総評: 1冊目としてはナシ。2冊目以降ならアリかな。
初学者に薦められるSpring Boot入門本を探しています。
本書で4冊目。他の書籍についてはこちらを参照。
持ってる本はこれで全てなのでおそらくラストです。
今までの3冊と違うのは、
- Spring Bootの本でなくSpring Frameworkの本であること1
- Kindle Unlimited対象ではなく、他と比較してお値段お高めであること
- (ただし、しばしば行っている翔泳社本セールの対象になっているので定価の半額で購入できる機会は多いはず)
です。
著者は(全員がそうなのかは存じませんが)Springプロジェクトのコードにコントリビュートされてたりするので記述の正確さは折り紙付きだと思います。2
ただ、入門者にとって理解しやすいかと言うとそれはまた別問題で…
冒頭リンクから目次が見られますが、これを見るだけでちょっととっ散らかった印象を受けます。
更に実際読んでみると、章の担当者が知ってることベースで記載内容を決めた感じがして、説明されている内容の重要度がわからないです。
(比較的重要なものもそうでないものも、同じような感じで説明されてしまっている)
フレームワークユーザ視点というより、フレームワーク提供者視点というか。
なので、2冊目以降、「あ、こういう機能があるんだ!?」という新しい発見をするために/公式リファレンスを読むための道標として読むのはありかなと思いますが、入門書として1冊目に買ってもあまり内容が頭に入ってこないのではないかと思います。
こちらに、結構細かいobsoletedとなっている内容について説明されてたりしますが、そういうのは読者である自分が(そのとき持っていなくても、自分で調べて)気づくレベルの知識を持っていることが期待される書籍かなと考えます。
(逆に言うと、このページに書いてある古くなっているという事情はあまり問題にならないと考えます。)
あと、これは入門者視点でなく私視点での要望になるのですが。
かなりフレームワークの挙動について突っ込んで解説されているのはありがたいのですが、リファレンスのどこを見れば書いてあるのか(とか、あるいは、実はリファレンスに載ってなくてコード見ないとわからないんですよ、みたいな情報)も記載してくれているとありがたかったかな、という点があります。
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と思ってたんですが、あらためて読んでみると本書籍最後のサンプルアプリをSpring Bootで作っていたりして、(Spring Bootでなく)Spring Frmaeworkを使ってwebアプリケーションを作りたい人にとってはちょっとピントがずれてる気もしてきました… ↩
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これも読み直しているときに気づいたのですが、14章のサンプルアプリ作成で
UserDetails
にUser
エンティティ持たせるとかかなりどうかと思う実装してたりしてました(その他、PostgreSQLのストアドプロシージャに依存してるので他のRDBMSで確認しづらかったり)。(世間の評判にひきずられて)やや本書を過大評価してしまっていたように思います… ↩