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pymatgenのインストール手順と使用方法

Last updated at Posted at 2018-07-22

クロスアビリティ Winmostarサポートチームです。

目次

  • pymatgenとは
  • pymatgenのインストール
  • pymatgenの基本機能

pymatgenとは

pymatgenとは、材料解析のためのオープンソースのpythonライブラリであり、以下の特徴があげられます。

  • 原子や分子の構造をPythonのクラスで柔軟に表現
  • VASPやGaussianといった多くのフォーマットに対応
  • 位相図の作成や拡散解析などが可能な強力な解析ツール
  • 状態密度やバンド構造など、電子構造解析も可能
  • 結晶学のオープンデータベースであるMaterials Project REST APIと連動
引用:http://pymatgen.org/

pymatgenのインストール

1 : Anacondaのインストール

AnacondaはPython本体とその他豊富なライブラリが一括で内蔵された便利なパッケージです。
ダウンロードサイトからPCに対応するインストーラをダウンロードし、インストールします。
ダウンロードサイト:https://www.anaconda.com/download/#windows

2 : pymatgenのインストール

  • condaを利用してpymatgenをインストール
    初めにAnacondaのコマンドプロンプトを立ち上げます。そこで以下のコマンドを入力し実行します。

 conda install --channel matsci pymatgen

pymatgenは、Anaconda cloudというAnacodndaで利用できるパッケージなどが公開されているクラウド上のmatsciというチャンネルにあり、そこからインストールするという形になります。

無事にインストールが済むと、このような画面になります。

3 : 開発環境の構成・pymatgenの導入

  • PyCharmのインストール
    pymatgen自体はAnacondaのコマンドプロンプトで扱うこともできますが、ここではPython IDEの一種であるPyCharmと連携させて扱いたいと思います。ダウンロードサイトからCommunityバージョンをダウンロードし、インストールします。
    ダウンロードサイト:https://www.jetbrains.com/pycharm/download/#section=windows

  • PyCharmとAnacondaの連携
    インストール終了後、PyCharmを開くと以下のような画面が開きます。

 右下のConfiguresからSettingsを選択すると以下の画面が開きます。

 Project Interpreterを選択します。
表示された画面右上のProject InterpreterのバーをクリックしShow Allを選択すると以下の画面が開きます。

右上の+を押すと、

このような画面が開くので、New Environmentを選択します。
LocationでAnacondaを保存した場所を選択し、Base interpreterでpython.exeを選択しOKを押します。

 内蔵されているパッケージの一覧が表示されたらOKを押します。
するとアップデートが開始されます。これでPyCharmとAnacondaが連携されたことになります。

 さらにPyCharmにpymatgenを連携させます。改めてSettingsからProject Interpreterを選択し、右上の+をクリックします。

 検索バーにpymatgenと打つと左の欄にpymatgenが現れるので、それを選択し左下のInstall Packageをクリックします。これで完了です。
 最初の画面でCreate New Projectを選択し、Projectを始めましょう。

pymatgenの基本機能

  • 元素クラス : Element class
    Element classを利用することで元素に関する物性値を見ることができます。
import pymatgen as mg

si = mg.Element('Si')
print(si.atomic_mass)
print(si.melting_point)

 このように簡単に元素に関する物性値を見ることができます。

  • 組成クラス : Composition class
    使い方はElement classとほとんど同じです。
import pymatgen as mg

fe2o3 = mg.Composition("Fe2O3")
print(fe2o3.formula)
print(fe2o3.weight)
print(fe2o3.total_electrons)
  • 結晶構造クラス : Structure class
    結晶格子に関するオブジェクトです。以下ではCsClの単位格子について考えます。
import pymatgen as mg

lattice = mg.Lattice.cubic(4.2)
structure = mg.Structure(lattice, ["Cs", "Cl"], [[0, 0, 0], [0.5, 0.5, 0.5]])
print(structure.volume)
print(structure[1])
  • 3行目 : 格子定数$a=4.2$の立方格子を定義し、lattice変数に代入しています。
  • 4行目 : 3行目で定義した格子と原子の座標情報を定義し、structure変数に代入しています。
        [0, 0, 0], [0.5, 0.5, 0.5]はそれぞれCs原子とCl原子の分率座標を意味しています。
  • 5行目 : 定義した単位格子の体積を表示しています。$ a^3 = 74.088$ と検算できますね。
  • 6行目 : structure変数には配列としてアクセスできます。0番目にCsが、1番目にClが格納されています。
        1番目の要素を表示すると、カーテシアン座標と元素記号を確認することができます。
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