Microsoft 365付帯のPower Platformライセンスの調査

Microsoft 365開発者プログラムをアクティブ化し、E5ライセンスに含まれる各種プラン「Power Apps for Office 365(Plan 3)」「Power Automate for Office 365」「Power Virtual Agents for Office 365」は、必要な人に対して最小限設定するため、Power Apps for Office 365 プランについて調査を行いました。

調査の結果、Power Apps for Office 365プランを付与しなくても、Power Apps開発者ポータル( https://make.powerapps.com/ )にはアクセスでき、アプリの作成、プレビュー実行、アプリの公開など、開発に必要な一連の作業は行えることが分かりました。しかし、アプリを公開後に通常の実行を行うと、「Power Appsプランが必要です」というエラーが発生しました。

調査結果のまとめ
・開発時：Power Appsプラン不要
・実行時：Power Appsプラン必要

現時点では上記の挙動が確認されていますが、ライセンスの考え方として開発時にもPower Appsプランが必要かどうかを明確に確認する必要があると考えました。

Microsoftテクニカルサポートの正式見解

Microsoftテクニカルサポートに問い合わせた結果、以下の回答を得ました。

Power Apps ライセンスの判定はアプリの通常再生時に行われます。
そのため、ライセンスを付与していない状態でも特段制限なくアプリの編集およびレビュー画面での再生が行えてしまう事象については、正常な動作でございます。
あくまでアプリを通常利用するタイミングでライセンスの判定がなされ、ライセンスが付与されていないユーザーに対しては、該当のメッセージが表示される動作となっております。

まとめ

Microsoftテクニカルサポートによる正式見解を踏まえた結果、挙動の確認を以下のようにまとめました。

製品	開発時	実行時
Power Apps	不要	必要
Power Automate	必要	必要
Copilot（旧Power Virtual Agents）	必要	不要

Power Apps

開発時には、アプリの作成やデバッグ実行（プレビュー実行）はライセンスがなくても実施可能です。また、アプリの公開も行えます。ただし、公開したアプリを実行するにはライセンスが必要で、ライセンスがない場合は以下のエラーが発生します。

Power Automate

開発時には、ライセンスがない場合は以下のエラーが発生します。

実行時には、Power Automateフローは基本的に「フロー作成者の権限で動作する」という特性があるため、結果的にライセンスが必要となります。厳密に言うと、フローの中でも「インスタントクラウドフロー」については、フロー作成者の権限以外で動作させることが可能ですが、その場合でも何らかの形でライセンスが必要になるため、結果としては変わりません。

Copilot Studio

前提として、Copilot Studioを使用するには有償ライセンスが必要です。Copilot Studioの開発ページを開くと、以下の画面のように試用版ライセンスの入手が案内されます。

ただし、Microsoft 365 E5ライセンスのPower Virtual Agentsプランを選択している場合、Teams上でCopilot Studioアプリを起動できます。ただし、この場合に開発できるのはシナリオベースのチャットボット（以前のPower Virtual Agents相当）に限られ、AIベースのチャットボットは作成できません。

このようにして作成した（シナリオベースの）チャットボットは、ライセンスを持たないチームメンバーでも利用が可能です。