はじめに
このエントリは、Kubernetes 1.11 の CHANGELOG からKubernetes 1.11: 主な変更点 (Major Themes) の一部についてまとめています。翻訳に合わせて補足を追記しています。その他の内容は次のリンク先を参照してください。
- Kubernetes 1.11: 主な変更点 (Major Themes) Part.1
- Kubernetes 1.11: 主な変更点 (Major Themes) Part.2
- Kubernetes 1.11: Urgent Upgrade Notes と 既知の問題 (Known Issues)
- Kubernetes 1.11: Before Upgrading
- Kubernetes 1.11: 廃止予定の機能 (Deprecations) と 新機能 (New alpha features)
SIG API Machinery
このリリースのSIG API Machineryは、主にCustomResourcesにフォーカスしています。
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CustomResourcesのSubresourcesがbetaとなり、デフォルトで有効になりました。
これにより/status
サブリソースで更新できるフィールドは.status
のみとなりました。 -
/status
サブリソースが有効な場合、CRD OpenAPIのバリデーションスキームのルートでrequired
とdescription
が使用できるようになりました。-
CRDのValidationについて
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複数バージョンのCRDを作成できるようになりましたが、自動的に変換はされません。
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spec.additionalPrinterColumns
フィールドを使用して、CRDのkubectl get
で出力される内容を追加できるようになりました。
SIG Auth
このリリースではユーザーが理解しやすいセキュリティ機能を提供することにフォーカスしています。
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RBACのcluster role aggregation がstableになりました。
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client-goのcredential pluginsは外部プラグインからTLSクレデンシャルを取得するサポートが追加され、betaになりました。
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監査イベントにAPIリクエストの処理方法に関する情報が追加され、内容の確認が簡単になりました。
- Authorizationでは、認可結果("allow"か"forbid")とその理由が、
authorization.k8s.io/decision
とauthorization.k8s.io/reason
アノテーションに記録されるようになりました。 - PodSecurityPolicyアドミッションでは、ポリシー名が
podsecuritypolicy.admission.k8s.io/admit-policy
とpodsecuritypolicy.admission.k8s.io/validate-policy
アノテーションに記録されるようになりました。
- Authorizationでは、認可結果("allow"か"forbid")とその理由が、
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PodSecurityPolicyにはhostPathのボリュームマウントを、読み取り専用にする機能が追加されました。
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NodeRestrictionが有効な場合、kubeletはNodeオブジェクトの
taint
を編集する権限を持たないようなったため、使用するべきノードが把握しやすくなりました。
SIG CLI
SIG CLIではkubectlコマンドの可読性、テスタビリティを向上するためにリファクタリングを行いました。
このリファクタリングにより次のリリースで、kubectlプラグインの開発がより簡単になります。
SIG Instrumentation
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新しいKubernetesの監視モデルに移行するための継続的な取り組みの一環として、Heapsterが非推奨になりました。
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Heapsterはv1.13で削除される予定です。
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オートスケールのためにHeapsterを使用している場合、
Metrics Server
とCustom Metrics API
に移行する必要があります。
詳細については、新たに廃止予定となった機能(New Deprecations)を参照してください。
SIG Scheduling
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Pod Priority
とPreemption
はbetaになり、デフォルトで有効になりました。オペレーターにとって大きな変更になるため注意が必要です。-
詳細については、Before Upgradingを参照してください。
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- スケジューラーのパフォーマンスと信頼性の向上に取り組みました。
SIG Windows
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このリリースでは、Windows上で動作するPodとコンテナ用のKubernetes APIが多くサポートされました。
- Pod、コンテナ、ログファイルシステムのメトリクス
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runAsUser
セキュリティコンテキスト - Azure diskの
Local persistent volumes
とfstype
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Windows Serverバージョン1803の改善により、次のような新しいストレージ機能が追加されました。
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ConfigMap
とSecret
のボリュームマウント - SMBおよびiSCSIストレージ用のFlexvolumeプラグインが、K8s Storage Plugins から利用可
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