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WordPressのブロックテーマで各投稿のカスタムフィールドを表示する(2024年8月時点)

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はじめに

WordPressはサイト全体を投稿本文のように編集できる「ブロックテーマ」に本格的に移行しています。
多くの資料がありますが、カスタムフィールド(投稿メタ)の表示に関する情報が少ないです。

現実には、画像のようなゴリッゴリのカスタムフィールドを多用したサイトを運用していて、頭を抱えている人も多いのではないかと思います。そのような人の一助となれば幸いです。

blocktheme_binding_02.jpg

カスタムフィールドを表示することは、できます。
が、この記事を書いている時点では難易度が高めです。また、仕様が変わる可能性も高いです。

読んでいるあなたがWordPressについて常時学習する時間が取れない、納品後の改修ができない状況であれば、他のCMSへの乗り換えを強く勧めます。

暫定措置

ノーコードで表示する

「Snow Monkey Blocks」プラグインには、カスタムフィールドの内容を表示できるブロックがあります。

ただし表示できるのは文字列だけで、画像カスタムフィールドは画像IDが表示されてしまうため使用できません。出力されるコードはdiv要素となります。

<div class="smb-custom-field wp-block-snow-monkey-blocks-custom-field">
	カスタムフィールドに入力した情報
</div>

旧来のコードのまま表示する

「Custom Blocks Constructor – Lazy Blocks」は、旧来のWordPressのテーマのコードからブロックを作成できます。

Block Bindings APIを使用する

ここからは今後のWordPressの推薦、「ブロックバインディングAPI」を使用する方法の解説です。バージョン6.6を使用している前提です。
お急ぎの方は4.まで飛ばすことができますが、おそらく後悔します。

1. Block Bindings APIとは

テンプレートに書いてあるブロックに外部情報を関連付けて、置き換えられる機能です。例として以下のようなことができます。

  • クエリループ内の投稿テンプレートや、各記事に配置したブロックの…
    • 段落を、投稿内のカスタムフィールドに登録した文字で置き換える
    • 画像のURLを、投稿内のカスタムフィールドにアップロードした画像のURLで置き換える
    • ボタンのリンク先を、投稿内のカスタムフィールドに登録したURLで置き換える

2. 置き換えられる値の制限

記事を書いている時点で、置き換えができるブロックは画像、段落、見出し、ボタンに制限されています。また、見出しと段落以外は全体のHTMLを置き換えることはできません。つまり、投稿ループ全体をa要素で囲むなど、大幅な加工はできません。

詳細は以下を参照ください。

例えば画像は、以下の3つの属性値のみ可能です。

  • 画像のURL url
  • 画像の代替テキスト alt
  • 画像のタイトル title

このため、SEOやスライドショーで表示するために、altやtitleも書き換えたい場合は、関連付けをこれらにも行わなくてはなりません。この記事ではURLの差し替えのみ解説します。

3. ACFに関する注意

Advanced Custom Fields(以降、ACF)プラグインはWordPress公式のカスタムフィールドとは規格が異なるので、後述の core/post-meta では表示できません。また、ブロックエディタ内では表示を確認できません。

「6. 画像ブロックを置き換える関数を追加する」の解説は、WordPress公式のカスタムフィールド前提で解説しています。もしかするとACFの画像ブロックだともっと簡単に表示できるかもしれません。この記事を書いている時点で未検証です。すみません。


以降、文字、画像のバインディングを解説していきます。

4. カスタムフィールドをブロックが参照できるようにする

ACFでカスタムフィールドを作成している場合は、この作業は不要なので飛ばしてください。

現在使用しているテーマの functions.php にコードを追記して、ブロックに関連付けたいカスタムフィールドを登録してください。
以下のサンプルコードでは投稿タイプ sightseeing に、カスタムフィールド sightseeing_catch, sightseeing_thumbnail を関連付けています。

add_action( 'init', 'mysite_register_post_meta' );
if ( ! function_exists( 'mysite_register_post_meta' ) ) {
	function mysite_register_post_meta() {
		register_post_meta(
			'sightseeing',
			'sightseeing_catch',
			array(
				'show_in_rest' => true,
				'sanitize_callback' => 'sanitize_text_field',
				'single' => true
			)
		);
		register_post_meta(
			'sightseeing',
			'sightseeing_thumbnail',
			array(
				'show_in_rest' => true,
				'sanitize_callback' => 'sanitize_text_field',
				'single' => false
			)
		);
	}
}
  • 以降、 mysite はテーマ名などに置き換えてください
  • この作業は、将来のバージョンアップで不要になってくれればいいなあと期待しています

入力データの無害化 sanitize_callback はこちらの記事が詳しいです。

5. 文字列フィールドを表示する

画像を置き換えたい場合は、この項は飛ばしてください。

表示したいテンプレートの編集画面へ移動し、右側の詳細メニューから「コードエディター」に切り替えます。
(実はテーマのテンプレートHTMLを直接編集する手もありますが、ここでは割愛します)

スクリーンショット 2024-08-04 12.08.49.jpg

カスタムフィールドを表示したい段落ブロックを探します。
以下のようになっているはずなので

<!-- wp:paragraph -->
<p>これはキャッチコピー</p>
<!-- /wp:paragraph -->

開始タグを以下の通り書き換えてください。 サンプルコードでは key にさっき関連付けたカスタムフィールド名 sightseeing_catch を指定しています。

<!-- wp:paragraph {
  "metadata":{
    "bindings":{
      "content":{
        "source":"core/post-meta",
        "args":{
          "key":"sightseeing_catch"
        }
      }
    }
  }
} -->

ACFの場合は source の値を以下の通り acf/field としてください。

<!-- wp:paragraph {
  "metadata":{
    "bindings":{
      "content":{
        "source":"acf/field",
        "args":{
          "key":"sightseeing_catch"
        }
      }
    }
  }
} -->

編集後、コードエディタを閉じると、段落ブロックが編集できなくなり、文字列がカスタムフィールドに置き換わっているはずです。

6. 画像ブロックを置き換える関数を追加する(前半)

現在使用しているテーマの functions.php に以下のコードを追記してください。

register_block_bindings_source の第一引数 mysite/image は控えておいてください。

add_action( 'init', 'mysite_register_block_bindings' );
function mysite_register_block_bindings() {

	register_block_bindings_source( 'mysite/image', array(
		'label' => 'mysite_image',
		'get_value_callback' => 'mysite_image_binding',
		'uses_context' => [ 'postId' ]
	) );

}

register_block_bindings_source 関数

ブロックの source に第一引数の文字列が指定されていたときだけ、第二引数の get_value_callback の値の名前の関数を実行します。 uses_context で、その関数に投稿のIDを渡しています。

実行関数 mysite_image_binding が必要になることがわかります。

7. 画像ブロックを置き換える関数を追加する(後半)

続けて以下のコードを追記してください。 $image_src には画像がなかったときのノーイメージのURLを記述してください。

function mysite_image_binding( $source_args, $block_instance ) {
	$image_src = 'https://mydomain/path-to-theme/noimage.png';
	if($block_instance->context['postId'] && $source_args['key']) {
		$image_src = wp_get_attachment_image_url( get_post_meta( $block_instance->context['postId'], $source_args['key'], true ), 'large' );
	}
	return esc_url($image_src);
}

ここでは、カスタムフィールドの画像URLを取得しています。最終行の return の値がブロックに置き換える内容となります。

8. 画像ブロックを表示する

表示したいテンプレートの編集画面へ移動し、右側の詳細メニューから「コードエディター」に切り替えます。

カスタムフィールドを表示したい画像ブロックを探します。
開始タグが以下のようになっているはずなので

<!-- wp:image {(ブロックの設定値が書かれている)} -->

以下の通り書き換えてください。 サンプルコードでは source に控えておいたregister_block_bindings_source の第一引数 mysite/imagekey にさっき関連付けたカスタムフィールド名 sightseeing_thumbnail を指定しています。

<!-- wp:image {
  "metadata":{
    "bindings":{
      "url":{
        "source":"mysite/image",
        "args":{
          "key":"sightseeing_thumbnail"
        }
      }
    }
  },
  (ブロックの設定値が書かれている)
} -->

編集後、コードエディタを閉じると、画像ブロックが編集できなくなり、公開画面の画像がカスタムフィールドに置き換わっているはずです。

「7. 画像ブロックを置き換える関数を追加する(後半)」で、 $source_args['key'] という変数が出てきました。実はここには、ブロックの key で指定したカスタムフィールド名が渡されています。
投稿IDとカスタムフィールド名を参照して、画像のURLを取得して置き換える、という仕組みです。

おわりに

WordPressのブロックテーマで、各投稿のカスタムフィールドを表示する手順は以上です。繰り返しますが、この記事の内容も古い or 間違いがあるかもしれません。コメントでご指摘いただけますと幸いです。

他にもよくあるカスタマイズとして、「カスタムフィールドに入力したURLをボタンのリンク先にする」がありますが、画像フィールドと同じ手順で実装できるので割愛しました。

なお、本文の特定のブロックのHTMLを、一覧ページにそのまま表示することも可能です。記事を書いている時点では、やや魔改造じみたカスタマイズになりますが、今後のバージョンアップによっては、クエリループの検索条件に使用しないカスタムフィールドは不要となるかもしれません。

謝辞

この記事は下記を始めとした、多数のドキュメントを参考にさせていただきました。

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