経緯
私はPCに内蔵HDDを4個接続して、いろんなデータを保管していたんですが、バックアップを取っていませんでした。
今までは運良くHDDが故障したりはしていないですが、今後どうなるか分からない!
そう思ってNASを用意することにしました。
どんなNASが良いかなと思って検討した結果、
- 大容量でHDDの交換や増設が可能
- WiFi接続できて配線に困らない
- NAS内だけでバックアップが完結する
このぐらいの機能がほしいな、となりました。
ただ、Amazonで商品検索したらNAS対応のHDDケースは5ベイだと5万6万超えてきて、もっと安く済ませたい!と思ったので、勉強がてらラズパイを使ってNASを構築してみました!
一度構築してからラズパイのWiFi速度を計測してみたら、満足できなかったので別途WiFiアダプタも使ってみました。
用意したもの
NAS構築のために用意したものを書き出します。
商品名 | 値段 |
---|---|
Raspberry Pi4 ModelB 4GB | ¥6,875 |
ラズパイ電源アダプター | ¥1,139 |
SDカード 64GB | ¥1,230 |
見た目が気に入ったラズパイ用ケース | ¥3,199 |
5ベイHDDケース | ¥14,990 |
HDD 8TB(データ保存用) | ¥14,222 |
HDD 8TB(バックアップ用) | ¥14,222 |
TP-LinkのWiFiアダプタ | ¥3,036 |
これで合計¥58,913。思ったより高くなったけど、HDD2個分の値段含んでいるので、同じ容量・機能の搭載されたNASをそのまま購入するよりは安くすんでいる、と思いたい!
構築手順
まずはラズパイのOSインストール
この辺は端折りますが、「Raspberry Pi Imager」を使ってOSは「Raspberry Pi OS Lite」をインストール。
その後、ラズパイに外から接続できるように、インストール後の以下のようにしてSDカード内に各設定ファイルを作成。
# SDカードにsshファイルを作成。これで外からSSH接続可能になる。
touch /Volumes/boot/ssh
# 同じくSDカード内にラズパイで接続したWiFi情報を記述したファイルを作成
vim /Volumes/boot/wpa_supplicant.conf
country=JP
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
network={
ssid="{SSID}"
psk="{PASSWORD}"
}
ラズパイ起動後は各種設定や更新作業
ログインパスワード変えたり、セキュリティ的にやったほうが良いことは結構あるが、ここでは書かないです!
ssh pi@raspberrypi.local
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
# このコマンド実行後色々設定した
sudo raspi-config
以下はやっておかないとWiFi接続が不安定になるらしいのでやってみました。
sudo iwconfig wlan0 power off
# その後上のコマンドを以下ファイルにも記述
sudo vim /etc/rc.local
NASとするためにopenmediavaultをインストール
これについてもいろんな記事があるので、自分がハマったところだけ書きます。
詳しくは公式ドキュメントをオススメします。
wget https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install
chmod +x install
# nオプションが重要
sudo ./install -n
(ちゃんとドキュメント読んでなかったり、そもそもLinuxの各種設定に詳しくないので、もっと他に良い方法があるかもしれませんが、)
n
オプションはインストールスクリプトによるネットワーク設定をスキップしてくれます。
スキップしてくれないと、この後で書くWiFiアダプタが上手く認識されなくなってしまいました。
TP-LinkのWiFiアダプタをセットアップ
正直ここが一番悩みました。がラズパイのフォーラムを参考にしました。
以下を実行すれば新しいWiFiインターフェースとしてwlan1
が登録されます。
sudo wget http://downloads.fars-robotics.net/wifi-drivers/install-wifi -O /usr/bin/install-wifi
sudo chmod +x /usr/bin/install-wifi
sudo install-wifi
wlan1
があれば、オンボードのWiFiインターフェースは動作していても無駄なので、以下を実行して停止します。
sudo iwconfig wlan0 txpower off
最後にブラウザからopenmediavaultを設定
ここまでやったら後はブラウザからラズパイのopenmediavaultにアクセスして、
- HDDのマウント/フォルダの設定
- SMB/CIFSの設定
をすればNASとして利用できるようになりました!
この辺の設定はすっ飛ばします。
バックアップはプラグインも色々あるようでしたが、使い方をちゃんと理解するのが面倒だったので、定期的にRsyncを使って保存用HDDからバックアップ用HDDにコピーするように設定しました。
感想
大体先人がいたので、自分で細かく設定を調整したり、といった作業はなくて比較的簡単ではあると思いました。
8TBも保存できるNASになったので、贅沢に使っていきたいと思います。
足りなくなったら、まだHDDケースに3ベイも空きがあるので拡張も可能。
問題は、ここまで作業して各種詳細な設定部分を理解しきっていないので、もっと良い設定ややり方があるかもしれないということ。
もしこの記事を読んでくださって、バカなことやってるな、と思った方はぜひ感想をください!
参考:インターネット速度計測ツールをインストール
WiFiの速度はspeedtestというツールを使ってみました。
sudo wget -O /usr/local/bin/speedtest-cli https://raw.githubusercontent.com/sivel/speedtest-cli/master/speedtest.py
sudo chmod +x /usr/local/bin/speedtest-cli
以下でコマンドで、TP-LinkのWiFiアダプタを使う前後の計測をしてみましたが、契約している回線に依存するのと、私があまりネットワークの設定周りに詳しくないので、あくまで参考程度に。
speedtest-cli --server=24333
Download | Upload | |
---|---|---|
オンボードWiFi | 55.60 Mbit/s | 3.52 Mbit/s |
TP-Link Wifi | 86.66 Mbit/s | 6.74 Mbit/s |
多分早くなっているはず!