この記事の概要
ここ最近のBlender1は、MacではGPUレンダリングができませんでした。2
しかし、2022年3月9日にリリースされたバージョン3.1ではGPUレンダリングが可能になったようです。
ということでUIやレンダリング時間を比較してみた記事です。
注意
今回の内容は
- macOS 12.2以上のM1 Mac
- macOS 12.3以上でAMDのグラフィックカードを積んでいるMac
のどちらかの条件を満たさないといけません。
詳しくは公式のリリースノートをご覧ください。
https://wiki.blender.org/wiki/Reference/Release_Notes/3.1/Cycles
環境
カテゴリー | 内容 |
---|---|
マシン | MacBook Pro (16-inch, 2019) |
OS | macOS Monterey (12.3) |
プロセッサ | 2.4 GHz 8-Core Intel Core i7 |
メモリ | 64 GB 2667 MHz DDR4 |
グラフィックス | AMD Radeon Pro 5500M 8 GB |
MacBook Pro単騎で3DCGに挑むなんて……という声が聞こえてきますが、これでやっています。
設定画面
多くの人が使っているであろう2.93(LTS)と比較してみます。
2.93 | 3.1 |
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Preferences > System
に Cycles Render Devices
という項目が追加されています。
ここでMetal
のタブを選び、使用したいGPUを選べばOKです。
逆に言えば、ここでチェックを入れていないとGPUレンダリングはできません。
Scene設定
PreferenceでオンにするだけでもまだGPUレンダリングは実施されません
Scene > Device
よりGPU Compute
を選んで、ようやくレンダリング時にGPUが使われます。
2.93 | 3.1 |
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3.1まではGPU Compute
を選んでもグレーアウトしてしまい、意味はありませんでした。
なお3.1でOpen Shading Language
のチェックが消えているのは、この項目がCPUレンダリング時限定のオプションだからです。
詳しくはこちらのマニュアルをご覧ください。
レンダリング時間
Blenderではスプラッシュスクリーンのファイルがなどがオープンに共有されているため、3.1のものを使って時間の比較をしてみました。
結果、CPUレンダリングだと約9分、GPUレンダリングだと約5分。
(当然と言えば当然ながら)レンダリング時間が短くなっています。
レンダリング設定は以下です。
項目 | 値 |
---|---|
Noise Threshold | 0.04 |
Max Sanples | 1024 |
Min Samples | 16 |
Time Limit | 0 sec |
一応、証拠がてらレンダリング時のスクリーンショットを載せておきます。
CPU | GPU |
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CC-BY-SA | Lorenzo Aiello - orencloud
余談
2021年10月14日、Blender Development FundにAppleが参加しました。
金銭的な支援だけでなくエンジニアリングのサポートにも入るとのことだったので、BlenderもMetalを活用できるようになったと思われます。
まとめ
- 以下のどちらかを満たせば、MacでもBlenderでGPUレンダリングができる
- macOS 12.2以上のM1 Mac
- macOS 12.3以上でAMDのグラフィックカードを積んでいるMac
- 自動で使える訳ではなく、設定を有効にしないといけない
- (当然と言えば当然ながら)レンダリング時間が短くなる
最後まで読んでくださってありがとうございます!
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