これは 弁護士ドットコムアドベントカレンダー 2022 の25日目の記事です。
昨日の記事は @namizatork さんの PHP初心者とお仕事した時に用意したコーディングルールのテンプレ でした。
2022年ももう終盤ですね。今年は年末にかけて UniFi Dream Router や Steam Deck といったデバイスが発売され、喜んで買ったもののまだ全然使い込めていません。年末年始で使い倒していきたいと思います。
はじめに
現代はチーム開発の時代です。スーパースターが1人だけでプロダクトを作るのではなく、各分野のプロフェッショナルが集まってプロダクトを作り育てていかねばなりません。
ただ、バックグラウンドも視点も異なる人々が一緒になってものごとを進めていくのは、そう簡単なことではありません。
今回はそうしたチーム開発を支える名言を紹介したいと思います。
「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」
ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」のセリフです。転じて、進化論における「赤の女王仮説」の命名の由来としても知られています。
プロフェッショナルは、専門的な知見や技能があるからこそプロフェッショナルです。そしてそうした知見や技能は常に更新されます。全ての領域に精通することは不可能でも、各分野にアンテナをはり、必要があればキャッチアップが必要になります。
プロフェッショナルとしてチームに貢献するには、昨日までと同じこと「だけ」をしていてもいけません。これまで通りの居心地のいい comfort zone から出て、居心地の悪い新たな挑戦をしていく必要があります。
disagree & commit
いわゆる「名言」ではないですが、Amazonのリーダーシップ行動指針の1つです。また Intel の名経営者 アンディ・グローブ のマネジメントスタイルが源流として知られています。
チーム開発には様々な人が参加します。多様な意見を集めた方が、結論の質が上がります。だけど全てを合議で進めていては、いくら時間があっても足りません。この2つをどう両立させればよいのでしょうか。
議論を発散させるフェーズでは、多様な視点を取り込んで視野を広げるべきです。「健全な対立」を生むためにも、それぞれのプロフェッショナルがそれぞれの知見を活かして意見や提案を出していく必要があります。
一方議論を収束させるフェーズでは、合意を目指しつつも、最終的には責任者が意思決定すべきです。難しい意思決定であればあるほど、完全なる合意に至るのは難しいからです。
チーム開発で物事を前に進めるためには、反対意見であったとしても (disagree) 、決まったことには従って成果を出す (commit) 、行動様式が必要になります。
「世界を敵と味方だけに分けたら、すべてを焼き尽くすことになる」
宮崎駿の「風の谷のナウシカ」の漫画版におけるセリフです。
「会社は現場をわかってない」「営業は開発をわかってない」といった摩擦はありがちですが、なにか摩擦が起きた時に「こちら vs あちら」という対立構造でみると、「あちら」は焼き尽くすべき敵となり、最後には草も生えなくなります。
そうではなく「問題 vs 我々」の対立構造として捉え、一緒に問題に取り組む仲間として巻き込んだが、実際の問題解決に繋がります。
チーム開発が回るようになると、逆にチームの外を「あちら」としてしまいがちです。でも同じ会社であれば、本来は同じ目標を持ったまた別の「チーム」でもあるはずです。社外の人も含められるかもしれません。どこまで「チーム」として捉えるかで、解決に向けたアプローチも変わってくるでしょう。
おわりに
チーム開発を支える名言を3つほど紹介しました。
どれも実践するとなると難しいですし、そもそもチーム開発が回るようになること自体が難しい話です。それでも、チーム開発が少しでも改善するヒントとなり、より社会をよくするサービスやプロダクトにつながると嬉しいです。
今年も1年間おつかれさまでした。みなさんよいお年を。