はじめに
TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる などを参考に、ここ 2、3 年ほど Obsidian を利用した Personal Knowledge Management (PKM) を個人的に行っています。PKMとは、個人の知識や情報を体系的に管理し、活用するための方法論です。
いろいろと試した結果、Obsidian を中心に迅速にメモをとるための環境整備を行ったので、そのメモをまとめます。個人で整理したものなので、よりよくするアイディアなどありましたら是非教えてください!
ワークフローの概要
私のメモ取りワークフローは、以下の2つの基本方針があります。
- とりあえず思いついたことを雑多に書き込む → Daily note にメモ
- 明確なメモのアイディアがある場合 → Inbox にメモ
このワークフローを実現するために、PC と iPhone の両方で効率的にメモを取れる環境を整備しています。
なお iPhone からの場合、主には Daily note にメモをとる運用としています。
私のメモをとる際のワークフロー
PC を利用している時
Daily Note にメモをとる場合
とりあえず思いついた時に雑多なメモをとる場合、以下の2つの方法があります:
-
Raycast を利用する方法
- Raycast の Obsidian Plugin で Daily note にメモをとる
- Raycast の Obsidian Plugin を導入すると、以下のように Raycast 上で Daily note に追記ができます
-
Obsidian アプリを直接利用する方法
アイディアの原型があって、Inbox に直接メモを書く場合
明確なメモのアイディアがある場合にメモをとる場合は、キーボードショートカット (cmd + Shift + i) で起動してメモをとっています。
私は 01_Inbox
というフォルダを切ってあり、その下にメモが保存されるように設定してあります。
Daily note のメモから派生させて Inbox にメモを保存する場合は、Note compser という Obsidian の Core Plugin を利用してメモを切り出しています。
iPhone を利用している時
このショートカットは、iPhone のホーム画面に配置してすぐに起動できるようにしています。操作イメージは以下のような形です。"Daily note" というショートカットボタンを押すことでダイアログが起動し、その日の Daily note にメモが追記されます。
このワークフローを実現するための前提
このワークフローを実現するためのプラグイン構成として、以下のような構成を取っています。
Core plugins
Obsidian にデフォルトでインストールされている Plugin です。以下二つの Plugin を利用しています。
- Daily note
- Sync
Daily note
以下のような設定を行っています。ディレクトリ構成などはお好みで。
私は、02_Daily
というフォルダを切ってあり、その下に、YYYY/MM/YYYY-MM-DD
の形式でメモが保存されるように設定してあります。
Template は以下のようになっています。
---
title: <% tp.date.now("YYYY-MM-DD") %>
tags:
- Daily
AutoNoteMover: disable
created_date: <% tp.date.now("YYYY-MM-DD") %>
---
[[<% tp.date.now("YYYY-MM-DD", -1, tp.file.title, "YYYY-MM-DD") %>]] | [[<% tp.date.now("YYYY-MM-DD", 1, tp.file.title, "YYYY-MM-DD") %>]]
## Contents
<% tp.file.cursor(1) %>
tp.
で始まるものは、Templater
という Plugin を利用する前提の命令文になります。詳細は後述します。
Sync(同期する手段の一例)
PC と iPhone の同期については、Obsidian Sync にて実現しています。PC とモバイルの同期方法は正直いろいろあるのですが、Obsidian にお布施する意味も込めて本家の同期方法をとることにしました。同期に関して特段不満はないですが、容量が 1GB というのは後々不足するかも、という懸念はあります。が、便利なので一旦限界がくるまではこの Plugin を利用する想定です。
Community plugin
Communiti Plugin を有効にして利用する Plugin です。以下の二つを利用しています。
- Quick Add
- Templater
Quick Add
今回のワークフローの根幹をなす Plugin です。これは、ショートカット経由で起動し即座にメモをとることができるようにするためのプラグインです。
今回の文脈ですと、私は以下の二つの設定を登録しています。
Templater
Daily note の Template 中に記載している、tp.
で始まっている命令文を実行するために利用しています。例えば、以下の命令は前日分の Daily note へのリンクになります。
[[<% tp.date.now("YYYY-MM-DD", -1, tp.file.title, "YYYY-MM-DD") %>]]
また、以下の命令文は、このTemplateを元にファイルを生成した場合に、カーソルが自動でそこに移動する命令文です。
<% tp.file.cursor(1) %>
PC 上のホットキーの設定
Quick Add で設定したものは、Obsidian の Hotkey にてキーボードショートカットを設定できます。例えば、Daily note に追記する AddMemo
という Quick Add の設定について、以下のように設定しています。
iPhone 上の Obsidian アプリを利用する際の設定
iPhone の Obsidian アプリ上の環境をシンプルにするため、PC と iPhone で設定を分けています。また、iPhone 上のショートカットアプリから簡単に Daily note に登録できるようにしています。
設定の同期をしないための設定
iPhone に Obsidian アプリをインストールして利用していますが、あえて、PC と設定が別になるようにしています。
具体的には、設定の Files and links
> Override config fdoler
で、設定フォルダを指定することができ、これを PC と iPhone で変更すれば設定が別になるようにできます。私は PC(Mac) 上では以下のような形で.obsidian_mac
を指定しています。iPhone 上ではデフォルト値(.obsidian
)で利用しています。
Obsidian のアプリはよくできていて、PC と iPhone で同じプラグインが同じように動作します。ただ、私の運用上は iPhone ではなるべく動作を軽くしたいと思ってまして、このようにしています。
iPhone のホーム画面からワンクリックでダイアログを起動し、Obsidian の Daily note に追記する
前述の Sync プラグインで Obisdian の同期をしている場合、その同期されたファイルは iCloud ドライブ上に保存されます。つまり、ファイルシステムとしてアクセスすることが可能です。これを利用して、iPhone のショートカットから iCloud ドライブ上の Daily note にアクセスし、直接書き込みをすることが可能です。
私は以下のショートカットを利用して書き込みをしています。
Daily note ショートカット
挙動としては、以下のような形です:
- "Dialy note ショートカット"をホーム画面に配置
- ホーム画面上のショートカットをタップ
- ダイアログにとりたいメモを書く
- 完了を押下
- 当日の Daily note がなかったらエラーになり停止
- 当日の Daily note が存在する場合は、テキストを追記して終了
このショートカットでは Obsidian のアプリを介さず、直接ファイルシステムにアクセスしているため、Obsidian の機能は使えませんが、個人用途なのでそこまで完璧さにこだわらず運用しています。
当日の Daily note がない場合は、Obsidian のアプリを開いて、Daily note を生成します。
Obsidian の iPhone アプリでは、Mobile Quick Action
というものを利用することができ、Obsidian のアプリ上で上から下にスワイプすることで任意のアクションを実行することができます。私は、これにDaily nots: Open today's daily note
のコマンドを割り当てています。
参考: ObsidianのプラグインQuickAddとiPadのモバイルクイックアクションの設定
まとめ
一例として、Obsidian を中心としたメモをとるためのワークフローをまとめました。このワークフローのポイントは以下です。
- PC と iPhone の両方で効率的にメモを取れる
- キーボードショートカットやショートカットアプリで素早くメモを追加できる
よりよいアイディアなどありましたら是非教えてください!