はじめに
本記事の目的
IT があまりよくわからない人向けに、文書のつくりかたを全体的に眺めてもらう。
文書とはページ or ドキュメント
本記事でいう文書とはページまたはドキュメントを指す。それなりの文章を表現する手段として、紙で表現された文書もあれば、ファイルの形の文書もあるし、ウェブページのような形の文書もある。
以下は含まない。
- 論文
- 雑誌やポスター(DPT含む)
- スライド
ファイルの種類としては主に 4 種類
- テキストファイル
- 素のテキストを書いたファイル
- どこででも書けるし、どこででも読める
- 例: テキストファイル(.txt)、Markdown(.md)
- リッチテキスト
- 特定のアプリで読み書きするファイル
- 例: Microsoft Office(.docx)
- 閲覧用ファイル
- 書き込みはできず、専用のプロテクトがかかっている類のファイル
- 例: PDF
- ウェブページ用のファイル
- ウェブサイトとして表示する用のファイル
- 例: HTML
各種類をどうやってつくるか(書くか)
テキストファイルは、テキストエディタ や IDE で書く。どちらもエンジニアやクリエイター、また IT に慣れた人などが使う道具であり、一般人は使わない。テキストエディタはテキストを書くのに特化したツールで、書くことを生業とするならおそらく避けられない。IDE は、元はプログラミング用の多機能ツール(統合開発環境)だが、テキストを書く手段としても使える。書くのは速いが、あまり込み入った見た目にはできない。
リッチテキストは、専用のアプリ で書く。単にテキストを入力するだけでなく、文字装飾をしたり、画像を入れたりなど豊富な編集ができる。見た目も自由自在である。その分、書くのは遅い。書けないことはないが、自転車でたとえるならこちらはママチャリだが、上述のテキストエディタや IDE はクロスバイクやロードバイクに相当する。同じ自転車(書く道具)でも、速さが違う。かんたんには使えるので、一般人はこれを使う。
閲覧用ファイルは、直接書くことはできない。リッチテキストか、テキストファイルから変換してつくる。
ウェブページ用のファイルは、テキストファイルと同様である。ただし、後述する SaaS でつくることもよくある。
ファイル以外の選択肢として「SaaS」もある
近年では、自分でファイルをつくらず、SaaS(Webサービス)上でつくれるようにもなった。上述したエディタやアプリがなくても、ブラウザだけで文書をつくれてしまう。
いくつか例を挙げる。
- Wiki
- (権限がある人は)誰でも自由にページをつくれるシステム
- Wikipedia やゲーム攻略系の Wiki が有名
- 会社や情報の情報をこれで貯めることもある
- ブログ
- note、はてなブログなど多数存在する
- 今皆さんが見ている Qiita も、このカテゴリに属する(エンジニア向けで高度、かつ扱うネタも IT だが)
- ウェブサイト
- Google サイトなど、ブログのようにウェブサイトをつくるサービスもある
- また企業向けとしてもよく見られる
- Microsoft の SharePoint など(社内サイトつくったりとか)
- ドキュメント
- Google ドキュメント、Microsoft OneNote、Box Notes、Dropbox Paper など多数存在する
- Notion もこのカテゴリ
- この中では最も後発であり、SaaS で(ページ的な)文書をつくる、かつ業務や個人で使うとなれば、先に挙がる選択肢だろう
ややこしい観点たち
文書をつくることと、それを公開することは違う
ファイルの場合、公開したい人に渡したり、どこかストレージにアップロードしてそれを見てもらったりする必要がある。
ページの場合、つくった後に公開範囲を設定する。自分だけが見れるとか、招待した人だけ見れるとか、自分の組織だけ見れるなど。
公開には複雑な作業が伴うこともある
たとえば WordPress は、いわゆるブログに相当する(ブラウザで書ける)ものだが、それで書いたものはファイルとして存在する。これを自分でサーバーにアップロードしなけばならない。サーバーの契約や設定も必要で――と何かと面倒くさい。そもそもウェブページはそれなりに面倒くさい仕組みになっているものだが、ブラウザで完結する手段は、そのサービスが裏で肩代わりしているにすぎない。
変換という概念
テキストファイルで書いたものをリッチテキストに変換したり、ウェブページ用のファイルに変換したりといった考え方がある。すでに述べたとおり、テキストファイルで書くのが一番速いからだ。たとえば Markdown で書いて、それを HTML に変換すればウェブページにできる(HTMLファイルをサーバーにアップロードしたり等も必要)し、Docx や PDF もつくることができる。
Markdown については右記記事も参照: Markdown(マークダウン)の存在意義を理解する、ついでに .md ファイルの意味も #Markdown - Qiita
IDEをブラウザで使う
IDE は、手元のパソコンで動かすのは少々面倒くさかったりする。なので SaaS として提供してしまって、ブラウザだけで使えるようにするとの潮流が近年は台頭してきた。
リッチファイルをブラウザで書く
リッチファイルは従来 PC 上で、専用アプリで書くものだったが、もうブラウザでもできる。Google ドキュメントを使えば、Word の .docx ファイルをブラウザで書くことができる。また、Microsoft 自身もブラウザ上で直接編集できる Online 機能を持っている。
スマホで書く
スマホもコンピュータであり、テキストエディタやIDEや専用アプリはある。
スマホだけで作業を完結させる人もすでに珍しくないだろう。とはいえ、PC の方が画面が広いし、ツールも豊富だし、ファイルも扱いやすいし、キーボードも速く打てるし、でまだまだ PC の方が有利だと思う。