2019/01/28 「指標」「ディメンション」「セカンダリディメンション」の解説を追加しました。
#このQiitaの目的
2017年2月にGoogle analyticsのUIが刷新され、よりポップでスマホライクなデザインになり、メニュー構成も大幅に変わりました。
しかし登場から2年経った今も「Google analyticsの使い方」といった記事では旧UI向けの記述と新UI向けの記述が混在し混乱を招いているので、ここでアナリティクス特有の用語を確認できる画面と合わせて一挙に解説しておこうと思います。
ちなみにGoogle公式ドキュメントやGoogleアナリティクスアカデミー(Google公式のanalyticsについて学べる動画講座)も一部は未だ旧UIの解説があり、混乱の一因となっています。
特定の単語について調べたい場合、該当の項目に飛んで辞書がわりにお使いください。
※2019年10月12日追記 アナリティクスアカデミーがskillshopにリブランディングし、
#用語解説 - 「レポート」と全画面共通
##指標
Google analyticsにおいて指標とは、計測したり、計算したりして導出する項目のことです。
以下で解説する「ページビュー」「セッション数」「直帰率」はいずれも指標です。
##ディメンション
ディメンションとは、それぞれの指標を分析する軸です。
例えば「ページのURL」「ページタイトル」「キーワード」「参照元」などです。
##セカンダリディメンション & 指標とディメンションの活用例
セカンダリディメンションとは、一度ディメンションを指定した後でさらに別のディメンションを付け加えることです。
例えばディメンションを「ページタイトル」、セカンダリディメンションを「キーワード」にし、「直帰率」の指標を参照した場合、
ページ『Googleアナリティクスの用語解説』は「Googleアナリティクス 用語」というキーワードからの流入では直帰率が10%なのに「Googleアナリティクス 使い方」というキーワードでは直帰率60%になっている。
Googleアナリティクスの使い方を知りたい人の検索意図に対応できていないので、ページの冒頭に別ページ『Googleアナリティクスの基本的な使い方』へのリンクを貼って直帰を避けよう。
といった分析が可能になります。
#用語解説 - 「ユーザー」メニュー
「ユーザー」メニューは基本的にサイト(やアプリ)を訪れたユーザーの属性を把握するページです。
##ユーザー
「ユーザー」とは「一定期間内にサイトを訪れた人数」のことです。
Google analyticsでは「ユーザー」は「1日に訪れた人数」を表します。
例えば1人が5回ページを表示し、5人が1回ずつページを表示した場合、「ユーザー」は6です。
##セッション、離脱
「セッション」とは「ユーザーがあなたのサイト(やアプリ)を訪問してから離脱するまでの一連の流れ」のことです。
訪問はわかりやすいのですが、離脱は非常に測定しにくい数字です。
離脱を「ユーザーがページを閉じたとき」と定義すると、「ブラウザのタブでページを開いたままにしていた(けれど見ていない)」といったケースに対応できなくなります。
そのためanalyticsでは「30分以上操作が行われない状態」を離脱(=セッション終了)と定義しています。(例外は下で解説します)
例えば私があなたのサイトを訪問し、ページA→ページB→ページCと遷移して30分操作しなかった場合、それは1セッションとなります。
対して、私がページA→ページBと遷移し、ページBで30分の長さのYoutube埋め込み動画を見たあとでページCに遷移した場合、ページBの時点でセッションは終了しているので、ページCに遷移した時点で新しいセッションが開始します。
よって上の例ではセッションは1、下の例ではセッションは2となります。なおユーザーはどちらも1です。
つまりセッションは「サイト内での30分以内の動き」であれば1と考えレバ基本的に差し支えありません。
ただし、例外が2つあります。
1つは、「参照元」が変わった場合。参照元とは、自分のサイトのリンクを踏んだサイトのことです。
例えばGoogle検索→あなたのサイト→別の人のサイト→あなたのサイトと移動した場合、仮に30分以内であってもセッションは1です。
これは検索結果にも当てはまります。
例えば「オセロ 勝ち方」で検索してあなたのサイトにアクセスした人が、そのあとで「オセロ 必勝法」で検索してあなたのサイトにアクセスした場合、30分以内でもセッションは2となります。「オセロ 勝ち方」の検索結果のページと「オセロ 必勝法」の検索結果のページは違うページだからです。
もう1つの例外は、日付をまたいだ時です。23時50分にサイトに入り、0時5分に別のページに移動した場合、セッションは2となります。
まとめます。
- ユーザーが自サイトで行動を始めてから30分経過するまでが1セッション
- ユーザーが自サイトでセッションを開始し、別サイトに遷移し、30分以内に再び自サイトに戻ってきたら2セッション
- ユーザーが自サイトでセッションを開始し、自サイトで30分以上滞在したら2セッション
- ユーザーが2つの異なる検索結果から自サイトにアクセスしたら30分以内でも2セッション
- ユーザーが日付をまたいだら2セッション
##ページビュー(PV)
ページビューとは、ユーザーが自サイトでページを開いた数です。
これはユーザーやセッションに関係なく、ページを開いた時点で1加算されます。
先ほどの例だと、私があなたのサイトでページA→ページB→ページCと遷移した場合、セッション数に関わらずページビューは3です。
##ユーザーあたりのセッション数、ページ/セッション
「ユーザーあたりのセッション数」や「ページ/セッション」はそれぞれセッションをユーザーで割った値とページビューをセッションで割った値です。
「ユーザーあたりのセッション数」は、「1日にユーザー1人あたり何回サイトで行動してくれているだろう」という指標になります。正直あまり使っていません。
「ページ/セッション」は「1セッションあたり何ページ回遊してくれているだろう」という指標です。もっと使いません。
個人的には「ページビュー/ユーザー」という指標があっても良いと思います。割り算で出せるので勝手に出して使ってます。
どの指標を使うにせよ、「ユーザーあたり」「セッションあたり」の数が小さい場合はサイトの回遊性が低いことが考えられます。どのようなビジネスでもおおむね回遊性が高いとコンバージョン(後述)に繋がりやすいので、この数字は上げたいところです。
##平均セッション時間
先ほどの指標と同じように、回遊性を測る指標のひとつになります。
これはユーザーがセッションを開始してからセッションを終えるまでの時間の平均です。
セッションは先述の通り30分継続するのですが、この値ではユーザーが「セッションを始めてから行動しなくなるまで」つまり「セッションを始めてから最後に行動するまで」の平均時間がわかります。
この数字が極端に低い場合、ページがユーザーの流入意図を満足させていないことが考えられるので、改善すべきです。ページごとの平均滞在時間は「行動」「サイトコンテンツ」「すべてのページ」で見られます。
##直帰率
あなたのサイトを1ページだけ読んで離脱してしまう(=セッションを終了してしまう)人の割合です。
こちらもこれまでの2つと同様、回遊性の指標です。直帰率が高い場合、関連するページを表示したりメニューを追随させたりして回遊性を上げる施策が必要になります。
ページごとの直帰率も「行動」「サイトコンテンツ」「すべてのページ」で見られます。
##離脱率
離脱率とは、ページごとに算出される指標で、ページビューに占める「そのページがセッションの最後のページだった割合」を表します。
ヘルプでは
離脱率は、個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。
直帰率は、そのページから始まったすべてのセッションで、そのページがセッションに存在する唯一のページだった割合を示します。
ページの直帰率は、そのページで始まったセッションだけが計算の対象になります。
と書かれています。
直帰は離脱(セッションの終了)のうち、1ページしか見ずに終わった事象のことで、離脱はセッション終了のことだと整理できます。
直帰率は「サイト全体で1ページしかセッションが続かなかった割合」と言えますが、離脱は個々のページに関する指標である点に注意が必要です。(離脱は必ず起こるので、サイト全体の離脱率は100%になります)
##コホート分析
「コホート分析」メニューでは、ユーザーをグループ分けして分析することができます。
例えば「2019年1月1日にサイトを訪問したユーザーの再訪問率はどのくらいか」といった指標を分析できます。
コホート分析で主に行われるのはユーザー定着率の分析です。
ECサイトなどでは、1度使ってくれたユーザーが再びサイトを訪問してくれることが非常に重要になります。よって、コホート分析が非常に役立ちます。
一方で、検索流入を主とするブログや情報サイトなどではあまり役立たないかもしれません。
##その他の「ユーザー」メニュー
その他に「ユーザー」メニューでは様々なユーザーの属性を知ることができます。
「ユーザー属性」では年齢や性別を、「地域」では言語やアクセス元を、「テクノロジー」「モバイル」ではOSや端末、ブラウザの割合を知ることができます。
通常の分析ではここまで詳しく見ることは稀ですが、特定のブラウザでの直帰率が異常に高い場合などは何らかの最適化施策を講ずる必要があります。
#用語解説 - 「集客」メニュー
「集客」メニューでは、主に集客つまりサイトにユーザーを呼び込む際の施策に関する様々な指標を参照できます。
##チャネル(メディア)
集客メニューでもっとも重要なカテゴリがチャネルです。通常チャネルは以下の4種類あります。
- Direct - URL直接入力やブラウザの「お気に入り」からの流入
- Organic search - Google、Yahoo!、Bing、baidoなど特定の検索エンジンからのリンク
- Social - Teitter、FBなど特定のSNSサイトからのリンク
- Referral - Organic search、SNS以外のすべてのサイトからのリンク
Google analyticsではすべての流入をこの4つのチャネル(メディアとも)を分類します。
##参照元/メディア
ここではチャネルよりも詳しく参照元のサイトを表示してくれます。
例えば「yahoo / organic」「facebook.com / referral」といった形で表示されます。「/」以降はメディアであり、以前は具体的な参照元サイトです。
このページを利用することにより、organic searchのうちYahoo!、Google、Bingの中で特に直帰率が高い検索エンジンはどれか、といった分析が可能になります。
##参照サイト
参照サイトとは、どのサイトから流入したかという指標です。「facebook.com」のように表示されます。
一見すると「参照元/メディア」と似ていますが、メディアには「広告」や「アフィリエイト」のパラメーターを付与できます。
ですので、サイトへの広告をfacebookに出稿した場合、その広告からの流入は「参照元/メディア」では「facebook.com / cpm」のように表示され、通常のfacebookからの流入「facebook.com / referral」と区別されます。
参照サイトではどちらも合わせて「facebook.com」と表示されるため、facebookからの流入を広告・自然流入・アフィリエイトなどで区別せずに分析できるメリットがあります。(ただし、モバイル向けサイトは「m.facebook.com」と別に扱われてしまうなど、留意すべき点はあります)
広告キャンペーンなどを行なっていない場合は特に「参照サイト」を使うメリットはないかと思います。
##検索クエリ
「search console」内の「検索クエリ」は基本的に検索ワードのことです。「Google search console」と連携していないと検索クエリは使えませんが、連携すればanalytics内から見られるので楽になります。
例えば「Python 円グラフ」の検索から自サイトに流入があった場合、検索クエリでの表示は「Python 円グラフ」となります。
##not provided
検索クエリ内で「検索単語を取得できなかった」ことを意味するのが「not provided」です。
SSL接続により取得できないケースが増えてきたため、このような表示になることが増えています。
search consoleで確認すると見られるケースもあります。どちらも導入しましょう。
#用語解説 - 「コンバージョン」メニュー
コンバージョンとはWebマーケティングで最も重要な用語で、もともとは「Webサイトによる最終的な成果」という意味です。
ECサイトであればコンバージョンは商品の購入でしょうし、旅館の予約サイトであれば予約の成立、実店舗のサイトであればお店への問い合わせ、アフィリエイトサイトであればリンクのクリックかもしれません。
このようにコンバージョンの定義はサイトによって異なるため、Google analyticsではプロファイルの目標設定でコンバージョンを定義する必要があります。
##コンバージョン数
あらかじめ定義したコンバージョンが達成された数です。
例えば「URLへのアクセス」をコンバージョンと定義していれば、自サイトからそのURLがクリックされた数がコンバージョン数となります。
留意点としては、コンバージョンはセッション単位で記録されます。
ですから、同一のセッションの中でコンバージョンが2回達成されても(例えば、2回URLがクリックされる)、コンバージョン数は1です。
##コンバージョン率
訪問に対するコンバージョンの割合です。
ここで訪問とは、ページビューやユーザーではなくセッション単位です。ですのでコンバージョン率とは「コンバージョン数/セッション数」となります。