React を使用したプロジェクトで、どのフレームワークを選ぶべきか迷ったことはありませんか?特に Remix と Next.js は人気の選択肢ですが、サイトの性質や要件によって適切なフレームワークが異なります。この記事では以下のポイントに基づいて、それぞれのフレームワークの適性を比較します。
- 通常のサイト(ログイン不要)の場合、Remix が適している理由
- ログインが必要なサイトで Next.js が優れている理由
- 両者の CDN キャッシュ活用の違いと Next.js の内部キャッシュ戦略
Remix: CDN と親和性が高いフレームワーク
Remix は、サーバーサイドレンダリング(SSR)とクライアントサイドの効率性を両立させたフレームワークです。その設計から、以下の理由で 「SEOが大事でログイン不要」 のサイトに適しています。
特徴
-
静的コンテンツに強い設計
Remix は、静的ファイルを効率的に CDN で配信できる構造を持っています。静的ページやユーザーごとに差異のないデータが主体のサイトでは、CDN キャッシュを最大限に活用可能です。 -
柔軟なキャッシュ戦略
- HTTP ヘッダーで
Cache-Control
を設定することで、ブラウザやプロキシキャッシュを利用可能です。 - Cloudflare Workers や Vercel Edge Functions を組み合わせれば、エッジでのキャッシュも簡単に設定できます。
- HTTP ヘッダーで
適用例
- 製品紹介ページやブログのように動的要素が少ないサイト
- 高速な配信が求められるグローバルな静的コンテンツ
Next.jsのキャッシュ機能とRemixの対応
1. React Cache (クライアントコンポーネントのキャッシュ)
どっちもReactを使っているので割愛
2. Data Cache (データフェッチのキャッシュ)
-
Next.js
getServerSideProps
やgetStaticProps
で取得したデータをサーバーサイドでキャッシュし、API Routesでもデータキャッシュをサポートします。 -
Remixの対応
loader
関数でデータを取得しつつ、外部ツール(Redisなど)を利用したキャッシュ戦略を組み込めます。HTTPヘッダーでCache-Control
を設定することで、ブラウザキャッシュやプロキシキャッシュを有効活用可能です。
評価:
Next.jsのキャッシュ機能は強力ですが、サーバー内部でのキャッシュ戦略が強制されるため、運用負担が増える場合もあります。一方、Remixはキャッシュを外部ツールに委ねる設計で、開発者に柔軟性を提供します。
3. Full Route Cache (静的ページのキャッシュ)
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Next.js
getStaticProps
やISR (Incremental Static Regeneration)
を利用して、静的ページをキャッシュします。特定の更新頻度に基づいて再生成も可能です。 -
Remixの対応
静的生成の概念はなく、リクエストごとに動的にレスポンスを生成します。ただし、Cloudflare WorkersやVercel Edge Functionsを活用すれば、エッジキャッシュによる類似のパフォーマンス改善が可能です。
評価:
静的ページを多用する場合はNext.jsの方が便利ですが、動的な要素が多いサイトではRemixのシンプルさが運用面で有利です。
4. Router Cache (ルーターによる遷移のキャッシュ)
-
Next.js
クライアントサイドルーティングの際にデータをキャッシュし、遷移速度を向上させます。プリフェッチ機能でさらに高速化が可能です。 -
Remixの対応
prefetch="intent"
で事前にデータをフェッチする設計が用意されています。また、既に取得済みのデータは再利用されるため、Reactのメモリ管理に依存しながらシンプルなキャッシュが行われます。
適用例
- ログインやユーザーごとの動的コンテンツが主体のサイト
- 企業の大規模ウェブアプリケーション
Remix と Next.js のキャッシュ比較
特性 | Remix | Next.js |
---|---|---|
静的サイト(ログイン不要) | CDN キャッシュを最大限活用 | 同様のキャッシュ構造は可能 |
動的サイト(ログインあり) | キャッシュ管理を外部ツールに依存 | 内部キャッシュ機能が豊富 |
比較ポイント
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柔軟性と運用負担
Remix はキャッシュ戦略を外部ツール(Redis など)に委ねる設計で、シンプルな運用が可能です。一方、Next.js は内部で一貫したキャッシュを提供しますが、設定が複雑になる場合があります。 -
静的 vs 動的
静的ページが中心の場合、Remix の CDN キャッシュ活用が優れています。動的コンテンツが多い場合は Next.js の内部キャッシュが有利です。
結論: フレームワーク選びの指針
フレームワーク選定の際には、サイトの特性に合わせて以下のように選ぶとよいでしょう。
- 静的サイトやシンプルな構造のサイト: Remix + 外部ツールでのキャッシュ運用が効率的。
- 動的サイトやログイン機能を伴う大規模プロジェクト: Next.js のキャッシュ機能が適切。
特に、ログインが必要な場合は CDN キャッシュを避けるべき理由として以下が挙げられます。
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ユーザーごとの動的データ
CDN キャッシュは、ユーザーに応じたデータを提供するサイトでは適用が難しい。 -
キャッシュ不一致のリスク
他のユーザーのデータが誤って表示されるリスク。 -
セキュリティリスク
セッション情報や認証トークンがキャッシュされることで、不正アクセスの危険性が高まります。
フレームワークを選ぶ際には、性能や機能だけでなく、運用コストやサイトの特性に応じた柔軟性も考慮しましょう。
感想
vercelのビジネスモデル的にvercelを使ってほしくて
想像だとvercelはvercelでCDN対応しないと決め、CDNが不要なキャッシュを作ったと考える。