AIaaSとは
SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)やMaaSなど⚪︎aaSという言葉が増えてきています。
2024年のアメリカのIT業界のトレンドとしてAIaaSが挙げられています。
AIaaSとはSaaSとなどと同じように、Artificial Intelligence as a ServiceでサービスとしてのAIという意味で
AIを使用したツールなどを提供することです。
言葉を変えると、企業がAIを活用したツールや機能を自社のシステムに組み込むことが可能です。
企業がAIを自社開発することなくAIを導入できるためコスト面でメリットがあります。
AIaaSの種類
ボットと仮想アシスタント
ボットや仮想アシスタントは、ディープラーニング、機械学習アルゴリズム、自然言語処理 (NLP) を活用して人間の対話から学習する会話型AIの一種です。これらの技術は、ユーザーとのやり取りを通じて継続的に改善され、時間が経つにつれてより自然でパーソナライズされた体験を提供できるようになります。
多くの企業は、AIaaSソリューションを利用してAIチャットボットを導入し、一般的な問題のトラブルシューティングやFAQへの回答など、顧客向けのセルフサービス機能を強化しています。
これらのカスタマーサービスチャットボットは、ウェブサイト、ライブチャット、メッセージングプラットフォーム、モバイルアプリ、ソーシャルメディアアカウントに統合することができ、顧客は好みのチャネルでサービスを利用できます。さらに、サービスデスクのチャットボットは、社内チームに対してITサポートを提供することも可能です。
代表的なボットと仮想アシスタントの例として、Siri、Alexa、Google アシスタントが挙げられます。
機械学習フレームワーク
機械学習 (ML) フレームワークは、開発者がクラウドベースのソフトウェアライブラリやツールを使用してカスタムAIモデルを構築できるようにするものです。AIaaSプロバイダーは、企業が多大な社内リソースを費やすことなく、これらのAIモデルを簡単にトレーニングし、デプロイできるよう、事前に構築されたMLフレームワークを提供しています。
MLフレームワークの例としては、Google Cloud AIやMicrosoft Azure Machine Learningが挙げられます。
API
アプリケーションプログラミングインターフェース(API)は、異なるソフトウェアアプリケーションやシステムが相互に通信し、情報を共有するための手段です。AIaaSベンダーは、企業が自社のシステムとAIツールをシームレスに連携できるように、APIを提供しています。これにより、企業はAIモデルを自ら構築することなく、ボットや音声アシスタントを自社のライブチャットソフトウェアやウェブサイトに統合することができます。
APIの例としては、IBM WatsonやAmazon Rekognition APIが挙げられます。
AIoT
モノのインターネット(IoT)とは、インターネットに接続されたデバイスが相互にデータを共有するネットワークのことです。これらのデバイスにはセンサーが搭載されており、リアルタイムで情報を交換します。AIoT (人工知能付きIoT) は、AI技術と機械学習機能をIoTに組み込み、データを分析してパターンを識別し、運用の洞察を収集し、問題を検出して修正します。
AIoTデバイスは、ユーザーの許可を得た上で、クラウドに関連情報を送信し、製品の性能をサポートします。AIaaSプロバイダーは、機器や設備のメンテナンスが必要な時期を予測するための予測サービスを提供し、企業が高額な中断を避けるのに役立ちます。
AIを活用したIoTの例として、Google Cloud IoT CoreやMicrosoft Azure IoTが挙げられます。
AIaaSの利点と課題
他のサービスと同様に、AIaaSにも長所と短所があります。まず、AIaaSの一般的な利点をいくつか考えてみましょう。
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チームの生産性と効率の向上:
- AIaaSを利用することで、インテリジェントなルーティングとトリアージ、生成AI、感情分析などのAI機能を活用できます。これらのツールはワークフローを効率化し、チームのスキルを向上させるため、追加の人員を増やすことなく生産性を向上させます。
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顧客体験の向上:
- Zendeskの「Customer Experience Trends Report 2023」によると、ほとんどの企業は一般的な質問に答え、顧客に推奨事項を提供し、エージェントの生産性を向上させ、24/7のサポートを提供するためにAIを使用しています。AIaaSを利用することで、企業はAIを迅速に導入し、パーソナライズされた会話型サポートを提供し、顧客体験(CX)を向上させることができます。
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コスト削減:
- 私たちのCX Trends Reportによると、ビジネスリーダーの3分の2は、AIとボットが今後大幅なコスト削減をもたらすと信じています。AIaaSは、進化するビジネストレンドや顧客の期待に対応するための、重いIT投資を必要としない、コスト効果の高い方法です。
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迅速なスケーリング:
- 小規模企業やスタートアップは、社内AIを実装するための資金やリソースが不足していることがよくあります。AIaaSはすべての規模の企業がAIを導入できるようにすることで、競争の場を平準化します。適切なAIaaSプロバイダーは、企業の成長に合わせてAI機能を適応させ、スケーラビリティを向上させることができます。
AIaaSの課題
新しい技術、特にAIに不安を感じるのは完全に正常です。AIaaSには多くの利点がありますが、適切なAIaaSソリューションを選ぶ際に考慮すべき課題もあります。
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バイアスや信頼性の低いデータのリスク:
- AIモデルが信頼性の低い、バイアスのかかった、または倫理的でないデータでトレーニングされた場合、不正確な結果や意思決定が生じる可能性があります。AIaaSプロバイダーは、企業がデータセットの信頼性、倫理性、およびバイアスの排除を確保するためのツールとサービスを提供する必要があります。
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データプライバシーとセキュリティへの懸念:
- AI駆動のソフトウェアは、学習し、顧客体験(CX)をパーソナライズするために、大量のデータ(ビッグデータ)にアクセスする必要があります。AIaaSベンダーはこの機密情報にアクセスすることになるため、情報漏えいのリスクを最小限に抑えるために高度なデータプライバシーと保護ソフトウェアを備えている必要があります。
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規制基準への準拠:
- AIの使用を規制する規制は、業界や地域によって異なる場合があります。したがって、選択するAIaaSベンダーがビジネスに関連するコンプライアンス基準を満たしていることを確認することが重要です。また、ベンダーがコンプライアンスの変更について透明性を持ち、積極的に共有することも重要です。
AIaaSについての記事
AIaaSを提供している企業
- Amazon (Amazon Web Services): 幅広いAIおよび機械学習サービスを提供。
- Microsoft (Azure): Azure Machine Learningを通じてAIサービスを提供。
- Google (Google Cloud): Google Cloud AIを通じたAIおよび機械学習サービス。
- IBM (Watson): 自然言語処理やデータ分析をサポートするAIサービス。
- NVIDIA: NVIDIA AIプラットフォームを通じてAIおよびディープラーニングサービスを提供。
- Oracle: Oracle Cloud Infrastructureを通じたAIサービス。
- Salesforce: AI機能を組み込んだクラウドサービス。
- Adobe: Adobe Senseiを通じたAI機能提供。
- Intel: AIおよびデータ分析ソリューションを提供。
- Cisco Systems: AIとネットワークソリューションの統合。
- Accenture: クラウドおよびAIソリューションのコンサルティング。
- ServiceNow: AIを活用したITサービス管理。
- Autodesk: AIおよび機械学習ツールを提供。
- Qualcomm: AIを活用した通信およびモバイルソリューション。
- Intuit: AIを活用した財務および会計ソフトウェア。
- PayPal: AIを活用した金融技術サービス。
- Cadence Design Systems: AIを活用した電子設計自動化ツール。
- Synopsys: AIを活用した設計および検証ツール。
- Arista Networks: AIを利用したネットワークソリューション。
備考
動機はこちらの記事を見てブログを書いてみました。
https://www.valuecoders.com/blog/technologies/cloud-computing-trends/