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これは 弁護士ドットコムアドベントカレンダー 2021 の25日目の記事です。
昨日の記事は @t0daaay さんの Cypress Component Test Runner を Vue Vite で使ってみる でした。

はじめに

DX白書 2021」がIPAにより10月に発行された。「IT人材白書」と「AI白書」を統合し、新たに今年から発行された白書だ。
訳も分からずDXが連呼される中で「またDXか」と思われるかもしれないが、白書の内容は非常に興味深いものになっている。

デザイン思考・アジャイル開発・DevOps

とはいえ白書の内容は戦略・人材・開発手法と多岐に渡るので、開発手法の部分に絞って話を進めたい。
開発手法としてはデザイン思考・アジャイル開発・DevOpsが主に取り上げられている。

システム開発手法.png
「DX白書 2021」 (IPA) より引用

  • デザイン思考
    • 製品やサービスのユーザーが抱える真の問題と最適な解決方法を探索し創出す る思考方法
  • アジャイル開発
    • 小さなチームで開発・適用を短期間で繰り返しながら開発する手法
  • DevOps
    • 開発チームと運用チームが技術的のみならず組織的文化的にも連携することでスピードと品質の向上を目指す

VUCAとも言われる環境が激しく変化する中で、開発手法としての対応としては、各段階で仮説検証サイクルを回していく必要がある。
まぁVUCAだからというよりも、従来から開発プロジェクトの半数以上が失敗してきた中で、早く失敗して早期に軌道修正するためにこうした手法を取り入れることが競争力につながる面もあるのだろう。

日米の差

と、ここまでであればWeb系エンジニアとしては濃度の差はあれ認識している所だろう。
ただDX白書ではこれらにおいて日米企業での比較調査を行っている。

たとえば上記にとりあげた各手法の活用度では、圧倒的な差がついている。

開発手法の活用状況.png
「DX白書 2021」 (IPA) より引用

より大きなところでは評価や見直しの頻度だろう。

評価や見直しの頻度.png
「DX白書 2021」 (IPA) より引用

米国企業の大半がCXを毎週/毎月見直している一方で、日本企業では半数が評価対象外としている。他の項目も似たようなものだ。

検証サイクルを高頻度にしていくには、例えば予算や組織編成や他部門との連携も必要であり、開発部門だけが取り組んでできるものではない。組織全体としてアジリティを高めていく必要がある。
日本でもデザイン思考やアジャイルを取り入れている企業も多いだろうが、組織全体としてここまで徹底して高頻度に回すことができているのは少数だろう。

結局は経営陣のコミットメントが必要ということだが、それは巻頭言でも指摘されている。

そもそも組織のDXとは、その組織の経営の問題であり、デジタルはその経営変革の重要なリソースでしかありません。本白書の方向づけのためにIPA新白書有識者委員会の委員の皆さんにご議論いただきましたが、委員の皆さんが言うことはほぼ同じでした。
まずは経営者自身がデジタルの意味を率先して理解し、自分は何のため誰のためにビジネスをしているかという覚悟とビジョンを提示し、DX推進のリーダーシップを発揮することが何よりも大切であるということ。

おわりに

DX白書は他にも興味深い内容が多いが、特に興味を惹かれた点を紹介してみた。

今年も1年間おつかれさまでした。みなさんよいお年を。

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