もありつつ、来年2025年、トグルホールディングスでは自社主催の社外向けエンジニアイベントを定期的に開催しようと考えています。であれば GIS イベントもその枠組でできれば!ということで、 トグルホールディングス主催の GIS イベントを 2025年2月26日(水曜日)の夜に開催予定です 🎉

まだ計画中の段階ではありますが、2025年1月上旬にはトグルホールディングスの connpass グループで公開できればと考えています。興味ある方は是非 connpass グループのトップページにある「メンバーになる」ボタンを押して下さい!(イベント公開時に通知が飛びます)

トグルホールディングスが不動産業務に取り組む中で得た GIS や地図技術にまつわる各種知見を発表する場となるよう、これから準備を進めていきたいと思います。その他、(可能であれば)毎月ペースで、トグルホールディングスの各エンジニアが取り組んでいる各技術ジャンルの勉強会も上記 connpass グループで公開および開催していければと考えています。ご期待下さい!そしてご参加お待ちしています!

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