機械学習について
機械学習の基本概念
機械学習は人工知能(AI)の一分野であり、データを用いてコンピュータが自己学習を行うことができる技術です。
例えば人は犬と猫の写真を見てそれぞれ見分けることができます。
これは小さい頃などに犬と猫の実物や写真を見て学習することにより、犬と猫を見分ける能力を脳内に作成することで実現できると考えられています。
同じようにコンピュータに犬と猫の写真を学習させることで、人の脳と同じように見分けるようにできるのが機械学習です。
総務省 令和元年版 情報通信白書より引用
機械学習が向いている用途
機械学習モデルは膨大なデータから特定のパターンを認識し、正確な予測を行うことに向いています。他にもユーザーの行動データや嗜好情報をもとに、個別のユーザーに最適な商品やコンテンツを提案したり、不正検知などのセキュリティなど様々な分野で向いています。
身近にある機械学習のシステム
・Amazon Echo(スマートスピーカー)
・オンライン広告
・自動運転
・DeepL(翻訳アプリ)
など
機械学習が注目されている理由
AIブームの歴史
機械学習は第一次AIブームが1950年〜1960年にかけて起こりました。人間の知能や思考を模倣することを目指し、コンピュータによる推論や探索が可能となりました。
その後、1980年に第二次AIブームが起こり、エキスパートシステム(専門分野の知識を取り込んだ上で推論することで、その分野の専門家のように振る舞うプログラム)が生み出されました。しかし、当時のAIは必要な情報を自動的に収集できず、限定的な領域の情報に限定されていました。
2000年代から現在の第三次AIブームが起こりました。このブームの背景には、大量のデータを活用し、AI自体が知識を獲得する機械学習の実用化があります。さらに、AIが自ら特徴量を学習するディープラーニング(深層学習)が登場しました。これにより、AIの能力向上と多様な応用領域への展開が可能となりました。
機械学習が注目されるようになった背景
・データ収集が容易になった
インターネットの普及で、機械学習に必要な大量のデータを集めやすくなりました。WebサイトやAPI、スクレイピングでデータを収集できます。
・計算処理が速くなった
コンピュータのスペックが上がったことも要因に挙げれます。高速なCPUや大量のメモリの半導体の普及により個人のPCでも機械学習の計算ができるようになりました。またAWSやGCPなどのクラウド環境の登場で、大規模な計算処理環境を短時間で作成できるようになりました。
・ライブラリが充実してきた
Pythonなどで機械学習に必要なライブラリが多数提供されるようになりました。多くはオープンソースで開発されており、簡単にインストールでき、機械学習のアルゴリズムを個人でプログラミングなしで利用できるようになりました。