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パスワードはなぜ「P@ssw0rd」なのか

Last updated at Posted at 2024-10-01

P@ssw0rd の謎

背景

社内で使っているシステムでは、しばしば P@ssw0rd のようなパスワードが登場する。

閉鎖的な環境であるため、本当に強いパスワードは要らない。しかしログインする部分があり、そこでパスワードも設定されている。それが P@ssw0rd だったりする。先輩からは「ユーザー名は Administrator で、パスワードは P@ssw0rd を使ってね」などと共有される。

なぜなのか。

password じゃダメなのか。

1 とか a じゃダメなのか。

何なら設定無しではダメなのか?

……この辺の謎を追った。

鍵は二つほどありそうだ

ポリシーリート の二点のようである。

1: ポリシー

パスワードポリシーやセキュリティポリシーなど呼び方は色々あるが、ポリシー(Policy) とは 従うべき約束事 を指す。

一般的には「早起きが私のポリシーなんだよね」などと使うが、このポリシーどころではない。コンピュータにおいては、「絶対に従ってください」「従わないと先に進ませません」くらいの圧がある。

特にコンピュータでは「鍵を掛けずに出かける」くらい不用心なことをするケースが多い。IT を知らないとそうなるし、知っていてもそうなる。だから仕組みとして「これこれは絶対やれ」と仕込んでおき、従わない限り進ませないようにする。それがポリシーのイメージ。

で、これはパスワードを設定する場面でも起きる。

たとえば、こういうの。

  • パスワードは大文字、小文字、数字、記号のすべてを一文字以上含めてください
  • パスワードは 8 文字以上の長さにしてください

もうおわかりだろう。

こういうポリシーが存在する場合、a とか設定無しとかいったことはできない。かといって、いたずらに複雑にすると使いづらい。

そこで Password をもじって P@ssw0rd とするわけだ。

2: リート

もう一つの疑問が、なぜもじった結果 P@ssw0rd になるのか、ということだ。

たとえばアットマーク @ はどこから来たのか。数字のゼロ 0 は何なのか。先頭の P だけ大文字なのはなぜか、など疑問はつきない。これにも理由がある。

まず先頭が大文字なのは、単に英語の文法である。ポリシーで大文字を求められる場合、英語の文法に自然に従うだけでカバーできる。

残りが @0 だが、これは リート(Leet) と呼ばれる文化である。本来の文字と似た、別の文字や記号を使って表現するものだ。この場合、

  • a → @
  • o → 0

としている。他にも数字の 3 を E にしたり、アルファベットの g を 9 にしたり、l(エル)を 1(いち)にしたりする。他にも色々ある。

顔文字やギャル文字もそうだが、こういう遊び心は世界共通なのだろう。また、リートはネット文化から来ているらしく、検索避け(援交を円交と書くようなやつ)としての使い方もあるそうだ。逆に厨二病的な心をくすぐらせて、自分の名前をもじるパターンもあるだろう。そっとしておいてあげよう。

おそらく、このリートを実用的にも応用しているのだろう。a から @o から 0 はわかりやすい。

そうでなくとも、パスワードを作る際にも役に立つ。たとえば i love usada pekora をそのままパスワードにしても強度がカスで、おそらく突破されてしまうだろうが、リート化すれば i10veus@d@p5k0r@ のようになって、強いパスワードになる。でも自分としては覚えやすい。また、Webサービスやゲームなどでアカウント名が取られているときも、リートにすれば回避できることが多い。pekora123 にするか、pek0r@ にするか、どちらが良いかは好みだろう。

おわりに

ポリシーとリートの二点を掘り下げた。

特にリートは、コンピュータで文字を扱うのであれば意外と役に立ちそうである。

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