はじめに
滋賀県育ち千葉県民としてこれを記事にしないのは無いだろうと思い記事にしました。
IT技術と言えば「言語」とか「資格」とか「IOT」とか着目されがちですが、
今回は教科「情報」という技術の現状と今後について書きます。
教科「情報」とは
2003年に新設された教科。
2024年度から大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の入試科目になる予定です。
なお、教科「情報」は高度情報化社会に対応した人材を育成するために、情報の収集・分析から
発信までを総合的に学ぶ教科であり、単にパソコン操作を教える教科ではありません。
将来の夢
2017年4月にネットやニュースで話題になりましたが、男子中学生と男子高校生の
将来の夢の一位は
「ITエンジニア・プログラマー」
です。
IT業界にとって、明るいニュースです。
現状
千葉県の担当教員数は327人であり、専任教員率は7%。つまり約23人。
滋賀県の担当教員数は174人であり、専任教員率は2%。つまり約3人。
これが現状です。
全国だと20%程度です。
兼任教員の方は数学と情報、理科と情報というように授業を行っています。
問題
最初に書きます。兼任教員の方は頑張っています。故に責めるのは筋違いです。
ただでさえ常識外れに激務なので、複数の教科に全力を出すのは厳しいと思います。
専任教員でない場合に発生しうる問題は
- 専門知識の不足
- 片手間になる
です。
「ITエンジニア・プログラマー」を目指す生徒が多い中、この問題が発生するリスクに対して
対策を打たないのは疑問が生じます。
専任教員が少ない理由
おそらくは下記だと推測しています。
- 情報「しか」できない(やってくれない)教員と情報「も」できる(やってくれる)教員なら後者を採用する
- 専任の場合、教員の授業数の確保ができない
- 情報は入試科目ではない
- 非常勤講師、臨時的採用教員、TAで教科をカバーしている
- 教科「情報」教員免許取得のカリキュラムが他教科の免許取得を伴う
あくまで推測です。
今後
2020年には
- 大学入学希望者学力評価テスト(仮称)
- 学習指導要領の改訂
が控えています。
2024年度に入試科目になるにせよならないにせよ
専任教員を増やさざるを得ない状況になりつつあります。
また、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の全貌はまだ見えませんが、
入試科目になるのであれば、それは大きな営業のチャンス(リスク)になる
可能性があります。
中学生や高校生に向けた教科「情報」の教育事業といったことも可能になる
かもしれません。
さいごに
自分は教科「情報」は優れたIT人材を生み出すためのものだとは思っていません。
教科「情報」は情報格差(デジタル・ディバイド)の差を縮め、
メディア・リテラシーを身につけるものだと思っています。
というのも、「ITエンジニア・プログラマー」を志すのであれば、
最初に情報を理解し制御し活用する力を身につけて欲しいからです。
そのような授業・指導を行えるような教科「情報」になればと思います。
参考
中高生 将来の夢、男子1位は「ITエンジニア・プログラマー」
高校必修教科「情報科」専任教員は2割
2020年 次期学習指導要領