海外で就労VISAを自力で取ろうとしたときに、よくでてくるワード「公証・公印確認・領事承認」について解説します。

これは、私が自力で理解していったときに学んだことのまとめです。
普通に生きていたら出会うことがない文言ですが、誰かのために残しておきたいと思います。

この記事では、私が経験したベトナムを例にとります。

まず、ベトナムで就労VISA（ワークパーミット）や家族帯同VISAを取得を取得しようとした際に、いろいろ日本の書類をベトナムの役所（労働局）に提出する必要があります。そのときに、「その書類って正しいの？」とベトナムの役所ではなりますよね。何かお墨付きがないと、その書類は扱えません。そのお墨付きが「領事認証」です。日本にある「在日ベトナム大使館」が「この書類OK」ってお墨付きをくれるんです。それがないと、ベトナムの役所では取り扱ってくれません。

ここまでOKですね。つまり本記事は、どうやって領事認証を取るのかという話になります。

領事認証の取り方

領事認証は、以下のようなシールを書面の裏に貼ってくれます。今回の記事は、このシールを取得するための流れを解説するものになります。

され、いきなり戸籍謄本をベトナム大使館に持って行っても、領事認証はしてくれません。
領事認証を得るためには、その書類に公印確認がある必要があります。
公印確認とは、外務省が「この書類OK」ってお墨付きを与えてくれるスタンプになります。

以下の画像は、私の犯罪経歴証明書になります。犯罪歴はありませんでした笑
この書類の右下に青いスタンプがあります。これが公印確認（＝外務省スタンプ）です。

公印確認の取り方

では、どうやって公印確認を取るのかですが、文章の種類に応じて2つに分類されます。
「公文書」か「私文書」です。

公文書

「犯罪経歴証明書」「登記簿謄本」などは、公文書になります。日本の役所が発行してくれる書類です。
この公文書は、そのまま外務省に送ると、スタンプ押してくれます。

私文書

「大学の卒業証明書」「職歴証明書」は、私文書になります。私文書をいきなり外務省に送っても、スタンプは押してくれません。私文書は公証役場で公証してもらう必要があります。
公証役場で、公証人に、「この私文書OK」ってしてもらわないと、外務省としてはスタンプが押せないんです。基本はこの考え方です。

公印確認申請方法はこちら。結構簡単で、返信用レターパック入れて、申請用紙と原本入れて郵送すれば、
スタンプ押して返してくれました。無料です。

外務省：公印確認申請方法

公文書・私文書については外務省のサイトで確認してください。

公印確認のための公証について

実は、ちょっとややこしいのですが、知っておくと便利な知識です。
公証役場の場所によって、その後の手続きが変わります。
まず、公証役場で公証しても、その公証に対して、さらに公証人押印証明というのがないと公印確認ができません。

ただ、以下に所属する公証役場でしたら例外があります。

・埼玉、茨城、栃木、群馬、千葉、長野及び新潟
　ここにある公証役場でしたら、公証人押印証明までやってくれます。便利ですね。

・北海道（札幌法務局管区内）、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府および福岡県
　ここにある公証役場でしたら、公印確認までやってくれます。マジかよって思いますが、マジです。公証人が外務省スタンプまで押してくれるんです。つまり外務省に書類を送る必要がないんですね。全国対応してくれって思いますが、ちょっと移動してでも、これらの地域で公証する価値があります。

こちらの画像は、私がわざわざ東京の公証役場にいって、卒業証明書を公証してもらったものです。公証と同時に、外務省スタンプも押してくれています。

外務省：申請手続き

まとめ

こちら外務省の図ですが、まとめるとこうなります。

余談1

就労VISAを取得しようとすると、就労先のベトナムの会社の担当者とやりとりすることがあると思いますが、彼らもよくわかっておらず、用語がごちゃごちゃになっていることがあります。
あまり鵜呑みにせずに、言われた書類の領事認証まで取っておくのが無難です。

余談2

ベトナム国内でも、公印確認、領事認証は可能です。
公印確認は、ベトナムにある日本大使館・領事館で行ってもらえて、領事認証は各地域の外交センターで取得できます。なので、公文書 or 公証済み私文書をベトナムに持ち込んでも手続きは可能です。

余談3

領事認証は、東京のベトナム大使館でやってもらうのですが、午前中に列に並んで申請します。で、夕方に書類を受け取るという流れになります。1日仕事です。何度大使館にいったことやら。。。疲れますよ。

余談4

ベトナム語翻訳。最終的には翻訳も添付して、ベトナムの関係機関に提出するのですが、この翻訳はベトナム国内で対応できるものなので、日本でそこまで気にする必要はないです。翻訳書類の領事認証が必要とはならないので。

余談5

アポスティーユとは、ハーグ条約加盟国でしたら、公印確認をもって、領事認証となる制度です。非常に便利で、大きな手間が1つ減ります。残念ながらベトナムはハーグ条約加盟国ではないです。

外務省：アポスティーユ

以上、Qiitaらしくない記事でした。