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制御工学関連書籍の世界

Last updated at Posted at 2019-12-21

こんにちは.

watawatavoltageです.この記事では,制御工学関連書籍の世界について書きたいと思います.
この記事は,完成した状態で投稿するのではなく,随時更新していくタイプの記事です.
「はじめに」では,なぜこのような記事を書くのか説明します.
コメント欄で,紹介してほしい書籍を書いていただけたら,随時反映していきますので,よろしくお願いいたします.

#はじめに
みなさんはこんな経験ないでしょうか?

  • この制御の本わからん!!
  • なんでこの数式こうなんねん!!
  • 教授が「〇〇制御探せ」って言ってきたけどどこに書いてあんねん!!
  • あれあの式どこに書いてあったっけ??
  • 輪講におすすめの本ないかな??
  • プログラムから理解したいな~~
  • この本買えばいけるかな~
  • 体系的学びたい

などなど尽きないと思います(箇条書きは随時追加します.コメント欄でも受け付けます).

僕もいつも経験しています.

そこで,次の願望が生まれます.

「疑問点が浮かんだら,さっとこの教科書の何ページを見ればいい」とすぐに答えはでないかな~って

「調べることが大切」や「その能力がないと,,,という考え」,「実はあの先生はそんな能力をもっている」,「本なんか買うな自分で考えろ」とかあるかと思います.

しかしながら,それはそれで難しいのでとりあえず気にしない.それより,数多ある制御工学の教科書を分野ごと,書いてあること書いていないことを正確に分類と整理した地図(制御工学書籍の世界)を書かないといけないと思うのです.

私の経験から言わせてもらうと,制御工学界隈にいる方々はかなり頭がいい方が多いと思います.

なので,そのような地図はいらないという意見もあるかと思いますが,一方で制御初学者や制御カジュアル勢の方々への敷居を低くしてあげるのも重要なことかと思います.

まずは,古典制御,現代制御周りの地図を整備していこうと思います.

#「古典制御・現代制御」関連書籍の世界
まずは,昨今話題のこの本からいきたいと思います.

Pythonによる制御工学入門

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本の内容

古典制御から現代制御の基礎までやさしく網羅的に書かれています.制御初心者にはおすすめです.また,ロバスト制御やデジタル制御といったアドバンストな制御まで取り扱っています.今までの制御の教科書ではMATLABのソースコードとともに学べるものが多かったです.一方,本書では,タイトルにもある通りプログラミング言語の一つであるPythonで制御工学を学べます.あと,かわいい女の子キャラクターを織り交ぜながら制御の説明を行っています.そのような制御工学の書籍は今まで存在しなかったので新鮮です.

watawatavoltageの感想

  • Pythonは,機械学習を中心とした分野で使用している人工が多いプログラミング言語の一つです.いつも機械学習を使っている方々にも制御工学をすぐ使ってもらえます.Pythonは無料で使えるので,MATLABのような有償ソフトウェアを買わなくても,すぐに制御工学のサンプルを試すことができます.
  • 女の子キャラクター(違う),萌えキャラを使った制御工学の説明は今まで見たことがないです.これが,制御工学のハードルを下げる工夫です.
  • 一方で,萌キャラやビジュアルベースの説明を多用した結果,ほかの本よりも制御工学の中身が薄くなっています(割愛している部分が多いです).しかしながら,要点はしっかりと説明しているので,制御工学を理解するには十分です.また,南先生のサイトでは,割愛した部分を明記しており,ほかの書籍ですぐ学べるようガイドしています.南先生自ら制御系Youtuberとして,制御工学の動画を配信しているので,そこからでも学べます.
  • Python×萌キャラ×制御工学の可能性は無限大だとwatawatavoltageは考えている.制御業界の一つのターニングポイントでもあり,この流れをうまく活かせば制御工学を日本中の若者たちに広められる一大チャンスです.watawatavoltageも積極的にこの流れに乗りたいですね.

本書の目次
第1章 制御とは
1.1 身のまわりの制御
1.2 フィードバック制御
1.3 制御工学の役割
1.4 本書の概要

第2章 Pythonの基礎
2.1 Python環境の構築
2.2 Jupyter Notebookの使い方
2.3 Pythonの基礎
2.4 本書で用いるモジュール

第3章 制御のためのモデル
3.1 動的システムの表現
3.2 伝達関数モデル
3.3 状態空間モデル
3.4 ブロック線図

第4章 制御対象の振る舞い
4.1 時間応答
4.2 状態空間モデルの時間応答
4.3 安定性
4.4 極と振る舞いの関係
4.5 周波数応答

第5章 閉ループ系に注目した制御系設計
5.1 閉ループ系の設計仕様
5.2 PID制御
5.3 2自由度制御
5.4 限界感度法によるゲインチューニング
5.5 モデルマッチング法によるゲインチューニング
5.6 状態フィードバック制御

第6章 開ループ系に注目した制御系設計
6.1 開ループ系の設計仕様
6.2 PID制御
6.3 位相進み遅れ補償

第7章 アドバンストな制御系設計
7.1 オブザーバを用いた出力フィードバック制御
7.2 ロバスト制御
7.3 ディジタル実装

付録 数学の補足
A.1 複素数
A.2 ラプラス変換
A.3 行列の固有値と固有ベクトル

次はこの本です

フィードバック制御入門

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本の内容

本書は,古典制御の王道バイブルです.制御初学者から制御を研究する方,企業でPID制御をバリバリ使う方々におすすめです.制御とはなにかについて説明し,フィードバック制御の重要さを説いています.また,様々なダイナミカルシステムの数式ものっていて,制御工学がどんなものに応用できるかイメージが付きやすいです.また,ロバスト制御や2自由度制御といったよりアドバンストな制御ものっていて,すごく参考になる本です.あと,PID制御に用いるゲインチューニングの方法もカバーしています.

watawatavoltageの感想

  • 制御というとフィードバック制御が有名であると思うが,本書ではなぜフィードバック制御にしないといけないか,またフィードフォワード制御だけではだめなのか説明しているところが良いです.制御初心者にすごく寄り添っていると感じました.
  • 制御の基礎の基礎である伝達関数の説明,ブロック線図の書き方や等価変換などがしっかりと書かれています.
  • ロバスト安定性について,例題を用いて説明されているのが良いです.
  • 下手な制御工学のサイトや本をあたるよりも,この本を参考にしたほうが問題がすぐに解決することが多いです.
  • 著者の一人である藤田先生のサイトに本書の章ごとのまとめと演習問題の丁寧な解説がのっています.これを組み合わせると勉強スピードが爆上げできます.

本書の目次
1. 序論
1.1 制御とは
1.2 制御系の標準的構成と制御目的
1.3 フィードバック制御の利点と課題
1.4 本書の構成

2. ダイナミカルシステムの表現
2.1 ダイナミカルシステム
 2.1.1 線形ダイナミカルシステム
 2.1.2 システムの線形化
2.2 伝達関数
2.3 ブロック線図
演習問題

3. ダイナミカルシステムの過渡応答と安定性
3.1 インパルス応答とステップ応答
3.2 1次系の応答
3.3 2次系の応答
3.4 極・零点と過渡応答
 3.4.1 極とインパルス応答
 3.4.2 代表極
 3.4.3 零点の存在する場合
3.5 ダイナミカルシステムの安定性
 3.5.1 安定性
 3.5.2 ラウスの安定判別法
 3.5.3 ラウス法の特別な場合
 3.5.4 フルビッツの安定判別法
演習問題

4. フィードバック制御系の特性
4.1 感度特性
 4.1.1 パラメータの変化に対する感度
 4.1.2 外乱に対する感度
4.2 定常特性
 4.2.1 目標値に対する定常偏差
 4.2.2 外乱に対する定常偏差
4.3 根軌跡
 4.3.1 根軌跡とは
 4.3.2 根軌跡の性質
演習問題

5. 周波数応答
5.1 周波数応答と伝達関数
5.2 ベクトル軌跡
 5.2.1 積分系
 5.2.2 1次系
 5.2.3 2次系
5.3 ボード線図
 5.3.1 積分系
 5.3.2 1次系
 5.3.3 2次系
5.4 ボード線図の性質
 5.4.1 最小位相系におけるゲインと位相
 5.4.2 ボード線図の利点
演習問題

6. フィードバック制御系の安定性
6.1 フィードバック系の内部安定性
6.2 ナイキストの安定判別法
6.3 ゲイン余裕、位相余裕
演習問題

7. フィードバック制御系のロバスト性解析
7.1 不確かさとロバスト性
 7.1.1 モデルの不確かさ
 7.1.2 不確かさの記述
7.2 ロバスト安定性
7.3 制御性能のロバスト性
 7.3.1 ノミナル性能
 7.3.2 ロバスト性能
演習問題

8. フィードバック制御系の設計法
8.1 設計手順と性能評価
 8.1.1 制御系の設計手順
 8.1.2 周波数応答に基づく制御系の性能評価
8.2 PID補償による制御系設計
 8.2.1 PI補償
 8.2.2 PD補償
 8.2.3 PID補償
 8.2.4 PIDチューニング
8.3 位相進みー遅れ補償による制御系設計
 8.3.1 ループ整形
 8.3.2 位相遅れ補償
 8.3.3 位相進み補償
 8.3.4 位相進みー遅れ補償
演習問題

9. 2自由度制御系
9.1 フィードフォワードとフィードバックの役割
9.2 2自由度制御系の構造と設計法
9.3 安定化制御器のパラメータ表現
9.4 H∞制御による自由パラメータの選択
 9.4.1 H∞ノルムと設計仕様
 9.4.2 パラメータの決定
演習問題

付録
A.1 複素数
A.2 ラプラス変換
 A.2.1 ラプラス変換の定義と基本的性質
 A.2.2 基本的な関数のラプラス変換
A.3 逆ラプラス変換

引用・参考文献
演習問題の解答
索引

MATLAB/SIMULINKによるわかりやすい制御工学

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本の内容
本書は,古典制御を中心に説明しています.著者の川田先生が,自身の講義内容や学生実験を行ったときに作った資料をまとめ直して,完成された本です.章の中には必ず制御理論とMATLAB/SIMULINKによる演習がセットで入っています.つまり,まず座学(紙と鉛筆)で制御理論を学んで,次に,実際にプログラミング演習で制御を体験することができます.特に,第5章では,垂直駆動アームを例にとってPID制御について説明しているため,制御工学の理論と実応用が同時に学べます.また,第8章では,現代制御の説明を少し盛り込んでいます.

watawatavoltageの感想

  • 近年,よく見かけるようになった理論とプログラムを両方学べる本の先駆的存在であると思います(違っていたらコメントでお知らせしてください).
  • 制御理論部分とプログラミング部分を分けて書いているため,それぞれのパートごとで勉強しやすいと思います.
  • またSIMULINKの使い方について基礎からレクチャーしてくれているので,SIMULINKで制御を使うユーザーにとってはうれしいと思います.
  • 第8章の現代制御は,ページ数は少ないが,状態空間表現から最適レギュレータを用いたサーボ系の設計まできちんとカバーされています.
  • 付録にMATLABの基本的な使い方をのせていたり,グラフ出力の説明を書いているところが良いです(私はグラフをどうだすかで迷った経験がある).
  • 初学者におすすめの本です.

本書の目次
第1章 はじめに
第2章 動的システムのモデル
第3章 伝達関数の過渡特性と定常特性
第4章 s領域での制御系解析/設計
第5章 s領域での制御系設計(PID制御)
第6章 伝達関数の周波数特性
第7章 周波数領域での制御系解析/設計
第8章 さらに制御工学を学ぶ人のために

制御工学のこころ

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本の内容
本書は,制御工学の入門書です.タイトルにある通り,古典制御理論について説明しています.古典制御理論について説明しているといっても,本記事で取り扱っている他の書籍に比べて,数式の量はかなり省かれています.その代わりに,文章によって,制御理論の奥深さや特徴等を伝えています.理系の専門書では,数式で語るということが,往々にして起こると思いますが,本書では,その逆をいっています.本書のターゲットは主に情報系分野の方々であるが,そうでない人でも楽しめると思います.特に,制御工学を勉強した一度勉強したけど,中身が腑に落ちない等不満を持っている方におすすめです.制御工学で大切なところをふんわり俯瞰的に説明しています.数学をがっつりやりたくないけど,制御工学を知りたい人にも向いている一冊です.

watawatavoltageの感想

  • 個人的に,フィードバック制御系をPDCAサイクルの例えで説明しているところが面白かったですね.
  • 制御工学の発展に貢献した偉人の説明がコラムとして掲載しているのがよいです.
  • 相手に専門的なことを伝えるにはどうすればよいかその一回答例を本書が与えてくれています.
  • 現代制御やアドバンスド制御版はどんな内容になるのか期待ですね.

本書の目次
第1章 制御とは
 1.1 制御の定義
 1.2 制御の始まり
第2章 制御工学へのアプローチ
 2.1 制御の対象
 2.2 ダイナミクス
 2.3 ダイナミクスの例
 2.4 実世界をブロック線図で表す
 2.5 微分方程式は難しそう:ラプラス変換の登場
 2.6 フィードフォワード制御の導入
 2.7 フィードバック制御の登場
 2.8 フィードバック制御の例
第3章 制御工学で利用する数学
 3.1 時間の世界
 3.2 複素数の世界
  3.2.1 直交座標と極座標
  3.2.2 システムの接続
  3.2.3 指数関数と対数関数
 3.3 ラプラス変換
  3.3.1 ラプラス変換を勉強する理由とラプラス変換の定義
  3.3.2 制御工学で用いる基本的な信号とそのラプラス変換
  3.3.3 ラプラス変換の性質
  3.3.4 逆ラプラス変換の計算法:留数計算の秘密
  3.3.5 ラプラス変換を用いた物理の問題の解法
第4章 制御対象のモデリング
 4.1 重ね合わせの理と線形システム
 4.2 時間領域における線形システムの表現
  4.2.1 インパルス応答による表現
  4.2.2 微分方程式による表現
 4.3 ラプラス領域における線形システムの表現:伝達関数
  4.3.1 伝達関数の定義(1)
  4.3.2 伝達関数の定義(2) 
  4.3.3 伝達関数の例
 4.4 基本要素の伝達関数
  4.4.1 比例要素
  4.4.2 微分要素
  4.4.3 積分要素
  4.4.4 1次遅れ要素
  4.4.5 1次進み要素
  4.4.6 2次遅れ要素
  4.4.7 むだ時間要素
 4.5 周波数領域における線形システムの表現:周波数伝達関数
  4.5.1 周波数特性
  4.5.2 周波数伝達関数の定義
  4.5.3 ボード線図
  4.5.4 ナイキスト線図
 4.6 基本要素の周波数伝達関数
  4.6.1 比例要素
  4.6.2 微分要素
  4.6.3 積分要素
  4.6.4 1次遅れ要素
  4.6.5 1次進み要素
  4.6.6 システムの直列接続
  4.6.7 2次遅れ要素
  4.6.8 むだ時間要素
第5章 制御対象と制御システムのアナリシス
 5.1 線形システムの安定性
  5.1.1 安定性の定義
  5.1.2 ラプラス領域における安定判別
 5.2 制御システムの構成
  5.2.1 フィードフォワード制御
  5.2.2 フィードバック制御
  5.2.3 2自由度制御システム
 5.3 フィードバック制御システムの安定性
  5.3.1 フィードバック制御システムの安定判別
  5.3.2 ナイキストの安定判別法
  5.3.3 安定余裕
  5.3.4 安定なフィードバック制御システム
 5.4 フィードバック制御システムの過渡特性
  5.4.1 時間領域における過渡特性
  5.4.2 ラプラス領域における過渡特性
  5.4.3 周波数領域における過渡特性
 5.5 フィードバック制御システムの定常特性
  5.5.1 定常偏差
  5.5.2 目標値に対する定常偏差
  5.5.3 外乱に対する定常偏差
第6章 制御システムのデザイン
 6.1 制御システムデザインのための仕様
  6.1.1 開ループ特性に対する設計仕様
  6.1.2 閉ループ特性に対する設計仕様
 6.2 制御システムデザインの方法
  6.2.1 PID制御の構造
  6.2.2 PIDチューニング
  6.2.3 ループ整形法による制御システム設計
  6.2.4 さまざまな制御対象
 6.3 フィードバック補償:古典制御から現代制御へ
  6.3.1 フィードバック補償
参考文献
おわりに
索引

高校数学でマスターする制御工学

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本の内容
本書は,主に古典制御理論について説明した専門書で,内容の説明にパート分けが行われているところが特徴的です.ほかの専門書だと,ある章の中で,中身の説明と使う数式の説明と難しい式変形といった内容がてんこ盛りとなっているケースが多い一方で,本書は,パートに分けることで,段階的に制御工学を理解してもらえる工夫をしています.
具体的には,
1.「わかる」
2.「ナットク」
3.「役立つ」
と3つのパートわけが行われており,1では文章と少量の数式による制御工学の説明,2では1で用いた数式の証明や導出等,3では,本書で学んだ制御工学をプログラミング等で利用する,といった内容で進んでいきます.このような構成にすると,学生の理解度に合わせて,学習すべきパートを指定できるので,より学びたい学生には,「ナットク」パートを,最低限の理解だけしたい学生には,「わかる」パートのみと指導の方法を分けることができます.高校の数学だけで制御工学を説明してほしい学生におすすめの一冊だといえます.

watawatavoltageの感想

  • 「わかる」パートに使われている文章の中身がかなり実対象かつ身近な例が多いです.これとあと絵や図的な説明が加われば,最強のコンテンツになると思います.
  • 「ナットク」パートは,高校の数学ベースで書かれているので,理解しやすいですね.
  • 「役立つ」パートは個人的になくてもよいのかなとも思いました.その一方で,上記でも書いた絵や図的な説明を追加していくとよいと思いました.

本書の目次
PartI【わかる編】
1. 制御とはなにかを「わかる」
 1.1 制御とは
 1.2 制御技術者の仕事
 1.3 自動車の運転と制御
 1.4 制御の目的
 1.5 制御系設計とは
  1.5.1 制御仕様の決定
  1.5.2 ブロック線図による制御対象と制御器のつながりの図的表現
  1.5.3 制御対象の把握とモデル化
  1.5.4 制御器の設計
  1.5.5 制御仕様の実験による検証
2. 制御システムの解析を「わかる」
 2.1 システムとは
  2.1.1 静的システム
  2.1.2 動的システム
 2.2 システムをわかりやすい図で表現するブロック線図
  2.2.1 ブロック線図とは
  2.2.2 ブロック線図を書くときのルール
  2.2.3 ブロック線図から伝達関数を求める手順
  2.2.4 2自由度制御系のフィードバック制御とフィードフォワード制御と制御性能
 2.3 ラプラス変換によるシステム解析
  2.3.1 ラプラス変換とは
  2.3.2 微分がかけ算に置き換わる
  2.3.3 微分方程式から伝達関数を求める
  2.3.4 制御工学でよく扱う関数のラプラス変換
  2.3.5 微分方程式を解く
  2.3.6 極による安定性・速応性・最終値の解析
  2.3.7 制御対象に対する仮定
  2.3.8 周波数特性によるシステム解析
  2.3.9 安定解析
3. 制御対象の把握を「わかる」
 3.1 モデル化とは
 3.2 代表的なシステムの性質
  3.2.1 比例要素
  3.2.2 微分要素
  3.2.3 積分要素
  3.2.4 一次遅れ系
  3.2.5 二次遅れ系
  3.2.6 零点をもつ要素
  3.2.7 むだ時間要素
4. 制御器の設計を「わかる」
 4.1 制御系の性能を表す制御仕様とは
  4.1.1 ステップ応答でわかる制御仕様
  4.1.2 ボード線図でわかる制御仕様
 4.2 制御仕様を満足させる制御器を設計するには
  4.2.1 目標値応答特性を良くする2自由度制御
  4.2.2 定常特性を良くする内部モデル原理
 4.3 最も広く使われているPID制御とは
  4.3.1 P制御
  4.3.2 PI制御と位相遅れ補償
  4.3.3 PD制御と位相進み補償
  4.3.4 PID制御と位相進み遅れ補償
  4.3.5 PID制御の目標値応答特性の改善策
 4.4 PID制御を設計するには
  4.4.1 試行錯誤による調整
  4.4.2 限界感度法
  4.4.3 内部モデル制御(ラムダチューニング)
  4.4.4 極配置法(部分的モデルマッチング)
  4.4.5 ループ整形
PartII【ナットク編】
5. 【わかる編】を理論的裏付けして「ナットク」する
 5.1 高校の数学とその応用を「ナットク」する
  5.1.1 アークタンジェント(θ=tan^-1(b/a))のaとbの符号とθの範囲
  5.1.2 log_10 x^a = a log_10 xの証明
  5.1.3 log_10 xy = log_10 x + log_10 yの証明
  5.1.4 lim(i→∞) (x^i/i!) = 0の証明
  5.1.5 テイラー展開
  5.1.6 オイラーの公式e^jθ = cos(θ) + j sin(θ)の証明
 5.2 2章の制御システムの解析を「ナットク」する
  5.2.1 ブロック線図のフィードバック接続の公式の証明
  5.2.2 閉ループ系の伝達関数G_yr,S,Tがすべて同じ特性方程式をもつことの証明
  5.2.3 ラプラス変換の公式の証明
  5.2.4 さまざまな関数のラプラス変換の証明
  5.2.5 部分分数展開で便利な留数定理の証明
  5.2.6 極による安定判別がn重解の極でも成り立つことの証明
  5.2.7 複素数の極が複素共役の対をなすことの証明
  5.2.8 定数×信号または定数×信号の時間微分の項だけをもつ微分方程式で表されるシステムが線形時不変系であることの証明
  5.2.9 G(s)からゲインKと位相φを求める公式の証明
  5.2.10 G(-jω) = G(jω)の証明
  5.2.11 ラウス・フルビッツの安定判別の証明
  5.2.12 ナイキストの安定判別の証明
 5.3 3章の制御対象の把握を「ナットク」する
  5.3.1 微分要素sと積分要素1/sのボード線図の折れ線近似の作図
  5.3.2 一次遅れ系
  5.3.3 二次遅れ系
  5.3.4 零点の性質の証明
  5.3.5 むだ時間要素のボード線図の性質の証明
 5.4 4章の制御器の設計を「ナットク」する
  5.4.1 2自由度制御
  5.4.2 内部モデル原理の証明
  5.4.3 PID制御
  5.4.4 PID制御の設計
PartIII【役立つ編】
6. MATLABを活用した制御系設計を行って「役立つ」
 6.1 MATLABとは
 6.2 制御対象を把握しよう
  6.2.1 物理法則でモデル化しよう
  6.2.2 ステップ応答で制御対象を把握しよう
  6.2.3 ボード線図で制御対象を把握しよう
 6.3 PID制御を設計しよう
  6.3.1 積分項と微分項の役割を確かめよう
  6.3.2 極配置法による伝達関数を利用したPID制御器を設計しよう
  6.3.3 ループ整形によるボード線図を利用したPID制御器を設計しよう

引用・参考文献
索引

MATLAB/Simulinkによる現代制御入門

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本の内容
本書は川田先生によって書かれました.本書は上で説明したMATLAB/SIMULINKによるわかりやすい制御工学の続編にあたります.その本の第8章に現代制御の説明が書かれていたが,1章分だけなので,現代制御の効用をざっと説明するのにとどまっていました.本書では,システムの状態空間表現から最適レギュレータを用いた制御まで,8章分説明しています.また,制御理論とMATLABによるプログラミング演習を組み合わせた学習は健在であり,前書と同じ流れが勉強できます.さらに,第9章では,線形行列不等式(Linear Matrix Inquality: LMI)を用いた制御系設計について説明されています.

watawatavoltageの感想

  • プログラミングの部分が色付けされているので,前書よりも見やすくなっている.
  • 現代制御をMATLABでプログラミングして学ぶ本は実は少ないので,かなり重宝すると思います(私が知らないだけかもしれません).
  • 第9章にLMIを用いた制御系設計について書いてあるのがうれしいです.最終章にアドバンストな制御を説明して学生が制御に興味を持つようにしている工夫なのかもしれないです(全くの憶測です).
  • 上記の憶測に加えて,著者が同じなので実は「MATLAB/SIMULINKによるわかりやすい制御工学→MATLAB/SIMULIKによる現代制御入門→倒立振子による制御工学」の三部構成だったりして.これらの本が私の手元に集まっていることに感激です(なんのことやら).

本書の目次
第1章 古典制御理論から現代制御理論へ
第2章 システムの状態空間表現
第3章 線形システムの時間応答
第4章 状態フィードバックによる制御
第5章 サーボシステムの設計
第6章 オブザーバと出力フィードバック
第7章 リアプノフの安定性理論
第8章 最適レギュレータ
第9章 LMIに基づくコントローラ設計

はじめての現代制御理論

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本の内容
タイトル通り,現代制御理論を学べる一冊です.現代制御で用いる線形代数等の説明から始まっているので,線形代数を知らなくてもこの一冊から初められます.まさに入門書といえます.また,現代制御理論の教科書にありがちな定理の証明等は極力省かれていて,代わりに,数値例を用いた具体的な計算にページが割かれています.計算過程も追いやすく,実際に自分で計算しながら,本を読み進められるので,達成感も得られます.一方で,ロバスト制御やデジタル制御といったアドバンスな制御法はのっていないため,そのような制御方法を勉強したい場合は他書を購入することをお勧めします.また,現代制御理論の数学的な美しさを追求したい方々も別の書籍で勉強すると良いでしょう.

watawatavoltageの感想

  • やはり,具体的な計算が多いところが良いと思います.制御工学は抽象的だと言われることが多いので.
  • 本書は,1章,2章といったナンバリングではなくて,講義01,講義02といった講義形式でまとめられていて,さらにそれが講義14まで続きます.この14という数字は大切で,大学の講義は学期毎に15回構成であることが多いです.よって,まず14回分を本書に沿って説明していって,最後の一回を試験にすれば,それだけで,一つの授業として成立します.制御工学を教えている教員は歓喜だと思います.
  • この教科書で授業を実施する仮定で考えると,実対象を用いた例題等が授業内で紹介されると,学生の満足度もあがると思います.

本書の目次

目次
まえがき
講義01 現代制御とは ~状態空間表現の基礎~
1.1 制御とは
1.2 動的システム
1.3 伝達関数表現の特徴
1.4 連立方程式の行列・ベクトル表現
1.5 状態空間表現の基礎
1.6 線形システムと非線形システム
1.7 現代制御とは

講義02 状態空間表現
2.1 直流モータの状態空間表現
2.2 マス・ばね・ダンパシステムの状態空間表現
2.3 2階微分方程式で表されるシステムの状態空間表現
2.4 3階微分方程式で表されるシステムの状態空間表現
2.5 状態空間表現の特徴

講義03 行列とベクトルの基本事項
3.1 行列とベクトル
3.2 ベクトルの内積とノルム
3.3 行列の余因子と行列式
3.4 逆行列
3.5 行列の固有値
3.6 行列の対角化
3.7 行列の階数
3.8 対称行列と正定行列
3.9 ベクトルのラプラス変換

講義04 状態空間表現と伝達関数表現の関係
4.1 伝達関数表現から状態空間表現への変換
4.2 状態空間表現から伝達関数表現への変換
4.3 伝達関数表現と状態空間表現の特徴

講義05 状態変数線図と状態変数変換
5.1 状態変数線図
5.2 状態変数変換
5.3 さまざまなシステムの状態変数線図

講義06 状態方程式の自由応答
6.1 自由システムの応答
6.2 自由応答のモード展開

講義07 システムの応答 ~状態方程式の解~
7.1 状態空間表現の解
7.2 状態方程式の解の性質

講義08 システムの応答と安定性
8.1 自由システムの漸近安定性
8.2 安定性の分類
8.3 有界入力有界出力安定性

講義09 状態フィードバックと極配置
9.1 状態フィードバック制御による安定化法
9.2 速応性の改善と極配置
9.3 状態フィードバック制御系が構成できない例

講義10 システムの可制御性と可観測性
10.1 線形システムの構造
10.2 線形システムの可制御性・可観測性
10.3 双対なシステム

講義11 オブザーバの設計
11.1 オブザーバとは
11.2 オブザーバの構成
11.3 オブザーバによる状態推定

講義12 状態フィードバック制御とオブザーバの併合システムの設計
12.1 オブザーバを用いた状態フィードバック制御系の構成
12.2 併合システムにおける制御性能の比較
12.3 併合システムの特性の解析

講義13 サーボ系の設計
13.1 状態フィードバック制御と定値外乱
13.2 定値外乱の影響を抑制する制御
13.3 サーボ系の構成

講義14 最適制御
14.1 時間応答と入力の大きさ
14.2 評価関数による制御性能と入力の評価
14.3 評価関数を最小にする最適制御則
14.4 折り返し法による最適レギュレータの設計

付録 3 次元正方行列の余因子
参考文献
演習問題の解答
索引

線形システム制御入門

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本の内容
現代制御理論の王道的な教科書です.現代制御理論の説明が過不足なく入っています.数値例をはじめとした具体的な計算はあまりないですが,一般式を用いた式計算が豊富です.また,章のタイトルが面白く,読者に問いを投げかけるような構成となっている(「いつ安定化できるのか」,「センサが足りないが大丈夫か」)ため,そもそも制御でやりたいことを念頭に入れつつ,本書を読み進めることができます.

watawatavoltageの感想

  • 本書は,現代制御理論の教科書ですが,制御理論でもなかなかマニアックなところを説明している箇所がいくつかあります.例えば,「状態空間の直列結合」,「特異値分解」,「最小実現」,「平衡実現」などです.これらが,研究活動に役立った経験があります.
  • やはり,章のタイトルの部分の説明が好きですね.
  • 非線形モデリング等も説明があるのでありがたい.

本書の目次
1. 物理法則から状態方程式を導く
 1.1 状態空間表現の導出例
  1.1.1 ペースメーカ
  1.1.2 教室のドア
  1.1.3 直流モータ
 1.2 状態空間表現へのモデリング
 1.3 状態空間表現の座標変換
 1.4 状態空間表現の直列結合
 演習問題

2. 状態方程式から安定性を調べる
 2.1 1次系の時間応答と安定性
  2.1.1 時間応答の表現式
  2.1.2 零入力応答
  2.1.3 ステップ応答とインパルス応答
 2.2 時間応答
  2.2.1 行列指数関数
  2.2.2 2次系の零入力応答
  2.2.3 線形時不変系の漸近安定性
 2.3 リャプノフ安定性
  2.3.1 安定性の意味
  2.3.2 リャプノフ安定定理
  2.3.3 正定行列
  2.3.4 リャプノフ方程式
 2.4 離散化の方法
 演習問題

3. いつ安定化できるのか
 3.1 1次系に対する状態フィードバック
 3.2 可安定性と可制御性
 3.3 固有値設定問題
 3.4 可安定性の判定法
 3.5 補遺:特異値分解と階段化アルゴリズム
 演習問題

4. センサが足りないが大丈夫か
 4.1 状態オブザーバの必要性
 4.2 可検出性と可観測性
 4.3 状態オブザーバの低次元化
 4.4 オブザーバベースコントローラ
 演習問題

5. 安定化を適切に行う
 5.1 1次系を適切に安定化する
 5.2 状態フィードバックのLQ設計
  5.2.1 基礎定理
  5.2.2 リッカチ方程式の解法
 5.3 オブザーバベースコントローラのLQ設計
 演習問題

6. 定値外乱の影響を抑制する
 6.1 1次系における定値外乱の影響を抑制する
  6.1.1 定値外乱の影響
  6.1.2 積分動作を加える
  6.1.3 設定値を変更する
 6.2 積分型コントローラ
  6.2.1 積分動作を加えた状態フィードバック
  6.2.2 積分動作を加えたオブザーバベースコントローラ
 6.3 LQI設計
 演習問題

7. 非線形の運動方程式から始める
 7.1 非線形系のモデリングの例
 7.2 非線形系に対する線形制御の適用
 演習問題

8. 伝達関数から状態空間表現を導く
 8.1 実現問題
 8.2 最小実現
  8.2.1 正準分解
  8.2.2 最小実現の特徴付け
  8.2.3 極零相殺
 8.3 平衡実現
 演習問題

引用・参考文献
演習問題の解答
索引

線形システム制御理論

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本の内容
本書は,現代制御を中心とした教科書です.はじめに制御の歴史について紹介して,その後にシステムの数学モデルについて説明しています.
数学の基礎的事項を抑えたあとに,現代制御理論の内容を説明しています.他の本と比べて,数式の意味や式の展開などが丁寧に説明されていて,すごく参考になります.また,章のはじめには,理系分野で活躍した偉人や制御分野の偉人の名言が紹介されているところが特徴です.さらに,本文中に人名が出てきたときには,その人の肖像画が載せられているので,「この人が考えた方法なのかとなります.」補足説明がたくさんのっていて,制御人物マニアの方々にはうれしい書籍です.

watawatavoltageの感想

  • 私は補足説明がたくさんのっていたり,偉人をフィーチャーしている専門書は好きです.
  • 計算がきちんと書かれている.
  • 式の意味とか位置付けがきちんと書かれている.その一方で,本書の説明は難しい気がするので,ほかの本と併用して学習するといいかもしれません.

本書の目次
第1章 序論
第2章 動的システムの数学モデル
第3章 ベクトルとマトリクスの演算
第4章 システム状態方程式の解
第5章 システムの安定性
第6章 可制御性と可観測性
第7章 レギュレータとオブザーバ
第8章 最適制御

現代制御論

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本の内容
本書は現代制御を中心として書かれている本です.また,ロバスト制御を説明した章も入っているところが特徴的です.The制御工学の教科書であり,かっちり学びたい人におすすめです.

watawatavoltageの感想

  • 説明がきっちりとしているので,数学的な厳密さを求める人にはおすすめの一冊です.
  • ロバスト制御を説明している章では,ロバスト制御の意義やモデル誤差等の説明が簡略化されているので,その点については,別の本を読んだほうがよさそうです.
  • 制御の初心者は,別のやさしく書かれている本を参考にしたほうが良いです.

本書の目次
1. 現代制御論序説

2. 状態方程式
 2.1 状態変数とシステムの状態方程式表現
 2.2 状態方程式の解
 2.3 遷移行列の算出
 2.4 伝達関数と状態方程式
 2.5 非線形システム,時変システム,および離散時間システム
 演習問題
 付録A:数学的準備

3. 可制御性と可観測性
 3.1 可制御性
 3.2 可観測性
 3.3 同値変換
 3.4 正準分解
 3.5 時変システム
 演習問題

4. 伝達関数行列と状態方程式表現
 4.1 伝達関数行列
 4.2 実現問題
 4.3 最小実現
 4.4 最小実現のアルゴリズム
 演習問題

5. 安定性
 5.1 線形システムの安定性
 5.2 フルビッツの安定条件
 5.3 リヤプノフの安定性理論
 5.4 線形システムに対するリヤプノフの安定定理
 5.5 安定性と可観測性
 演習問題
 付録B:フルビッツの安定条件の証明

6. 極配置
 6.1 状態フィードバックによる極配置問題
 6.2 状態フィードバックによる1入力システムの極配置
 6.3 状態フィードバックによる多入力システムの極配置
 演習問題

7. オブザーバ
 7.1 状態オブザーバの定義
 7.2 同一次元状態オブザーバ
 7.3 最小次元状態オブザーバ
 7.4 線形関数オブザーバ
 7.5 状態フィードバック則とオブザーバの結合
 演習問題

8. 最適制御
 8.1 最適制御問題
 8.2 動的計画法
 8.3 最適レギュレータ
 8.4 最小原理
 演習問題

9. H∞最適制御
 9.1 H∞ノルムの定義
 9.2 H∞標準問題
 9.3 H∞ノルムとリカッチ代数方程式
 9.4 状態フィードバックによるH∞制御問題の解
 9.5 出力フィードバックによるH∞制御問題の解
 演習問題
 付録C:小ゲイン定理および補題9.3,定理9.2の証明

参考文献
演習問題略解
索引

システム制御工学演習

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本の内容
本書は,タイトルにもある通り制御工学の演習問題が書かれています.古典制御と現代制御どちらも学ぶことができます.制御の基礎を「フィードバック制御入門」や「線形システム制御入門」で学んでから,この本を手に取ると良いでしょう.

watawatavoltageの感想

  • 演習問題で自分がどれだけ制御を理解しているかわかる.一日ほどかけて,本書の演習問題をはじめから最後まで解いてみるとよいでしょう.
  • 古典制御と現代制御をまとめて扱っているので,これ一冊でかなり学べます.
  • ところどころMATLABのプログラムが書いています.
  • 制御の例題を探すのにすごく便利です.

本書の目次
【第 I 部 古典制御】

  1. 古典制御の準備事項
    1.1 複素数
    1.2 ラプラス変換
     1.2.1 ラプラス変換の定義と基本的性質
     1.2.2 基本的な関数のラプラス変換
    1.3 逆ラプラス変換
    1.4 MATLAB による数値計算のための関数

  2. 伝達関数とブロック線図
    2.1 ダイナミカルシステムの表現
    2.2 ブロック線図の簡単化

  3. 時間応答
    3.1 伝達関数と時間応答
     3.1.1 1次系の応答
     3.1.2 2次系の応答
     3.1.3 高次系および零点のある場合の応答
    3.2 ダイナミカルシステムの安定判別
     3.2.1 ラウスの安定判別法
     3.2.2 フルビッツの安定判別法

  4. フィードバック特性
    4.1 感度および定常特性
    4.2 根軌跡

  5. 周波数応答
    5.1 周波数応答と伝達関数
    5.2 ボード線図

  6. フィードバック制御系の安定性
    6.1 内部安定性
    6.2 ナイキストの安定判別法
     6.2.1 基本的な考え方と判別法
     6.2.2 虚軸上に極がある場合への対処法
     6.2.3 簡単化されたナイキストの安定判別法
    6.3 ゲイン余裕と位相余裕

  7. フィードバック制御系の設計法
    7.1 PID補償による制御系の設計
     7.1.1 PI 補償
     7.1.2 PD補償
     7.1.3 PID補償
    7.2 位相進み-遅れ補償
     7.2.1 位相遅れ補償
     7.2.2 位相進み補償
     7.2.3 位相進み-遅れ補償
    7.3 目標値応答の改善
     7.3.1 二重フィードバック補償
     7.3.2 フィードフォワード補償の付加

【第 II 部 現代制御】
8. 状態空間表現
8.1 状態空間表現の導出とブロック線図
8.2 状態空間表現の座標変換と直列結合

  1. 安定性と時間応答
    9.1 漸近安定性
    9.2 時間応答

  2. 状態フィードバックと可制御性
    10.1 状態フィードバック
    10.2 可制御性と可安定性

  3. 状態オブザーバと可観測性
    11.1 状態オブザーバ
    11.2 可観測性と可検出性
    11.3 状態オブザーバの低次元化.

  4. LQG制御
    12.1 状態フィードバックの最適設計
    12.2 オブザーバベースト・コントローラの最適設計

  5. LQI制御
    13.1 定値外乱除去と定値目標追従
    13.2 積分動作を持つ状態フィードバックの最適設計 .

  6. 非線形システムの線形制御
    14.1 非線形システムのモデリングの例
    14.2 非線形システムに対する線形制御の適用

  7. 最小実現問題
    15.1 実現問題
    15.2 最小実現

演習問題の解答

演習で学ぶ現代制御理論

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本の内容
本書は,現代制御理論を演習で学べる本です.なので数式の証明はほとんどありません.古典制御はのっていないです.制御器設計のパートでは,アッカーマン法による極配置や有本・ポッターの方法などが演習を通して学べます.

watawatavoltageの感想
- ほかの書籍に比べ,基礎的な演習問題がしっかり詰まっています.演習問題を通して,理論を学ぶ(具体的な内容から抽象的な内容)ことは大切なので,そういう意味で重宝します.
- ほかの制御工学の書籍と比べ,本書はかなりうすめなので,気軽に寄り組むことができると思います.
- ところどころ線形代数の復習が入るので,制御工学と線形代数を両方学べます.
- 現代制御におけるいろんな設計法を演習を通して学べるところがおもしろい.他の書籍だと,少し紹介しているか,そもそも紹介していないパターンが多いが本書は違います.また,それらの設計法の比較を演習問題として採用しているところが良いです.アクティブ・ラーニングにもおすすめです.

本書の目次
第1章 システムを状態方程式で記述する
第2章 システムの応答と安定性
第3章 可制御性
第4章 可観測性
第5章 極配置法
第6章 最適レギュレータ
第7章 折返し法
第8章 サーボ系
第9章 状態観測器

#「アドバンストな制御」関連書籍の世界
このセクションでは,より,アドバンストな制御の書籍を紹介したいと思います.

実践ロバスト制御

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本の内容
本書はタイトルにある通りロバスト制御を実践的に学べる本です.まず,ロバスト制御の位置付けを簡単に説明しておきます.制御の分野では,まず古典制御を学ぶでしょう.古典制御では,ボード線図やナイキスト線図といったシステムの周波数応答に基づいて制御器を試行錯誤的に決めます.制御対象の次数が大きくなったり,多入出力系となると古典制御では対処が難しいので,現代制御理論でこれらの問題を解決します.しかしながら,現代制御理論では,制御対象の正確なモデルが必要です.実際の制御対象とモデルの間には,モデル誤差が存在し,モデルに基づいて設計した制御器では,制御結果に悪影響を及ぼします.制御対象が不安定化するかもしれません.ロバスト制御では,制御対象を公称モデル(おおまかなモデル)+モデル誤差として表現して,それらのシステムに対して,制御器を設計します.よって,モデル誤差があっても安定化できます.本書では,ロバスト制御の考え方,モデル誤差がついた制御対象の表現方法,ロバスト安定化問題を説明をしています.その後,実際の設計手順を実応用例を交えながらMATLABを用いたプログラミングを通して学びます.また,ロバスト制御の限界や実機への制御器実装(デジタル制御器)についても説明しています.

watawatavoltageの感想

  • この一冊でロバスト制御のほとんどが学べると思います.
  • 試してみたいだけなら,4章の制御器をMATLABでプログラムで十分です.4章だけでもロバスト制御が強力であることを実践できます.
  • ロバスト制御の理論と実践パート(MATLABによるプログラミング)がバランスよく配置されていて,まさに「実践ロバスト制御」です.
  • ハードディスクドライブの制御例ものっているところが良いです.ロバスト制御のシナリオがよく理解できる例であるとwatawatavoltageは思います.
  • MATLABのプログラムがのっているので,初心者でも学びやすいと思います.さらにサンプルコードは,本書のホームページからダウンロードできます.
  • まだまだあると思うが,思いついたら書きます.

本書の目次
1. ロバスト制御のシナリオ
1.1 ロバスト制御とは
1.2 フィードバック制御系
1.3 モデル化誤差とロバスト性
1.4 摂動の種類とロバスト制御の代表的な方法
 1.4.1 構造的摂動と非構造的摂動
 1.4.2 H∞制御とμ設計法
1.5 ロバスト制御系設計のためのソフトウェア
演習問題

2. H∞制御理論
2.1 問題設定および定式化
2.2 一般化プラント
2.3 標準H∞制御問題
2.4 H∞制御問題の解法
2.5 MATLABによるH∞制御器設計
演習問題

3. 不確かさの表現とロバスト安定化
3.1 乗法的摂動と加法的摂動
 3.1.1 乗法的摂動
 3.1.2 加法的摂動
 3.1.3 乗法的摂動と加法的摂動の見積もり
3.2 ロバスト安定化問題
 3.2.1 スモールゲイン定理
 3.2.2 乗法的摂動に対するロバスト安定化
 3.2.3 加法的摂動に対するロバスト安定化
 3.2.4 ロバスト安定化条件の意味
演習問題

4. H∞制御系設計
4.1 混合感度問題
4.2 2自由度振動系に対する設計例
 4.2.1 摂動を持つ制御対象の定義
 4.2.2 乗法的摂動の見積もりと重み関数
 4.2.3 感度関数に対する重みとH∞制御器の計算
 4.2.4 閉ループ特性の評価
4.3 修正混合感度問題
 4.3.1 混合感度問題の問題点と解決方法
 4.3.2 一般化プラントの構成
4.4 2自由度制御による目標値応答の改善
演習問題

5. ハードディスクドライブのH∞制御
5.1 制御対象
5.2 修正混合感度問題による設計
 5.2.1 設計I
 5.2.2 設計II(WPSの変更)
 5.2.3 設計III(WTの変更)
5.3 安定余裕を考慮した設計
 5.3.1 はじめに
 5.3.2 安定余裕と円条件
 5.3.3 設計IV(設計例)
5.4 制御器の実装
 5.4.1 最適解と準最適解
 5.4.2 制御器の離散化
 5.4.3 制御器実装と演算量の低減
演習問題

6. μ設計法
6.1 構造化特異値μ
6.2 パラメータ摂動のLFT表現
6.3 構造的摂動に対するロバスト安定化
6.4 ロバスト性能とμ
6.5 D-Kイタレーションによるμ設計
6.6 設計例
 6.6.1 はじめに
 6.6.2 3慣性系ベンチマーク問題
 6.6.3 問題設定
 6.6.4 設計I(非構造的摂動+ロバスト性能)
 6.6.5 設計II(構造的摂動+ロバスト性能)
 6.6.6 設計III(実数の構造的摂動+ロバスト性能)

付録A. 線形システムの基礎
A.1 システムの表現
 A.1.1 線形時不変システム
 A.1.2 伝達関数
 A.1.3 状態空間実現
 A.1.4 伝達関数と状態空間実現の関係
A.2 システムの解析
 A.2.1 安定性
 A.2.2 可制御性
 A.2.3 可観測性
 A.2.4 多入出力システムの零点
A.3 基本的なフィードバック制御系
 A.3.1 フィードバック制御系の適切さ
 A.3.2 内部安定性

付録B. 線形分数変換
B.1 準備
B.2 上側線形分数変換(upperLFT)
B.3 下側線形分数変換(lowerLFT)
B.4 LFTの表現自由度

引用・参考文献
演習問題の解答
あとがき
索引

システム制御Ⅱ

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本の内容
本書は,主に現代制御理論を説明しています.では,なぜ現代制御理論書籍の世界に入っていないのか.それは,最適制御(非線形)やロバスト安定性といったアドバンストな制御がのっているからである.現代制御理論を扱っているほかの書籍では,このようなトピックは扱っていない(全部を確認したわけではない).定理証明が丁寧に書いてあることが特徴的です.

watawatavoltageの感想

  • 著者のNote部分が読んでいておもしろいです.はっと驚かされることもあります.
  • 最適制御やロバスト安定性の話はかなりマニアックなところまでのっていて,タイトルまとめすぎと言いたいところです.
  • 本書B5サイズなので,ほかの本に比べ大きいです.それくらい内容が充実しているということでもあります.
  • 最適制御の部分はしっかり読み込みたいです.
  • ロバスト制御と最適制御(非線形)が同居している本はみたことがなかったので感激です.

本書の目次
1章 序論
2章 状態方程式
3章 可制御性と可観測性
4章 線形システムの実現
5章 安定性
6章 極配置 
7章 オブザーバ
8章 最適制御
9章 ロバスト制御
10章 実装
付録 行列とベクトルの演算
演習問題の略解

#「実応用例から学ぶ制御」関連書籍の世界
このセクションでは,実応用例をフィーチャーし,そこから制御工学を学べる書籍を紹介したいと思います.

倒立振子で学ぶ制御工学

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本の内容

本書はタイトルにもある通り,倒立振子という実応用例を用いて制御工学を学べます.数多ある実応用例のうちなぜ倒立振子に着目したかというと,本書にも触れているのですが,まず不安定なシステムであり,フィードバック制御の効用を確認できることが挙げられます.また,簡単に実機を作成することができます.あと古典制御や現代制御を適用する題材として倒立振子は優秀です.本書の中身では,まず倒立振子を構築する際に必要となる機械部品やセンサやアンプなどの紹介がなされており,どのような構成となっているかがわかります.そこからは,ひたすら制御の説明になっています.制御のパートでは,基礎編でPID制御,現代制御,モデリング,パラメータ同定を学べます.また,設計した制御則をコンピュータに実装するときに必要な離散化についても学ぶことができます.発展編では,線形行列不等式(Linear Matrix Inequality; LMI)を使ったアドバンストな制御系設計から,離散化した制御器で連続時間系を制御するサンプル値制御,最後には倒立振子の振り上げからの安定化制御が可能となる非線形制御が学べます.

watawatavoltageの感想

  • 倒立振子を制御したい方々におすすめの一冊です.はじめから最後まで倒立振子倒立振子していて,とにかく倒立振子を動かしたい人はこの本を買えば問題ないでしょう.
  • 倒立振子のモデリング(線形近似を含む)からパラメータ同定,制御まで書いているので制御系設計の手順を一通り学ぶ事ができる.
  • 線形行列不等式,サンプル値制御,非線形制御といったアドバンストな制御をこの一冊で学べるのはすごく貴重です.さらに説明がわかりやすい点も素晴らしい.上の3つの制御を同時に紹介している本はないでしょう(もしかしたらあるかも).
  • 線形行列不等式の基礎を学びたい人には,おすすめの本だと思います.1から10まで線形行列不等式の制御を扱った本(例えば,LMIによるシステム制御行列不等式アプローチによる制御系設計)はありますが,とりあえず軽い気持ちで使うレベルなら本書が良いです.
  • 現代制御の中身は豊富で十分な説明がなされているが,古典制御に関しては,フィードバック制御がどうとかブロック線図がどうとか制御系の解析がどうとかは説明されていなくて,いきなりPID制御の説明から入っている.古典制御でわからないことが出てきたら,上であげたフィードバック制御入門で基礎を学んでから本書の古典制御部分を学ぶことをおすすめします.
  • MATLAB/SIMULINKのプログラムが本書のサポートページにアップロードされており,また,線形行列不等式を使う上で必要なソフトウェア類もこのサポートページからダウンロードできます.このようにサポートも充実しているところが素晴らしいです.
  • あと,本書のベースはシステム制御情報学会誌の解説記事です.なので,それらの記事をあたってみるのも楽しいと思います.
  • 線形行列不等式の部分について,解説しているサイトとかは少ないような気がするので,またqiitaにて記事をアップしたいと思います.

本書の目次

第I部 基礎編
第1章 倒立振子の概要と制御系設計の流れ
第2章 台車位置のPID制御
第3章 物理法則に基づくモデリングとパラメータ同定
第4章 システムの状態空間表現と安定性
第5章 可制御性と状態フィードバック
第6章 内部モデル原理とサーボ系
第7章 可観測性とオブザーバ
第8章 コントローラの実装―離散化

第II部 発展編
第1章 LMIと制御
第2章 ディジタル制御
第3章 非線形制御

システム動力学と振動制御

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本の内容
本書は,建物をはじめとする構造物に対して,如何にして制御理論を適用するかを説いた専門書です.「建物に制御?」と思ってしまうかもしれませんが,建物の振動を速やかに抑制するために制御理論が使われます.本書では,建物に制御理論を適用するのに必要な知識や技術等を教示してくれます.まず,簡単にラプラス変換を説明し,その後,振動体の動力学について解説しています.振動にも「自由振動」や「強制振動」などいくつかバリエーションがあるが,それらを網羅的に説明しています.また,1自由度振動から,2自由度振動,そして,それらを一般化した多自由度振動まで説明しています.さらに,弦の振動といった連続体まで扱っています.上記を説明した後,制御工学を構造物に適用しています.主に現代制御理論を用いた設計法を用いています.また,アドバンスドな制御として,ロバスト制御を用いた制御器設計法についても言及されていて,かなり高度な仕上がりになっています.

watawatavoltageの感想

  • 建物の制御をやりたいときは,まず本書というくらい充実しています.
  • 前半パートは,実対象の解析がメインで,かなり機械力学っぽい内容になっています.その展開から,制御工学を適用していく流れとなっています.なので,制御理論だけを説明していた専門書と比べて,自然な形で制御を学べることと思います.

本書の目次
1. ラプラス変換と振動学・制御工学
1.1 ラプラス変換法の基本的な考え方
1.2 ラプラス変換とフーリエ変換の関係
演習問題

2. 1自由度系の振動
2.1 自由振動
2.2 強制振動
演習問題

3. 2自由度系・多自由度系の振動
3.1 2自由度系の運動方程式
3.2 減衰のない2自由度系の固有振動数と固有モード
3.3 減衰のない2自由度系の強制振動解
3.4 モード解析を用いた2自由度振動系の解析
3.5 多自由度系の振動
演習問題

4. 連続系の振動
4.1 弦の横振動
4.2 棒の縦振動
4.3 梁の曲げ振動
演習問題

5. 振動制御の考え方とパッシブ制御・セミアクティブ制御・アクティブ制御
5.1 振動制御の基本的な考え方
5.2 振動のパッシブ制御
5.3 振動のセミアクティブ制御
5.4 振動のアクティブ制御
5.5 コロケーションとノンコロケーション
5.6 スピルオーバ問題
演習問題

6. H∞制御理論による振動制御
6.1 振動制御の現状とH∞制御
6.2 H∞制御理論による代表的な振動制御系設計法
6.3 スピルオーバ抑制をめざした弾性系への適用
6.4 高周波域遮断特性をめざした剛性系への適用
6.5 外乱オブザーバと等価なH∞制御
6.6 振動制御におけるH∞制御の利点

7. μ設計理論による振動制御
7.1 μ設計理論の枠組み
7.2 ディスクリプタμ設計
7.3 ディスクリプタμ設計による柔軟構造物のロバスト制御

8. スライディングモード制御理解による振動制御
8.1 モデリング
8.2 制御系設計
8.3 シミュレーションによる検証
8.4 実験による検証
8.5 制御器の特性と比較検証
8.6 出力フィードバック形スライディングモード振動制御の特徴

引用・参考文献
演習問題の解答
索引

わかりやすい制御

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本の内容
本書は,古典制御に重きが置かれています.また,分類が古典制御ではなくて実応用例なのは,制御を説明するのに必ず実応用例を用いているからです.なので数式が少なめで,代わりに,文章と図と表で制御を説明しています.読み物としておすすめです.

watawatavoltageの感想

  • 制御系設計の手順を表や図を用いて丁寧に説明しているところが素晴らしい.ほかの書籍では,文章でさらっと流しているところが多いです.
  • 序章に書いてある実応用例の種類が豊富でおもしろい.
  • どの単元にも必ずといっていいほど実応用例と絡めて説明をしているので,イメージがしやすい.
  • 数式はかなり少ないので,理論の部分は他の本でカバー必須です.

本書の目次
1章 制御の実例にはどんなものがあるのだろう
2章 制御の用語にはどんなものがあるのだろう
3章 伝達関数(周波数伝達関数)とはなんだろう
4章 どうすれば制御仕様を満足できるのだろう
5章 フィードバック制御システムはどんな手順で作るのだろう
6章 ラプラス変換と過度応答とはなんだろう
7章 モデリングとはなんだろう
8章 アドバンスト制御とはなんだろう

大学院入試徹底対策テキスト制御工学

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本の内容
本書は,大学院進学したい人を対象として,大学院入試で出題される制御工学の問題を解説しています.大学院入試の赤本といった位置づけでしょうか?本書の色は青ですけど.赤本といっても,ある大学院に限定して掲載されているわけでなく,色んな大学院の問題が掲載されています.本書は,主にある大学院のある年度の問題を掲載した後,答え・解説をのせているスタイルで進んでいきます.出題されている制御の問題は,主に古典制御と現代制御が中心で,マニアックな制御法は,出題されていないようです.しかしながら,ある単元から集中的に出題されているというよりは,一つの大問の中に,「安定性」,「周波数解析」,「時間応答」,「制御系設計」の問題が出題されるイメージです.なので,ほかの専門書だと,ただ目の前の問題を解答するだけで済んでいましたが,本書だと,色んな問題を時間内に解かないといけません.制御の研究がしたくて,かつ自大学院or他大学院に進学したい人には,おすすめの一冊だと思います.

watawatavoltageの感想
以下のサイトのレビューにのっています.ぜひチェックしてみてください.
「大学院入試徹底対策テキスト制御工学-コロナ社」

本書の目次
北海道大学大学院工学院修士課程
機械宇宙工学専攻機械・宇宙航空工学系研究室群
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答

東京工業大学大学院課程(修士課程)
工学院機械系・システム制御系
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答

電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程
機械知能システム学専攻
□令和2年度入試試験問題
解答

名古屋工業大学大学院工学研究科博士前期課程
工学専攻電気・機械工学系プログラム
□令和3年度入試試験問題
解答
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答

大阪大学大学院工学研究科博士前期課程
電気電子情報通信工学専攻電気工学コース
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答
□平成28年度入試試験問題
解答

徳島大学大学院先端技術科学教育部博士前期課程
知的力学システム工学専攻機械創造システム工学コース
□平成31年度入試試験問題
解答
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答

追記

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