きっかけ
E2D3のワークショップで、『グラフをつくる前に読む本』の作者・松本健太郎氏が、
M1グランプリ2017はすごかったですね
と言っていた。
私は、観ていなかったので、本当にすごかったのかどうか、グラフ化してみた。
前提・データ収集
まず前提として、M1グランプリ決勝戦は、1stステージで、決勝戦進出の9~10組の出場者が漫才を行い、審査員(毎年、メンバー、人数が変化)が100点満点で審査。その合計の上位3組、ないし、2組が2ndステージに進出し、2度目のネタ披露。審査員はその中で一番面白かったと思う1組に投票。総得票数が一番多かったコンビが優勝となる。また、その中で、敗者復活制度もある。
データは、M1グランプリ公式サイトにあります。
ページ内の「大会の歴史」から過去データにもアクセスできます。
仮説としては、
- 2017年大会は過去大会よりも、レベルが高かった -> 得点の平均点が高い
- 接戦・激戦・混戦であった -> 出場組の平均点のばらつきが小さい
ということとして、2017年大会は「きっと、平均点が高く、ばらつきは小さいのでは」と仮定しました。
なお、データは1stステージの各組×審査員の得点のみを使用。今回、2ndステージは考慮してませんので、あしからず。
仮説に従ってデータをつくる
- year -> 開催年
- score_mean -> 全組の平均点
- intenseness -> 接戦の度合(1 / 各大会の平均点の標準偏差)
- winner -> 優勝組
※ ばらつきの指標としては、大会ごとに出場者数が違うため、標準偏差にしました。その上で、数が大きいほど、接戦の度合が大きいとしたかったので、逆数を取りました
要約したデータは↓↓
year | score_mean | intenseness | winner |
---|---|---|---|
2017 | 90.60000000000001 | 0.48030906559569353 | とろサーモン |
2016 | 90.13333333333333 | 0.4029114820126905 | 銀シャリ |
2015 | 89.96296296296295 | 0.5741108388985465 | トレンディエンジェル |
2010 | 90.15873015873017 | 0.27406527228459493 | 笑い飯 |
2009 | 89.65079365079364 | 0.29908582824533947 | パンクブーブー |
2008 | 89.34920634920634 | 0.37482075996745506 | NON STYLE |
2007 | 87.39682539682539 | 0.23604447261304098 | サンドウィッチマン |
2006 | 87.65079365079366 | 0.23362193373224205 | チュートリアル |
2005 | 86.98412698412699 | 0.18363211159441903 | ブラックマヨネーズ |
2004 | 87.79365079365078 | 0.23109387206456072 | アンタッチャブル |
2003 | 85.4920634920635 | 0.16790734071483362 | フットボールアワー |
2002 | 79.98412698412699 | 0.20137227201334743 | ますだおかだ |
2001 | 71.68999999999998 | 0.10663206977758906 | 中川家 |
グラフ化
とりあえず、散布図にしてみたが、イマイチだったので、オービットチャートで表現。理由としては、"去年よりも面白かった"など、以前と比べてどうだったかを表現したかったため、時間を持ちこんでみました。
なお、オービットチャートについての詳しい話はOrbit charts, and why you should use them | Michel Baudin's Blogを参照してください。
話が逸れますが、私は下のオービットチャートはとても好きなグラフです。
ブラジルのGDPとGNIの推移をプロットしたもので、その時代の政権を色で区分しており、どの政権時代に所得格差が広がったのかなどが分かります。
オービットチャートは、散布図に時間を付加できるのが強みですが、ただし、時間のスケールが均等でなく、視覚と一致しないところが弱点といえます。
あと、軌跡が重なったりすると、見にくかったりしますので、いい軌跡になるとうれしいです
グラフを見て結論
- 平均点は歴代1位、接戦度は歴代2位と、M1歴史上のベスト大会に入るのではないでしょうか
- 基本的に平均点、接戦度は上昇傾向にある。再開後2015年大会以降は高いところで留まっている感じ。来年も期待できるのではないでしょうか
よって、結論、来年は見てみよう。