Generative AI Use Cases JP(GenU)とは
GenU は、生成 AI を安全に業務活用するための、ビジネスユースケース集を備えたアプリケーション実装です。
AWS により GitHub上で公開されている。生成 AI アプリケーションを簡単に AWS 環境にデプロイして試すことができる。
なぜ試してみたのか
自分でデプロイしたことがなかったため。
必要なもの
準備
リポジトリをクローンして、作成されたディレクトリに移動する。
git clone https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases-jp.git
cd generative-ai-use-cases-jp
デプロイ
手順 に沿ってコマンドを実行していく。
今回デプロイするリージョンはバージニア北部(us-east-1)となる。
リージョンは環境変数で指定できる。
export AWS_REGION=us-east-1
まず下記コマンドを実行する。
npm ci
次に Bootstrap を行う。CDK を使ったことがない場合、初回のみ必要になる。
npx -w packages/cdk cdk bootstrap
最後にデプロイを実行する。
npm run cdk:deploy
デプロイには20分ほどかかるらしい。私の場合は15分ほどだった。
✨ Total time: 904.44s
CloudFormation Stacks を確認すると、GenerativeAiUseCasesStack が追加されていた。
触ってみる
早速UIにアクセスする。
GenerativeAiUseCasesStack の Outputs タブを開き、WebUrl のリンクを開く。
すると、サインイン画面が表示される。
「アカウントを作る」タブを開き、ユーザー名とパスワードを入力して「アカウントを作る」ボタンをクリックする。
ユーザー名は、確認コードを受け取るためリアルなメールアドレスを入力する。
確認コードを入力すると、ユースケース一覧が表示された。
今回はチャットを試した。
ユースケース一覧のチャットの「試す」ボタン、または左サイドバーの「チャット」をクリックだ。
早速、サンプルテキストを送信したところ、「モデルが有効化されていない」と表示された。
設定漏れに気付けるようになっていて親切だ。
モデルを有効化する
Amazon Bedrock の基盤モデルを利用するためには、モデルアクセスをリクエストして有効化する必要がある。
「Bedrock コンソールの Model Access 画面」をクリックして、Amazon Bedrock の「Model Access」画面を開く。
「Enable specific models」をクリックすると、「Edit model access」画面が表示される。
Anthropic セクションの「Claude 3 Sonnet」を選択して、画面下部の「Next」ボタンをクリックする。
Anthropic のモデルを利用する場合は、フォームに以下のような内容を入力する必要がある。
- 企業名
- 企業 Web サイト URL
- 事業領域
- 利用ユーザ
- ユースケース(個人情報や IP アドレス、Claude という用語は入力してはいけない)
入力したら「Next」ボタンをクリックする。
内容を確認して「Submit」ボタンをクリックする。
Model Access 画面の Claude 3 Sonnet の Access Status が「In Progress」になった。
2~3分で「Access granted」となり使えるようになる。
チャット画面に戻る。
もう一度サンプルテキストを送信したところ、回答してくれた。
(サンプルテキストは、チャット画面を開き直すと復活する)
クリーンアップ
説明 にあるコマンドを実行して、GenU のリソースを削除する。
npm run cdk:destroy
10分ほどで削除が完了した。
私の場合、特にエラーは発生しなかったが、もし発生した場合はコンソールから S3 バケットを空にし、削除する必要がある。
CDK の Bootstrap で作成された CloudFormation Stack も、不要なので削除した。
CDK 用の S3 バケットが残るようなので、コンソールからバケットを空にし、削除した。
(名前が「cdk-」で始まるバケットだ)
感想
GenU を使用すれば、簡単に生成 AI アプリケーションをデプロイしてチャットを試せることが確認できた。全体としてかかった時間は1~2時間程度だった。
GenU は誰でも簡単に、低コストで迅速に生成 AI のユースケースをデプロイして検証できる素晴らしいプロジェクトだ。すでに 活用事例 も公開されている。
今回は以下のようなユースケースがデフォルトでデプロイされた。
この他にも、設定を有効化すれば「RAG チャット」や「Agent チャット」をデプロイし、試すことができるようだ。今回触れたのは「チャット」機能だけだったが、他の機能も試してみたい。
GenU は頻繁にアップデートされている(バージョン 2.0.0 がリリースされたのは、1.0.0 のリリースからわずか約1か月半後のことだ)。
今後のアップデートが楽しみだ。