確率行列に関して学ぶにあたって、数学の基礎的な項目がいくつか出てきたため、一つずつメモをする

固有ベクトル

ある行列に対し、右（左）から掛けた場合に、結果が掛けた行列の定数倍になるようなベクトルの事を言う。そしてその定数倍の定数の事を固有値という。数式で言うと、

Av = λv

となるベクトルv(0でない）を固有ベクトル、

 λ\in\mathbb{C}

を固有値という

スペクトル半径

有界かつ閉な集合

集合Cが凸集合であるとは、集合Cが任意の

x, y \in C

および任意の

t \in [0,1]

に対し、

点(1-t)x+ty \in C

であるような集合である事を言う。直感的には下図の上側は凸集合であるが、下側は非凸集合である

コンパクト集合から、それ自身への任意の連続函数fにおいて、

f(x_0) = x_0

となるx_0が存在するという定理

ベクトルの全要素のそれぞれの絶対値の和の事を言う

実数集合は有界であるという事

有界な点列の任意の部分列は収束するといった定理

不等式

A \geq B

に対し、AもBもそれぞれ収束し、それぞれの極限がa,bとすると、その極限a,bに対しても、

a \geq b

となる。

各種証明に関しては背理法が多く用いられる事がわかる。また、議論の内容の殆どが、「収束」といった事に紐づけられている。これを更に深堀りすると、この基礎知識となっている事は、「有界」「開集合と閉集合」「極限（εδ論法）」といった事になっている。