このページは、lspath, chpath コマンドの備忘録です。
lspath コマンドとは
lspath コマンドは、AIX の MPIO (Multi path I/O) デバイスのパス情報を表示するコマンドです。
lspath コマンドを見ても分からないところもあるので、メモに残します。
lspath コマンドには大きく2種類の使い方があります。
2種類に分かれる理由は、コマンドが参照する ODM の違いによるものと思われます。
マルチパスに関連するODM -1- (CuPath)
ODM CuPath には、以下の値が格納されています。
属性名 | 意味 | 値(例) |
---|---|---|
name | パス名 | hdisk0 |
parent | 親デバイス | fscsi0 |
connection | ww_name,lun_id | XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000 |
path_id | パス番号 | 0 |
path_status | パスの利用可否 | Available |
以下のコマンドで出力可能
# lspath -l hdisk0 -F "name parent path_id connection path_status status" hdisk0 fscsi0 0 XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000 Available Enabled hdisk0 fscsi0 1 XXXXXXXXXXXXXXXa,Y000000000000 Available Enabled hdisk0 fscsi1 2 XXXXXXXXXXXXXXXa,Y000000000000 Available Enabled hdisk0 fscsi1 3 XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000 Available Enabled
-F オプションを使用して、表示できる属性は、CuPath ODM に書かれている情報のみ
chpath では、変更できない項目
マルチパスに関連する ODM -2- (CuPathAt)
ODM CuPathAt には、以下の値が格納されています。
属性名 | 意味 | 値(例) |
---|---|---|
name | disk名 | hdisk0 |
path_id | パス番号 | 0 |
node_name | ノード名 | 0xXXXXXXXXXXXXXXXb |
scsi_id | SCSI ID | 0x30100 |
priority※ | 優先順位 | 1...255 |
※ priorityは、default の 1 が設定されている場合、ODM のエントリーは存在せず、PdPathAt の default 値が使用される。これらの属性のうち、priority 属性のみがchpath コマンドで変更可能。
以下のコマンドで出力可能
オプションの条件は、
- -l disk名 + -i パス番号
- -l disk名 + -w connection情報
のいずれかのオプションが必要である。
# lspath -l hdisk0 -w XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000 -E
scsi_id 0x30100 SCSI ID False
node_name 0xXXXXXXXXX200a4cb FC Node Name False
priority 1 Priority True
# lspath -l hdisk0 -i 0 -A -E
scsi_id 0x30100 SCSI ID False
node_name 0xXXXXXXXXX200a4cb FC Node Name False
priority 1 Priority True
True となっているものだけが、後で説明する chpath コマンドにて変更可能。
chpath コマンドとは
chpath コマンドは、「パスの操作状況をマルチパス入出力 (MPIO) 可能デバイスに変更するか、またはパスに関連付けられている属性を MPIO 可能デバイスに変更」するコマンドである。
変更対象は、
- パスの属性値
- パスの操作状況
の2つである。
パスの属性値の変更方法
1.のパスの属性値は、lspath で紹介した CuPathAt 上の属性である。
変更可能な属性値は、実質 priority のみである。
priority を変更することで複数あるパスに対して、優先順位をつけることが出来る。
実行例
# chpath -l hdisk0 -w XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000 -a priority=5
path Changed
# chpath -l hdisk0 -i 0 -a priority=5
path Changed
パスの操作状況の変更
2.のパスのステータスは、
- enabled から disable
- disable から enable
に変更可能。
実行例
# chpath -l hdisk0 -s enable -i 0
paths Changed
# chpath -l hdisk0 -s disable -w XXXXXXXXXXXXXXXb,Y000000000000
paths Changed