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90年代~2000年代初頭の日本のインターネット接続サービスの歴史を簡単に振り返る

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はじめに

先日、趣味の勉強会のなかで、こんな登壇をさせていただきました。

資料作成の中で90年代のインターネット接続サービスを調べていたので各サービスの最初のサービスを調べていました。

ダイヤルアップ接続サービス

これまで学術用のネットワークや一部の大企業が専用線を用いて接続していた中、1994年3月1日にIIJから商用のインターネットサービスが始まります。
当時のベンチャーだったIIJは当時の規制を乗り越え、特別第2種電気通信事業者として認可を得ての出発だったようです。
当時のダイヤルアップIP接続は、IIJのようなインターネットサービスプロバイダ(以下、ISP)とNTT等からの電話回線(アナログ回線又はISDN)の2つの契約を必要としており、データ利用時間による従量課金制でした。
また、アクセスポイントと呼ばれるISPの接続に紐づいた電話番号へ接続しに行く方式で、
地方で近くにアクセスポイントがない場合、市外料金(距離別で変動)を払っての接続となり非常に高額となるケース(10万円以上)もありました。

こうしたケースもあり、1995年に深夜早朝帯(23時~翌8時)に電話料金が定額となる「テレホーダイ」がNTTからサービス開始、インターネットは定着していきます。

また、当時のアナログ回線に使用するモデムと呼ばれるアナログ信号とデジタル信号を変換する機器の性能によって帯域も変わり、1994年ごろでは14.4Kbps、最終的に56Kbpsまでなっていきます。

常時接続サービス

常時接続サービスとして専用回線を利用していたサービスが64Kbpsで20-50万円していた中、商用サービスとして1996年12月に「OCNエコノミー」128Kbpsの速度で月額38,000円という破格のスペックで登場しました。
この回線は高価なATM回線や専用線を引くことなく、既存のメタル回線を利用して接続できることから、
また、法人向けには1.5Mbpsの「OCNスタンダード」、6Mbpsの「OCNエンタープライズ」が登場しています。
1.5Mbps/6Mbpsというと光ファイバーの専用線でSONET/SDHとピンときた方もいらっしゃるかもしれません。

CATV

ケーブルテレビの回線を利用したインターネット接続サービスは1996年10月に武蔵野三鷹ケーブルテレビ(現:ジェイコム東京)がスタートになります。
この頃はCATVのインターネットサービスも時間課金でしたが、最大10Mbpsの帯域になっています。
CATVの常時接続サービスは1997年9月のタウンテレビ金沢(現:ジェイコム湘南・神奈川)で、この時の速度は下り最大30Mとなっていました。

ADSL

ADSLの実験は、1997年4月に伊那市で
商用ADSLの開始は1999月9月の川中島町有線放送(KUHK)とJANISネットにより、長野県で始まりました。
長野市川中島町の限られた地域での開始となりましたが、上りが272Kbps、下りが1.5Mbps、定額接続で月額5,500円となっておりました。
都内では2000年1月、東京めたりっく通信(現:ソフトバンク)によって開始されました。アクセス回線はNTTのものを利用していましたが、交換機を介さずにプロバイダへ接続できるため、安価に開始できるというメリットがありました。
遅れること数か月、イー・アクセス、アッカ・ネットワークスといったADSL時代のベンチャーがADSLサービスを開始し、同年12月末に、NTT東西からフレッツ・ADSLが提供開始になります。

FTTH

今でも固定回線の主流となっている光ファイバーを使ったFTTHサービスは、2001年3月に有線ブロードネットワークス(現:USEN)から最初にリリースされました。回線速度は100Mbpsで、家庭用のインターネット接続サービスとしては世界最速となっていました。
NTTは2000年12月から試験サービスとして「光・IP通信網サービス」として試験提供してきたものを、同年8月からBフレッツとしてリリース、関西ではケイ・オプティコムが分譲マンション向けにeoメガファイバーとして6月にリリースしたのを皮切りにFTTHのサービスを開始しますが、FTTHがADSLの契約数を超えるのは2008年となりますので、本格化はもう少し先の話になります。

モバイルインターネット

モバイルインターネットの商用サービスは、1999年のNTTドコモのiモードとなります。
パソコンからの接続の場合、回線、モデム、プロバイダなど準備のステップが多いのに対し、携帯電話から直接インターネットに接続できることが特徴でした。
最初はモノクロ画面でしたが、カラー液晶の機種ができると、その後は高精細化と画面の大型化も相まって、急速に広がっていきました。

まとめ

こうしてみてみると、家庭のインターネット速度が1995年ごろから2000年代前半に14.4Kbpsから100Mbpsと、一気に約10000倍になっており、技術の進化を肌で体験できた時期だと思います。
また、その100Mbpsも今日の5Gではモバイル通信で優に超えてくるため、こうした進化はまだまだ続いていくものと思います。

参考文献

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