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エンジニアでも技術だけでは通用しない

Last updated at Posted at 2024-10-02

技術はあまり重要じゃない

よほど高度な領域でもなければ、勉強・練習すれば身につく。

新卒を例にすると、最初に出くわす格差が「情報畑や趣味で学んできた人」と「何も知らない人(文系とか)」の差だが、そんなものは大した差ではない。前者が技術あるからといって即戦力になるかというとノーだし、後者だって勉強・練習すれば技術なんてすぐ or そのうち身につく。

技術があっても即戦力にならない理由

即戦力になるかというとノーだ

ここを掘り下げる。理由をいくつか挙げる。

ソフトスキルが要るから

プログラミングとか、インフラとか、PCとか、情報工学とか、そういったものは ハードスキル という。文字通りの技術。

一方、技術はそれだけじゃなくて、コミュニケーションとかタスク管理とか報連相といった要素もある。これらは ソフトスキル という。

仕事はたいていひとりじゃないため、ソフトスキルも要求される。仮にひとりだとしても、たいていは人を相手にする部分があるため、やはりソフトスキルが要る。ソフトスキルも要る。

ドメイン知識が要るから

たとえば銀行のお客さんのシステムを担当します、となった場合、そのお客さんや銀行業界(金融業界)のあれこれを知らなければならない。絶対的なルールもあれば、主要プレイヤーのパワーバランスもあるし、明文化されていない文化やしきたりもある。業界レベルであればまだ共通で何とかなるが、お客さんレベルとなると、それはそう踏み込んで踏み込んで引き出しに行く必要がある。

こういうのを ドメイン知識 という。ドメインと略すことも多い。ドメインとは Domain で、領域くらいの意。特に「ある領域の固有の知識」を指す。IT 技術のようにオープンになっていることはほぼなくて、ドメイン知識を知るためには十中八九コミュニケーションが必要だ。あるいは「経験しながら身につけていこうか」とする OJT 的スタイルも多い。よく「東大生(などガリ勉)は役に立たない」というが、それはドメイン知識が勉強的に学べるようになっていないからである。

組織やチームで働くから

学校やバイト先もそうであったように、仕事でも組織で働く。また組織化で個人で動くことはほとんどなくて、今はチームの時代でもある。「二人組つくれなくて……」とか「人に話しかけるのは苦手」とか言ってる人は、技術的に優秀であっても戦力外になりかねない。組織やチームの一員、一つの駒として動けることが大前提である。

これを私は 内部ドメイン と呼んでいる。ドメイン知識や外部だけでなく、内部にもある。外部のドメインは中々に狂っている、面倒くさい、うざいと感じるものだが、内部もそんなものである。むしろ内部は、外部と相対するほど張り切らないので、わかりにくい。日本の文化はハイコンテキスト(文脈・空気は明示せず読め)だが、まさにそのとおり。読めない者は忌避されるし、言語化に走る者も忌避される。

多忙主義だから

毎日定時内(1日7時間~8時間)で済ますことすらできない ほど、現代のビジネスマンは多忙である。エンジニアも例外ではないし、その辺の仕事より手を動かす量や学ぶ量が多い分、より遠のく。可能なら同僚でも先輩でも上司でも相談してみるといい。「そういうものでしょ」とか「仕事舐めてんのか」的な回答が返ってくるか、表面上は「そうあるべき」と言いつつも全くその気がなかったりする。いかに毒されているかを体感できるだろう。信者の一種だとさえ感じる。

これはつまり、あなたも信者にならなければならないということ。あるいは回避する余地も意外と多いが、それはそれで相応の立ち回りやメンタルが要る。

体力もメンタルもゴリゴリ削られるから

エンジニアに限らず、仕事とは基本的に搾取と我慢の世界である。多忙主義はすでに述べたが、他にも「なぜか毎日9時~17時で勤務させられる」などもある。これでは昼型や夜型の人間には厳しい。そんなこともわからず、昔からそうだからという理由だけで現行踏襲している。当然、昼型や夜型の人はこの朝型の制約に耐えねばならない。

※昨今ではリモートやフレックスも増えているが、本当にそのとおりに過ごせているかは意外と怪しい。特にルール上は問題なくても、現場のチームが認めていないこともよくある(上述した内部ドメイン)。

あまりに目に余るので、私は仕事術2.0|noteの形で「仕事のやり方・考え方は色々あるんだよ」と啓蒙している。これらはソフトスキルに属する。要は、ソフトスキルがあれば、無駄に耐える苦労は軽減できる。やり方や考え方を変えればいいだけだからだ。

しかし実際はそうはならず、現行踏襲的、あるいは平等(全員が同じことをする)的なあり方が蔓延っているので、そこが規定する 規範に従えるか、そして耐えられるかどうか が鍵になってくる。マジョリティ側なら難なく耐えるか、うぜえだりぃ程度で済むが、その程度では済まないマイノリティも要る。マイノリティだとしたら辛い。

陽キャが評価される理由

就活では陽キャが評価されるという。また、実体験としてもそうであると感じた人は多いだろう。

なぜかというと、上述したとおり、実際に必要となるのが技術以前の諸々だからだ。その諸々を要領良く身に着け、また現実に耐えるための地力が重要なのだ。しかし地力なんて測れるものじゃないから、面接など非言語的な場で推し量る。

おわりに: 現実は厳しいよ

現代であっても、まだまだ「技術があれば上手くやっていける」世界ではない。特にエンジニアは技術で勝負する職業だから関係ない、と思いがちだが、そんなことはない。昔はその余地も多かったが、IT は手段面でも肥えており、組織的にあたらねば仕事にならない段階に来ている。よって、上述したとおり、技術以前に、歯車として機能できる地力が必要なのだ。厳しい。

とはいえ、組織側を変えることはできなくても、自分自身を変えたり選択肢を知って広げたりすることはできます。仕事術2.0もその一助になると思いますので、ぜひ遊びに来てください。

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