※本記事では固有名詞を意図的に記載しておりませんが、なんらかのプロダクトやサービス、テクノロジーをご自由に思い浮かべながら、参照していただけますと幸いです。
サービスやプロダクトに求められるもの
ユーザーが利用するサービスやプロダクトには、大きく次の2点が求められます。
1.有用性・・・利用することでメリットを感じられる
2.信頼性・・・継続的に安定してメリットを享受できる
◆ 有用性
時間、金銭、健康、感情などに何らかの影響が生じるものであり、ユーザー自身が利用することによってメリットを感じられること。
- ユーザーが抱えている問題を解決する
- 長時間かかっていたものが、短時間ですむようになる。
- 手作業で行なっていたものが、自動で処理される。
- 問題は解決しないが、その対処を代行してくれる。
- ユーザーが新しい価値を体感できる
◆ 信頼性
有用性が確実に提供されることを保証し続けるものであり、安定時にはユーザーは意識しないものだが、不安定時はネガティブな評価としてユーザーに意識されやすいです。
- ユーザーが同じ操作を繰り返すと、必ず同じ結果を返してくれる。(期待値と結果の一致)
- ユーザーが使いたい時に、いつでも、どこでも使える。
- ユーザーが危険にさらされず、安心して利用することができる。
テクノロジーに求められるもの
テクノロジーは、サービスやプロダクトを構成する重要な要素です。
テクノロジーの選択・活用の先に、サービスやプロダクトが成り立ちます。
ですが、どういった技術で構成されているかをユーザーが意識する必要はありません。
- 例えば、電話を使えば離れた相手と会話することができますが、どうやってそれが実現できているのかをユーザーは意識する必要はなく、その意識は相手との会話の内容に向いています。
- 自動車やバイクに乗れば速く移動できますが、どうして速く動くのかをユーザーは意識する必要はなく、意識は目的地への道筋に向いています。
このようにユーザーは、そのサービスやプロダクトのことを知っていても、それを実現するテクノロジーについては、あまり意識することなく利用しているのです。サービスやプロダクトを通して、その外側に意識が向かっているのです。
ここで言いたいことは、
「テクノロジーは、人が本当に集中すべきものに、集中できるようにするために存在するべき」
ということです。
もし、思ったように動かなかったり、毎回違う振る舞いをするようなサービスやプロダクトでは、ユーザーの意識は、その内側の挙動に向かってしまいます。外側に本来やりたいことがあったはずなのに、意識も時間も労力も余分に割かれてしまうわけです。
本当によいサービスやプロダクトの要件は、解決される課題や新しい価値体験の細部について、ユーザーが意識しなくてもよい状態を生み出すことです。このような**「意識に余白がある」という状態は、その余白の分だけユーザーが「本当に集中したいことに意識を集中できる」**ということにもつながっていきます。
IT技術は進化も変化も著しく、新しいテクノロジーもどんどん生まれています。ですが、どのようなテクノロジーも、根底として重要なメッセージは、今も昔も、そしてこれからも変わらないのではないか。
そんな考えが頭をよぎったので、文字に起こしました。答え合わせは、これから先の未来を通して、ブラッシュアップしていければと思います。