はじめに
仙台でテストリーダーを務めている watatatata
です。QAからゲーム業界に入った元エンジニアです。
現在担当しているプロジェクトでは、拠点が別れており、社内のチームが2箇所、ベンダーのスタジオが1箇所ある状態です。
タイトルの通り、複数拠点にテスターがいる状況でテストリーダーとしてやってよかったことを紹介します。
ゲームテストに限らず、複数拠点にまたがるチームのリーダー向けに書いていきます。
複数拠点に分かれていることによって出てきた課題
課題① ─ テキストベースのコミュニケーションだと伝わる情報量が少なく、タイムロスや齟齬が生まれる。
課題② ─ 口頭で相談した情報が別拠点に伝わらず、あらゆる作業がバッティングする(テストケース、バグチケット、会議室の予約まで)
課題③ ─ 作業が属人(拠点)化しており、体制変更や感染症などに対する受け身が取れない。
課題に対するアプローチ
①「いつでも開いているオンライン会議室」を積極的に使用
Google MeetやZoomなどのサービスを利用し、オンライン会議室を設け、リーダーが常に待機する状態を作りました。
作業者はそこでいつでも口頭で質問できる環境を整えました。
② Slackで全員が情報を共有できるように
1つの作業に対して必ずSlackでスレッドを建て、作業開始時に申告するようにしました。
問題が発生した際には、作業者全員が入っているグループメンションをつけるルールを設けました。
③「その拠点、その人でしかできない作業」をなくす
主担当を設けず、まだ経験のない人を積極的にアサインし、前の担当者が教えるサイクルを作りました。
これにより、全員が「やったことがある」状態にすることができました。
課題の解決と効果
①テキストベースのコミュニケーションだと伝わる情報量が少なく、タイムロスや齟齬が生まれる
- いつでも開いているオンライン会議室」にみんながいることで、口頭と変わらない情報量でコミュニケーションが取れるようになりました。
- 不具合発見からチケット作成までの時間が28%減少しました。
②口頭で相談した情報が別拠点に伝わらず、あらゆる作業がバッティングする(テストケース、バグチケット、会議室の予約まで)
- Slackとオンライン会議室を活用することで解決しました。
- バッティング件数は、平均8件/月から0件/月に減少しました。
③作業が属人(拠点)化しており、体制変更や感染症などに対する受け身が取れない
- 個人の病欠や拠点の問題があっても、全員がやったことがある状態なので、完全に滞ることがなくなりました。
- また、「教える立場」を早くから経験できる環境が整いました。
まとめ
上記のアプローチによって、まず足並みを揃えることができ、現在は拠点ごとの良いところと悪いところが明確になってきています。
今後は、個人の適性や拠点の特色を活かして生産性を向上させていく予定です。
全体的に、コミュニケーションが一番重要であることが再認識できました。
コストをかける価値がある/あったと改めて感じています。
拠点間やリモートワークなど、離れた場所でのチーム内コミュニケーションに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。