RKWardについて
「RKWard」は、GUIでRを使った分析ができる統計ソフトで、SPSSのようにスプレッドシート形式のインターフェイスで直接データの入力や編集も可能です。しかも出力はHTML+SVGという優れものです(一部の環境では、画像が表示されず、保存されます)。
本体のインストール
「RKWard」は、ubuntuの標準リポジトリに登録されているので、
apt install rkward
でインストールすることができます。
プラグインのインストール
優れたソフトフェアではあるものの、現在、いくつかの分析は実装されていません。Rのスクリプト自体を走らせることもできるので、いくらでも新しい分析手法が使えるのですが、せっかくGUIで分析ができるので、同じ操作で分析できた方がいいです。
幸い、分散分析(anova)とペアワイズのt検定などが、プラグインとして公開されています。
RKWardのオフィシャルページからリンクで飛べるサードパーティー・プラグインのリストに上がっているプラグインには、debian/ubuntu用のdebファイルと、リポジトリを利用したインストール方法が掲載されています。しかし、プラグインによってリポジトリのアドレスが違うこともあります。
調べたところ、
r-other-rkward-rk.anova
r-other-rkward-rk.clusteranalysis
r-other-rkward-rk.cohenkappa
r-other-rkward-rk.factoranalysis
r-other-rkward-rk.gitinstall
r-other-rkward-rk.multidimensionalscaling
r-other-rkward-rkwarddev
r-other-rkward-ximple
これに基づいて、インストール方法を整理しておきます。
sudo echo "deb https://distribute.kde.org/rkward/deb unstable main" | sudo tee -a /etc/apt/sources.list
sudo echo "deb-src https://distribute.kde.org/rkward/deb unstable main" | sudo tee -a /etc/apt/sources.list
または、「ソフトウェアとアップデート」を起動し、「他のソフトウェア」タブで「追加」を押し、「リポジトリの完全なAPTライン」ダイアログの「APTライン」入力フィールドに、
deb https://distribute.kde.org/rkward/deb unstable main
と入力して、「ソースを追加」をクリック。もう1つの
deb-src https://distribute.kde.org/rkward/deb unstable main
も同様にして追加しておきます。
つづいて、PGPキーをインポートするためのrkward-keyringパッケージをインストールします。
sudo apt install rkward-keyring
「ソフトウェアとアップデート」を使用した場合は、追加した時点で更新が走りますが、ターミナルからコマンドラインでリポジトリを追加した場合は、
sudo apt update
で、リストを更新しておきます。
プラグインのインストールは、通常通り
sudo apt install [hogehoge]
で、[hogehoge]の部分を、上のプラグンイン名称にします。
ここで「RKWard」を起動し、「Settings」→「Congfigure RKWard」→「Plugins」→「Configure Active Plugins」をクリックします。すると、先ほどのプラグインが自動的に検出されるので、ダイアログの指示通りに登録します。
リポジトリの登録
さて、この段階でインストールされている「RKWard」は最新版でないこともあります。2017年5月16日段階では、0.6.4.1でした。しかし、この時点での最新版は、0.6.5です。
そこで、「RKWard Official Stable Releases」をリポジトリに登録し更新します。
sudo add-apt-repository ppa:rkward-devel/rkward-stable
sudo apt update
更新ファイルがあれば、通常の手続きで、
sudo apt upgrade -y
を実行します。そうすると、すべての更新がインストールされます。
最後に
リポジトリを更新してからインストールすればよさそうなものなのですが、そうした場合、「RKWard」を起動した際に、肝心のRが読み込めず、分析が行えないというエラーが発生してしまいました。
そういうわけですので、この手順がよさそうです。