今回、ちょうど値下がりをしてきてオトクなRyzen3 2200Gとライセンスが余っていたWindows Server2016 Standardで、一機ホームサーバーを組みました。そこで、罠にはまってしまい1人日を消費したので、その記録を公開して悲しみの連鎖を止めようという記事です。
構成
種類 | 商品名 |
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CPU | Ryzen3 2200G |
GPU | 例のグラボ |
RAM | AD4U266638G19-D |
マザーボード | B450 Pro4 |
SSD | ASU650SS-240GT-X |
電源 | KRPW-AK650W/88+ |
ケース | ECA3360B-BT |
安さ第一なのが見て取れると思います。例のグラボありきでこの企画が進んだので、CrossFireXの検証も含めてこの形になりました。ちなみに、メモリの相性は問題ないです。
起こった事象と対策
Windows 2016 driver installation |
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How do I run AMD Ryzen Master on Windows Server 2016? |
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上記、2つのサイトを確認してもらえれば、大体ことの把握ができるはずです。要は、AMDが手を抜いていて、Windows Server上でRyzenのサポートをしていないということです。もちろんCPUの戦略としては、EPYCのおかげで一貫性が見えるのですが、APUにおいては互換性がないので、ただ単に未サポートという事実が残るのみです。それによって起こる問題は、AMD GPUも巻き込んで専用のGPUドライバーが当たらなくなります。ついでにRyzen Masterも動かないです。ただ、Ryzen Masterは解決方法がすでに出ているので、バイナリ改変で乗り切ってください。
ドライバーのほうに移ります。おそらく、ただインストールと起動を済ませた段階では、Microsoft標準ディスプレイアダプター表示で、WQHDまでしか出力できないはずです。おまけに、VRAMもなかなか厳しいことになっているはずです。1GBでどないできるというんでしょう。ちなみに、RX470のほうはちゃんとドライバー当たっていません。もしかしたら、正規商品は当たるのかもしれませんが、出力端子なしかつパフォーマンスモードのvBIOSでは、ドライバーは当たりません。どうにかしていきましょう。
登場から約8か月でRaven Ridge「Ryzen 2000G」のゲーム性能は上がったか。歴代ドライバで性能を比較してみた 3D性能を語るうえで重要になるのはグラフィックスドライバだが,Ryzen 2000Gシリーズの登場から約半年間,ドライバリリースは基本的に3か月ごとだった。AMDの中でそのルールが変わり,単体GPU用Radeon Softwareとの同時リリースになった(と思われる)のは9月公開の「Radeon Software Adrenalin Edition 18.9.1」からだが(※),そうなると気になるのはその最適化度合いだ。... |
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ここで、4gamerの記事を出しているのは、メジャーアップデート版がすべて出ているからです。もちろんそれぞれの比較に意味があるのですが、我々に必要なのは、きちんと動くことです。ここで、重要なヒントがあって、どうもReddit及びAMD Forumを辿っていくと、メジャーバージョンが17のときにはサポートされていたらしいとの情報がありました。そこで、初期バージョンをインストールしてみると、とりあえず一通りの動作はするようになりました。Chromeが全画面でビデオ再生をしようとすると、映像が乱れますが。DisplayPort経由での4k60Hz出力も確認できますし、デバイスマネージャー上でもデバイス名が認識されています。Radeon SoftwareではCrossFireXの設定は出てきませんでした。これがソフトウェアの問題なのか、組み合わせの問題なのかは断定できません。AMDのせいです。
まとめ
とりあえず動かすということが目標ならば、この構成でも問題ないとは思いますが、一般的にお勧めできるものではありません。もちろんメーカーはEPYC推しなのでしょうが、本当にシェアをとりたいのであれば、制限を外して、無保証版でもいいからユーザーに使わせてほしいです。もし、投機的実行のようなセキュリティホールが見つかった時、このような状態では危ういのではと感じてしまうのが正直なところです。Zen2に合わせて改善されることを望みます。