はじめに
「クラウドサービスって便利だけど結局何ができるんだろう?」
AWSのCLFを勉強するまで、エンジニアながらそんなことを思う日々を過ごしていました。
時は流れ今年の年始(年始という最高に頑張るぞ状態になったタイミング)に
「より広い守備範囲を守れる遊撃手になりたい!」
と思いインフラやクラウドサービスの知識を身に付けるアクションを取り始めました。
「エンジニアだけどクラウドサービスはまだ守備範囲外、どうやって勉強すればいい?」
「駆け出しエンジニア(IT知識0)クラウドサービスの勉強ってどうすればいいの?」
そんな人の為になる(かもしれない)合格体験記を残しておきます。
盛大に個人の見解も多く含むことは予めご了承ください。
前提条件
AWSの勉強を始めるまでに、そもそも筆者がどのような経歴や知識があるのかをあらかじめお伝えします。
- 経歴
- 情報系大学出身(大学でITの基礎を習得したつもり)
- 社会人3年目(バックエンドやフロントエンド領域の実務を経験)
- クラウドサービスは個人・実務ともに利用経験なし
- 主要な取得資格
- 基本情報
- 応用情報
- JavaとかHTMLも基礎程度に
前提条件でお伝えしたいことは、クラウドサービスの利用経験はないものの、大学生からのITに対する取り組みや基本情報・応用情報などの資格を通した勉強がクラウドサービスの知識習得に大きく貢献しているということです。
IT知識0からクラウドサービスを学ぶ選択肢もあると思いますが、個人的にはおすすめしません(少なくとも今回の体験記は参考にならない可能性が高いです)。
OSI参照モデルやセキュリティ、DBなど多岐にわたるベース知識があった上でクラウドサービスを勉強するからこそ「クラウドサービスってすごい(=興味や理解の底上げ)」に繋がると思います。
IT知識0からでも頑張ればCLFやSAAに合格出来ると思います(そして合格することはすごいと思います)が本質的な勉強にはならないのではないか、というのが個人的見解です。IT知識0から資格ベースで勉強するならITパスポートや基本情報、応用情報の方が手順を踏める認識です。
合格までの道のりと勉強方法
本題となる勉強方法について記載します。CLFとSAAに分けてまとめます。
CLF(CLF-01)
サマリ
- 勉強時間: 30時間くらい(学習期間としては3週間程度)
- 点数: 約850点/1,000点 (合格ラインは700点)
勉強方法
やったことはトピックに分けると二つです。
- AWS Skill Builderによる動画学習
- Udemyの問題集を活用した問題演習
AWS Skill Builderによる動画学習
AWSの公式学習コンテンツとしてAWS Skill Builderというものがあります。いろいろな学習コンテンツがありますが、私はその中の「AWS Cloud Practitioner Essentials (Japanese) (Na) 日本語実写版」というビデオコンテンツを受講しました。
こちらコンテンツが想像以上にわかりやすくAWSやクラウドサービスの仕組みについて説明してくれました。演習やテキストで復習できる要素もあるため、この学習コンテンツでAWSの基礎の基礎を学ぶことができます。その他にも公式が提供する様々な学習コンテンツがあるため、自分に合ったコンテンツを探してみても良いかもしれません。
Udemyの問題集を活用した問題演習
AWS Skill Builderを受講完了した後に、問題演習としてUdemyを利用しました。利用したコースは「【2023年版】この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(6回分390問)」です。
タイトル通り6回分(基本レベル2回+本番レベル4回)の問題を解くことができます。
履歴を確認したところ、筆者は基礎レベル2回、本番レベル3回をそれぞれ2周していました(本番レベル1回は完全未着手)。
CLF合格までを終えて
座学と問題演習を通して、クラウドサービス(特にAWS)の基礎知識をつけるきっかけとしてCLFを活用することができました。
しかし、CLFで学べる知識は良くも悪くも浅い知識ばかりです。
IPAでいうITパスポートのような位置付けの感覚でAWSに関わるメンバーとなんとなく話すことはできるけど、自分自身でAWSを使いこなすことは出来ないが現実的なラインだと思います。
実践的に活用したい/実務の知識として学習したい、という方はSAAなどのアソシエイト資格をベースに継続して学習すると良い印象です。
「クラウドサービスって便利だけど結局何ができるんだろう?」
個人的には、冒頭で記載した上記の答えを知る機会となったためとても有意義でした。
SAA(SAA-C03)
簡単なサマリは以下です。
- 勉強時間: 30時間くらい(学習期間としては2ヶ月程度)
- 点数: 約780点/1,000点 (合格ラインは720点)
- CLF合格からの期間: 7ヶ月
勉強方法
やったことはトピックにすると一つです。
- Ping-Tによる問題演習
Ping-Tによる問題演習
Ping-Tという様々な資格の問題集を解くことができるサービスがあります。問題集の一つにSAAの問題集があり、会員登録さえすれば無料で問題集を利用することができます。
問題数は562問と豊富で1問ずつ解説を確認できるため、1問1問トライアンドエラーをしながら学習することができました(個人的にはこの形式が好き)。
間違えた問題はPing-Tの解説や、AWSの公式サイト、ホワイトペーパー読んで各サービスの内容を理解することができました。
合格までの学習状況は添付のとおりです。(CLFといい、完走する意識が低いですね…。)
SAAの合格体験記を読む機会もありましたが、Ping-Tについて記載している人はあまり居ない印象です。
私はSAAを勉強する前に勉強していたHTMLでPing-Tを利用していたため、継続でSAAの勉強にも利用しました。
結果的にはこの教材一つ(と公式ドキュメント)で合格できたので、活用できる教材だと思います。
SAA合格までを終えて
サマリから気づく人も多いかもしれませんが、SAAは途中で勉強するモチベーションが無くなりました。
問題集は完走してないし、本番形式の模試もやってません。
65問130分は当日のぶっつけ本番でした。見直しに5分程度しか使えないぐらい時間を掛けてしまったし、受験後の感覚もギリギリ不合格のラインかなと思っていました。
モチベーションが低下した理由としてプライベートな都合もありますが、あえて勉強面だけに絞って分析すると、「私が今欲しい知識はこれじゃない感」が強かったです。
SAAがアーキテクトの資格というのはその通りで、
「AWSでクラウドサービスを設計/構築する上で、アーキテクトとしてどのような選択肢を取るべきか?」
が問われる問題が出ます。これは冒頭で記載した下記からは大きく逸脱する知識を学ぶこととなってしまいました。
「クラウドサービスって便利だけど結局何ができるんだろう?」
もちろん、AWSを(工程問わず)実際に使う人にとっては価値ある有意義な知識を学べると思います。
しかし、「CLFに合格したから次はSAA」と単純な思考で勉強することは避けたほうが良いかもしれません(個人的に大きな反省点です)。
さいごに
合格体験記という華々しいタイトルで始めましたが本質は資格取得の失敗体験記だったかもしれません。
しかし、CLFやSAAを勉強する過程で得られたAWSやクラウドサービスの知識は、自分の血肉となり今後活躍してくれると思います(実はすでに実務で役立ったりもしています)。
クラウドサービスに限らず、資格勉強は勉強手段の一つです。会社都合などで資格取得が目的にならざる得ない場合もあるかもしれませんが、自己研鑽の場合は目的を見失わずに資格勉強を活用することが大事だと改めて身をもって学びました。
本記事がAWSをはじめとした資格取得を検討している人の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。