はじめに

以下のようなコードで、err != nilのとき、

ある関数ではmodels.Article{}と空の構造体を返しているのに対し、

func PostArticleService(article models.Article) (models.Article, error) {
    // 略
	newArticle, err := repositories.InsertArticle(db, article)
	if err != nil {
		return models.Article{}, err
	}

	return newArticle, err
}

別の関数では（空のスライス[]models.Article{}ではなく）nilを返しています。

func GetArticleListService(page int) ([]models.Article, error) {
    // 略
    
	articleList, err := repositories.SelectArticleList(db, page)
	if err != nil {
		return nil, err
	}
	return articleList, err
}

この相違点がなぜ生まれるのか気になり、調べました。

空の構造体を返す場合

まず、1つ目の関数ではなぜnilではなく空の構造体を返しているのかを考えます

nilについては以下のように説明されています。

nil（ニル）はGoで事前に定義された識別子で、ポインタ、インターフェイス、マップ、スライス、チャネル、関数型などのゼロ値を表します。

つまり、nilは参照型のゼロ値を表すのに使うものであり、値型である構造体のゼロ値は表せないようです。

したがって、構造体のゼロ値を表すには、models.Article{}のように表記するしかありません。

func PostArticleService(article models.Article) (models.Article, error) {
    // 略
	newArticle, err := repositories.InsertArticle(db, article)
	if err != nil {
		return models.Article{}, err
	}

	return newArticle, err
}

nilを返す場合

上記の通りnilは参照型のゼロ値を表すのに使うものなので、返り値の型がスライスならnilを返します。

func GetArticleListService(page int) ([]models.Article, error) {
    // 略
    
	articleList, err := repositories.SelectArticleList(db, page)
	if err != nil {
		return nil, err
	}
	return articleList, err
}

ちなみに、空のスライス[]models.Article{}を返してもエラーにはなりませんが、そうするとエラーではなくデータが存在しないことを表すので、エラーの有無がわかりにくくなってしまい、推奨されないようです。

おわりに

ふと気になって調べたのですが、Goの理解が深まりました。