0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

EVM(Earned Value Management)とは。何が嬉しいのか

Posted at

EVMとは

  • プロジェクトを管理する時に、タスクの完了率だけじゃなく、予算の消化率も管理すること

何が嬉しいのか

  • 予算を常に把握できる
    • 「タスクの完了率は遅れてるけど、予算は余っているので、人員を追加しましょう」みたいな話がノータイムでできる

何が嬉しくないのか

  • タスクの完了率だけじゃなく、予算の消化率も計算するので、以下のデメリットが生まれる
    • 予算消化率の計算作業が手間
      • 自動化するにしても、自動化を確立するまでが手間
    • 予算を厳密に管理しなくていい時は、ノイズの情報になる

用語

PV(Planed Value)

  • ある時点でかかっているはずの費用(予定)
    • 「どのタスクにいくらかかるか」を事前に割り当ててあるので、「その時点で完了しているはずのタスク」も費用から計算できる
    • ITのプロジェクトだと、「費用=人件費」と考えると理解しやすい

EV(Earned Value)

  • ある時点で完了したタスク(実績)から、求めた費用(予定)
    • 「今日の時点でタスクAまで終わっている。タスクAに割り当てた予算は1万円だから、今日の時点で1万円費用がかかっているはずだ」という風に求める

AC(Actual Cost)

  • ある時点でかかっている費用(実績)

SV(Schedule Variance)

  • スケジュール不一致
    • 「スケジュールが予定より進んでいる or 遅れている」がわかる数値
  • EV - PVで求める
  • SV > 0 なら予定より進んでいる
  • SV < 0 なら予定より遅れている

私がつまづいたところ

  • 仮にEVとPVで差があっても、タスクあたりの予算見積もりが間違っていただけの場合、スケジュールの指標にはならないのでは?
    • SVの考え方はタスクに紐づいた予算が正確であることを前提として、予算を比較することで、タスク完了率の予定と実績を比べる考え方なので

つまづきが解消された理由(勘違いしていたところ)

  • EVはあくまで「プロジェクト開始時(PV決定時)」に、タスクに割り当てた予算をもとに計算するもの
    • 「このタスクに思ったより予算がかかった」という事態は、反映されない
    • その事態はACに反映される

CV(Cost Variance)

  • 費用不一致
    • 「費用が予定よりかかっている or かかっていない」がわかる数値
  • EV - ACで求める
  • CV > 0なら予定よりかかっていない
  • CV < 0なら予定よりかかっている

SPI(Schedule performance index)

  • スケジュールパフォーマンス指標
    • 「スケジュールが予定より進んでいる or 遅れている」がわかる数値
  • EV / PVで求める
  • SPI > 0なら予定より進んでいる
  • SPI < 0なら予定より遅れている
  • SVとの使い分け方は分からない

CPI(Cost performance index)

  • 費用パフォーマンス指標
    • 「費用が予定よりかかっている or かかっていない」がわかる数値
  • EV / ACで求める
  • CPI < 0なら予定よりかかっている
  • CPI > 0なら予定よりかかっていない
  • CVとの使い分け方は分からない

運用の例

想定するプロジェクト

  • プロジェクト期間は1/1~1/30
  • 作業者はAさん1人
  • タスクはタスク1~タスク30まである
    • つまり1日につき、1タスク終わる予定
  • 1日の費用(Aさんの人件費)は1万円
    • つまり1つのタスクにつき、1万円の費用がかかる予定
  • 残業代は、時間内労働と同じ人件費がかかる
    • 1日分の残業をしたら、1万円の人件費がかかる

1/15時点での、タスク完了率・予算消化率の判断

  • タスク10まで終わっているとする
  • Aさんは1日分残業したとする

PV

  • 15万円
    • タスク15まで進んでいる予定なので

EV

  • 10万円
    • タスク10まで終わっているので

AC

  • 16万円
    • Aさんは15日の時間内労働と、1日分の残業をしたので

SV

  • 10(EV) - 15(PV) = -5
    • 予定より遅れている

CV

  • 10(EV) - 16(AC) = -6
    • 予定より費用がかかっている

SPI

  • 10(EV) / 15(PV) = 0.67
    • 予定より遅れている

CPI

  • 10(EV) / 16(AC) = 0.63
    • 予定より費用がかかっている

1/15時点での予算と、1/15時点で完了したタスクに割り当てられた予算を比較して、
スケジュールが予定通りどうかを判断するのが、ややこしいポイントだなと思いました
(予算を起点にしているのに、スケジュールの判断に直結しているのは、結局タスクの完了率)

タスク完了率・予算・実際かかった費用・時間軸の4つを材料に、進捗率と予算消化率を判断するのが、EVMの肝なんだと思いました

再結論

  • タスクの完了率だけじゃなく、予算の管理もするのがEVM
    • 一般的なプロジェクト管理は、「1/15までにタスク10まで終わりました」だけを管理する
    • でもEVMは予算消化率も管理する
  • 厳密に予算を管理する、受託の案件とかだと、便利かもしれないと思った
  • 逆に、細かく人月あたりの予算を管理してない自社サービスの社内案件とかだと、過剰かもしれないと思った

参考文献

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?