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【マネージャー向け】新人教育がうまくいかない方へ

Last updated at Posted at 2024-05-04

社員の活躍に責任を持つ立場になり、現在マネジメントを再学習しています。
過去に学習したが忘れていたこと、新たな知見の備忘録です。
※約5分で読めると思います。

「君はどうしたい?」がなぜだめなのか

新人はまず業務を覚えることにフォーカスしているので、具体的な指示や期待を求めていることが多いのです。

「君はどうしたい?」で意見を引き出すのなら、その意見を叶えられるように導くべきだと思います。

「君はどうしたい?」と聞くだけ聞いて放置しているといずれ

「言っても無駄」


こうなることでしょう。

子どもにアンケートを取るだけとって何もしなかった場合、次からのアンケートでは

「とくになし」(言っても無駄)


になります。子どもは正直です。

※注 「君はどうなりたい?」とは全く別物です。

代理体験

代理体験とは、他人の成功を見聞きする体験のこと。
自分と似ている人の成功を見聞きすることで

「あの人ができたのだから自分もできそう」


と、疑似的達成感を持つことができます。

代理体験は、自己効力感を持つための重要な要因の一つであると、経営学において明らかになっています。

高校時代にマクドナルドでアルバイトをしていた時、マネージャーがこんなことを言っていました。

「人に教えるコツは、やってみせる、やらせてみる、だよ!」


代理体験から成功体験へつなげる流れですね。

マクドナルドの教育ってやっぱりすごかったんだなぁと改めて実感しています。

ロールモデル・ストレス

前述の代理体験には落とし穴があるように思えます。
それが「ロールモデル・ストレス」というものです。

自己効力感の向上に有効な代理体験も

「あの人のようになれ」

この一言でゴーレム効果を生みます。

ゴーレム効果とは、期待されないと「自分はだめだ。」となる心理学的現象です。この逆がピグマリオン効果です。

自分と似たロールモデルを複数持たせることで、回避できるでしょう。

経験学習モデル

経験学習モデルは、一言でいうと経験から学ぶ方法を解りやすく体系化してくれているものです。以下の4つのステップがあります。

  1. 具体的経験
  2. 内省
  3. 概念化・抽象化
  4. 能動的実験

エンジニアの業務に当てはめると

  1. プロジェクトでまだやったことがない実装をする
  2. PRレビューやレトロスペクティブ(スクラム)で振り返る
  3. 他のプロジェクトや言語でも実装できるように抽象化する
  4. 個人開発で実際に試してみる

開発現場ではやったことのない実装をすることはいくらでもあるので、この経験学習モデルは良い学習効果が発揮されると思います。

まとめ

令和の時代になり、マネジメントが以前よりも難しくなったという話をよく耳にします。これは、終身雇用制度からジョブ型雇用への移行が背景にあると思います。エンジニアが一生学び続けるように、マネージャーも継続的な学習が必要なんだろうなと思いました。

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