ざっくりしたイメージの話。
文脈次第では定義なりニュアンスなりがあるので、それに従うこと。ただ、その場合でも、ここで挙げたイメージがあれば理解しやすいと思う。
アーキテクチャは、作り手から見た全体像的な設計図
アーキテクチャ(Architecture) は、原義は「建築」や「構造」だが、IT では「システムの構造全体を設計したもの」という感じ。
システムも適当につくれるはずはなく、登場人物を全部洗って、その関係や連携はこうします、というのを全部決める。実際にこれに従ってつくっていく「教典」でもあるので、ここは本当にちゃんとつくらないといけなくて、技術的に一番詳しいレベルのエースやベテランが担当したりする。
より詳しいニュアンス:
- IT エンジニアなど作り手が見るもの
- なので専門用語や記号も多用される
- 素人が見てもわからん
- 全体像の俯瞰を重視する
- 細かい木々よりも、森全体を重視
インフラは、常に安定して運用されているのが当たり前の基盤
インフラストラクチャー(Infrastructure)、実際は インフラ と略すことが多いが、原義は「基盤」。経済基盤、社会基盤といった、超重要な下地って感じのニュアンスがあるが、IT でもまさにそうである。
IT のシステムはざっくり以下の三層から成る。
- 1: ソフトウェア(アプリ)
- 2: OS やミドルウェア(パソコンで言えば Windows、Mac、Android/iOS)
- 3: サーバーやネットワーク
インフラは 3 の部分を指す。文脈によっては 2 を含めることもあるが、基本 3 を指すと思えばいい。
日常生活でも電気、ガス、水道、道路といったライフラインをインフラと言ったりする。これがないと、あらゆる仕事や生活がままならなくなる。すべての前提、土台であり、ちゃんと動いて当たり前だ。実際、ちょっと停電が起きたら、私たちはもう「ふざけんな」「何してんだ」となる。
インフラは基本的に 24 時間 365 日動かしたいが、現実的にそうもいかない。IT も、結局は物理的な場所と装置でつくったものなのでメンテナンスは必要だ。道路をメンテナンスするときに封鎖するように、IT システムも(インフラの事情で)一時的に閉鎖することがある。もちろん、何らかの障害が起きて使えなくなることもある。
プラットフォームは、みんなが出入りしている場所
プラットフォーム(Platform) は、原義は「舞台」や「台地」であるが、かなり多義語なので原義は無視していい。
IT におけるプラットフォームは、私たちがよく使うシステムを指す感じ。もっと言えば、色んな人が頻繁に出入りするニュアンスが強い。
たとえば Teams など Microsoft 365 で仕事をする人は多いと思うが、この Microsoft 365 もプラットフォームである。しかし、Teams だけをプラットフォームと言えるかというと、ちょっと狭い。この感覚。
日常生活で言えば、駅のことをプラットフォーム(プラットホーム)と言ったりするが、イメージとしてはわかりやすいかもしれない。多くの人が頻繁に出入りしている点が共通している。
別の言い方として、GAFAM のような企業をプラットフォーマーと呼んだりもする。私たちが普段使うプラットフォームを提供する側の組織だからだ。多くの人が出入りする場所を牛耳っているので、まあ稼げるし、権力も強い。