はじめに
こんにちは.
watawatavoltageです.今回は,MATLAB/SIMULINK Advent Calendar 2019への投稿として,12月7日に参加したMathWorks Minidrone Competition at Tokyo 2019についての記事を書きます.
本大会の主催者は,みなさまが日々お世話になっているMATLAB/SIMULINKを販売しているMathWorks社です.
大会内容(MathWorks Minidrone Competition)は,parrot社が販売しているミニドローン「mambo」をMATLAB/SIMULINKから自動制御して,決められたコースを速く正確に飛行するというものです.俗にいうライントレースです.
大会の目的は,実機を自動制御する体験を通して,たくさんの人達にMATLAB/SIMULINKを使ってもらうことです.
この大会は世界中で行われていて,ロボット業界のトップカンファレンスの一つである**IROSで開催されました.2020年には,IFACが運営する21st IFAC World Congress 2020**でも開催が決まっている,ドローンを使ったホットなコンペティションです.
その大会が,今年の12月7日に東京でも行われることになりました.
私が,どのような制御を行ったのかすごく気になるとおもいますが,
本記事では,実際に大会に参加した感想を書いていきたいと思います.
大会会場
大会の会場は東京の秋葉原にある**秋葉原UDX Next Gallery**でした.駅からすごく行きやすかったです.ただ,UDXへは,すぐに行けたのですが,Next Galleryの場所がどこかわからず,少し迷ってしまいました.建物の中をぐるぐる回ってそれはそれで楽しかったですけどね.
Next Galleryの中は,床がカーペットで,きれいなセミナールームでした.部屋の前には,机が配置されていて,部屋のうしろには,ドローンを飛ばすためのケージが用意されていました.
参加していたチームや制御の動向について
参加チームは6チームでした(第一ラウンド応募総数が12チームでそこから第二ラウンドに進めるチームが6チーム).
私は博士後期課程の学生でワンオペでした.
一方で,他のチームは高専生から修士の学生さんで各チーム3人で出場していました.
参加者の皆様は,非常にフレンドリーでした.
出場チームに制御工学を専門にしているチームはなくて,ロボットビジョンベースで制御するチームが多かったです.
ビジョンの部分さえクリアすれば,どれだけ時間がかかっても,ライン追従はできますからね.
あと,MATLAB/SIMULINKを勉強しようとついでに,申し込みしていたチームもいました.
結果,超高速にドローンを飛ばしてやろうとしているチームはなかったです.自分がそうだと信じたい.そして,そうしたかった.
大会本番の動画は以下のURLからアクセスできます.
https://www.youtube.com/watch?v=GK_84UTxbbs
大会の運営サイドについて
大会の運営はすごくスムーズに行われていました.
大会の開始時間及び終了時間ともに定刻どおりきっちりしていた.また,なにかトラブルが起こったとき用に予備の時間を何回か用意していました.実際,ドローンとパソコンとの通信がうまくいかないとか,プログラムのビルドが失敗するとかで,その予備の時間を当てて対処していました.
また,大会自体が参加者ファーストで考えていて,困ったときに手を挙げると,エンジニアスタッフがすぐ駆けつけてサポートしてくれたり,他チームがプログラムのビルドに失敗していたときも,エンジニアスタッフ自らデバック作業をしていました.
コンペティション系は基本的に自己責任なので,プログラムにエラーがでて,競技不可能となっても,スタッフが直接フォローをいれるなんてことはありませんし,ましてや大会運営側に不手際(例えば電波状況が悪いとか)があって機体が動かなくてもスルーされることが多いです(大会終了後にクレームが入ったりすることはありますが).
一方,本大会では,そんなことはありませんでした.いや,そんなことは必ず起きるであろうから,十分に時間を確保しておくといった感じでした.
今まで参加してきたロボットコンテストの中でも,かなり余裕のもった大会だったなと感動しました.
さすが,学会とか各所イベントなど運営慣れしているなと思いました.
大会の片付けと撤収もすごく早かった.
最強のMathWorks社スタッフ陣
当日,MathWorks社のスタッフは10人ほどいて,セールス,エンジニア,マーケティング,教育機関担当者など様々な役職の方々がいらっしゃいました.なので,話す人が変わると,話す内容が変わって非常に面白かったです.またたくさんの情報を吸収できました.以下に例を示します.
- エンジニア :MATLABの応用例など意見交換.ドローンとの通信やノウハウなど.MATLAB芸人.File Exchangeエース
- セールス :MATLABのライセンス関連情報,研究室でのMATLAB普及率
- 教育機関担当:やってほしいMATLABセミナー
エンジニアの方に関しては,ドローンが検出できないとか,プログラムがビルドできない等トラブルが発生したときに,いち早く駆けつけてきて,サポートしてもらいました.問題がすぐ解決できたのも,エンジニアスタッフがすごく優秀だったからというのもあります.あと,すごくやさしい.
あと,練習ラウンドの際,自分の作業風景を動画に収めようとしていたのですが,テンパってしまいました.そのときもスタッフさんが代わりに撮影してくれました.非常にありがたかったです.そのやさしさに感動しました.
スタッフ陣のチームワークも素晴らしかったです.まさに,**ONE TEAM(2019年流行語大賞)**でした.
待遇と豪華な参加賞
昼ごはん
大会当日,昼ごはんは運営側が用意してくれました.近くに,コンビニもあったが,機体のプログラムの調整とかもあったのでぶっちゃけそれどころじゃなかった.昼ごはんが出たことは,非常にうれしかったです.
入賞チームがもらえる盾
大会に3位以内に入賞すると,盾がもらえます.すごくかっこよかった.MathWorks社公式の書面に自分のチームの名前が書いてあることは,非常に誇らしいことだと思いました.自分は入賞しなかったけどw
参加賞
大会では,参加者一人一人に参加賞が用意されていました.Matlabのロゴが入った大きな紙袋を渡されました.紙袋の外観からはやくも感動しました.
中身は以下でした.参加費は無料だったのに,グッズももらえるなんてうれしい.
ポーチ
まずは、ポーチ。スマートフォンがはいるくらいのサイズです。青色がすごくかっこいいですよね pic.twitter.com/GrDk5RTa64
— Wataru Imahayashi (@W_Imahayashi) 2019年12月12日
Tシャツ
つぎは、Tシャツです。Matlabユーザーに刺さります。 pic.twitter.com/DRpv4ip6cK
— Wataru Imahayashi (@W_Imahayashi) 2019年12月12日
ナップサック
つぎは、ナップサック。これに荷物をいれて運べばインスタ映え確定です。 pic.twitter.com/V6eikExuRq
— Wataru Imahayashi (@W_Imahayashi) 2019年12月12日
マグカップ
最後は、マグカップです。めっちゃかっこいいです。これに、コーヒーを入れて、Matlabを使ってると研究が進みそうです。 pic.twitter.com/1VREVGMnWd
— Wataru Imahayashi (@W_Imahayashi) 2019年12月12日
大会全体を通した所感
非常に,有意義な大会でした.大会では負けてしまいましたが,MATLAB/SIMULINKを用いた実機制御,情報交換など積極的にできてよかったです.最後に,当日あったコメントタイムのトピックです.私の見解をまとめます.
良かった点
- 他チームと交流できた.
- 困ったらすぐにスタッフが駆けつけてくれた.
- 参加者ファーストな大会だった.
- MathWorks社のスタッフのみなさんがすごくやさしかった.
- 時間通り終われてよかった.
- 参加賞が豪華だった.
- だれも怪我しなかった(安全対策が徹底されてた).
改善してほしい点
当日のコメントタイムでは,特にないと言いましたが,一つだけありました.
Next Galleryの場所を示す札とかをたててほしかったです.
参加チームを増やすには?
- 正直,第一ラウンドの時点で12チーム参加していたこと自体かなり多いと思いました(だれも参加していないんじゃないかとさえ思った).
- 当日のコメントタイムでも言ったとおり告知を増やすべきだと思います(私も本記事やほかの記事をだして参加者が増えるよう尽力いたします).
- ドローンを動かす事自体かなりハードルが高いと思います.なので,そこのハードルを下げるような活動(例えば学習動画の充実)やドローンではなくて,2輪のライントレースカーにするとかがあります.
- 学会のシンポジウム等の初日に学会会場を借りて,大会を開催する.「学会発表と一緒にドローンの大会にも参加しませんか?」とか.例:私が所属しているSICEの制御部門大会の日程に合わせて大会を開催して,全国から来る研究者の制御則をドローンに実装するとか.研究成果のアピールにも使えます.研究の宣伝効果も期待できます.学会に参加する学生数も多いので,人が集まりやすいかもしれません.
- 大会の開催頻度を増やす.
おわりに
本記事では,MathWorks Minidrone Competition at Tokyo 2019に参加した感想を書きました.非常に長くなってしまいました.
また,別日には,私が実際にコンペティションに出した制御則を別の記事にて紹介したいと思います.本記事への感想,コメント,クレームなどお待ちしています.また,本記事で追加してほしい情報等あれば教えて下さい.よろしくお願いいたします.
追記
- 追加したいことをこの部分に書いていきます(2019年12月18日).
- もっと写真追加したい.