この記事はウェブクルー Advent Calendar 2018の4日目の記事です。
昨日は@wc_moriyamaさんの「エンジニアのマネジメントをやりたいと思いませんか」でした。
はじめに
サービスをご利用いただくユーザー行動の裏にある気持ち。
その気持ちが芽生えたきっかけ、その気持ちを支える動機といった”心の声を拾うにはユーザーリサーチ、特にユーザーインタビューという手法は重要です。
UXに関わる職種だけでなく、サービスをより良くしたいと思えるならユーザーインタビューはだれでもできます。
営業・マーケティングの施策にいきづまったBizDev。
リリースしたプロダクトがなぜ利用率が悪いのか、なぜマネタイズがうまくいかないのかわからないエンジニアや制作職。
サービスにかかわるみなさんがいつでもどこでもユーザーインタビューできるよう要点をまとめました。
いますぐユーザーインタビューをはじめよう!
ユーザーインタビューって
ユーザの行動の裏にある気持ち、その気持ちを持つに至った経緯、その気持ちを支える動機といった“心の声”をユーザー自身に語ってもらうための“場”
最初はインタビューガイドを準備しよう
- 目的を明確化
- 得られる成果を明確化、次の調査・プロセス(企画・プロダクト改善プロセス)へのつなぎ方を考慮
- 主要質問の設計(横道それてもOKだが質問の根幹)
- 主要質問をサポートする周辺質問の設計
- 時間配分
- 抽出したい声を優先度付けする
インタビュアーとして常に意識しなければならない3つのこと
- ①場作り
互いを信頼し合い、気兼ねなく、心を開いて語り合える関係をなるべく短時間に作り、最後まで維持する - ②舵取り
話の流れに乗ったり、必要に応じて進路を調整したりしながら、約束の時間に目的地へ到着するのを目指す - ③深掘り
問いに対する表面的な答えに満足せず、インフォーマントの深層心理へ少しずつ、掘り進んでいく勇気と技
【①場作り】気持ちよく話せる場を作る(ラポールの構築)
ラポールの構築とは:信頼関係を気がねなく心を開き話し合える状態。
▼インタビュアーは見た目に気遣う
髪型・服装をラフにするか、びしっとスーツにするかで印象が違う。
インタビューの目的やインタビュイーの属性によってラフだとバカにしてるのかと憤慨されたり、スーツだと堅すぎて居心地の悪いままインタビューが終わり何も聞き出せないのでTPOをわきまえる。
▼笑顔とアイスブレイクで初対面の緊張をほぐす
初対面の相手にいきなり心を開くのは誰でも困難。
相手のリズム(呼吸・歩調)に合わせる(リテラシー、ボキャブラリー、話の間など)をつかみ、笑顔とちょっとした会話でアイスブレイク。
話題は「シタシキナカニモ衣食住」から適切なお題を設定。
シ 趣味
タ 旅
シ 仕事
キ 気候
ナ 仲間
カ 家族
ニ ニュース
モ ・・・
衣 服装
食 食事
住 住まい
【②舵取り】柔軟に舵をとる
限られた時間の中で最大限の成果をだすには最適な道筋でゴールを目指さなければならない。
事前にインタビューガイド(流れや設問)は用意するものの、実際にそのとおり進まないのがインタビュー。
時間が足りず質問を省略したり、短く切り上げざるをえなくなったり、流れで適宜進行を変更せざるをえない場合がある。面白いエピソードを聞かせてくれそうなときは流れを無視して時間さく判断も必要。逆に話題がそれてきたら本筋に戻す行為も必要。
▼ユーザーインタビューに不慣れなうちはインタビューガイドのチェックリストを作成しつけるほうがいい
流れがぶれたときのお守りくらいのスタンスで傍らにおいておく。
相手が楽しそうに話しているときは強引に遮らず、適度な相槌と肯定的な受け答えでインタビュイーの思いや考えをたくさんアウトプットしてもらう。
▼メモをとる、ホワイトボードなどで発言を可視化し共有する
「あなたの話を楽しく聴いてますよ♪」という態度を明確に示すことにより、よりインタビュイーが話す場を醸成する。
発言で気になったキーワードを文字としてホワイトボードなどに可視化し合意形成を得ることで新たな気付きを共感でき、話題の掘り下げに役立つ。また、あとでこの話に戻ろうというときのメモとして使える。
【③深掘り】深堀りこそゴール達成への近道
問いに対する表面的な答えに満足せず、インタビュイーの深層心理へ少しずつ掘り進んでいく勇気と技。
「なぜ?」の掘り下げは大切だが、使いすぎるとインタビュイーは嫌になるので、
「なぜ?」に代わるwhyを使い分け深堀する。
【例】
なんで? どうして? なにゆえ? 理由はありますか? 理由は考えたことありますか?
それは・・・なぜ? それって、どうしてですか? なんででしょうね?どうしてだと思いますか?
何かきっかけはありましたか? 影響を受けた人はいましたか? きっかけになったできごろは? など
インタビュアーの難しさ
どんなに優れたインタビュアーも最初は初心者で、最初からインタビューが成功することは困難です。
友人との雑談と違い、インタビューにて聞き出したいことがあり、ユーザーの表面でなく深層心理を知るために巧みに質問、傾聴、同調する。
しかしいきなりすべてのスキルを習得するのは困難なので、まず最初はインタビューの目的と、ユーザーと向き合い話すことに慣れることに注力してください。
余裕がでてきたらインタビュー上達のため下記を参照し、ひとつひとつ試す余裕を持ってインタビューをしてみましょう。
▼前提条件
①行動の背景、目的・動機を人は必ずしも意識していない
②人の記憶はあてにならない場合がままある
③意識や自覚があったとしても、それを言葉にして説明するのは難しい
④人の話にはウソやいいわけ、自分を良く見せようとする取り繕いが混じることがある
▼インタビュー上達に向けて取り組むこと
①しつこく聞き続ける忍耐強さが必要。
インタビュアーもインタビュイーも「そんなこと聞く・言う必要はないな」と遠慮するような“確証バイアス”が起きると推測で話が進む。どの程度のリテラシーかも含めしつこく聞く姿勢で実施する。
####②聴くだけでなく、観る
事前に用意したインタビューガイドを埋めることに終始せず、相手の服装、仕草、表情や目線、雰囲気を見て事実か嘘か、隠したいことかもっとエピソードが眠っていそうか判断する。
####③記憶を呼び戻す手助けを準備
カタログ、写真、サイトとか
####④帰り際にこそでる本音を逃さない。
慣れない環境で初対面の人から根掘り葉掘り質問攻めにあった緊張がとけたとき、「そういえばさっきの・・・」
エレベーターホールや出口や駅まで見送りながら聞く
####⑤すぐに振り返りを実施する。
インタビューの内容、品質;質問方法、言葉、舵取りが適切だったか
インタビューで得られた気づき
最後に
どんな職種、階級の方でも、サービスを運営する側としてユーザー声を聞き、サービスに反映していくことはとても大切です。
サービスの新規企画時はもちろん、リリース前・リリース後の改善活動において息詰まる前や成熟サービスにおいても積極的にユーザーインタビューをしましょう。
そしていつでもだれでもユーザーインタビューができる社内環境を構築し、ユーザーにとってよりよいサービスを提供できる会社を目指しましょう。
明日は@kouaresさんです。
よろしくお願いいたします。
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