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ランダムウォークとは?
ランダムウォークは、ある時点の値が前の時点の値にランダムな変動を加えたもので、次のように表されます:
ランダムウォークの特徴
- 非定常性:平均や分散が時間とともに変化するため、定常性の仮定が成り立たないデータを扱うことができる。
- 自己相関:ランダムウォークでは、直近のデータが次のデータに強く影響を与えるため、自己相関が高くなる。
使用例
- 株価モデル:
株価の変動は、前日の価格にランダムな変動が加わったものとみなせます。
例:今日の株価は昨日の株価にランダムな変動が加わったもの。 - 経済指標:
GDPやインフレ率などの経済指標もランダムウォークとしてモデル化されることがあります。
例:四半期ごとのGDPの変動は、前四半期の値にランダムな変動が加わったもの。 - マーケティングデータ
月ごとの売上データが前月の売上にランダムな変動が加わったものと考えられる場合。
例:ある月の売上は前月の売上にプロモーションや季節要因などのランダムな要因が加わったもの。
ランダムウォークを使う理由
予測困難な変動:ランダムウォークは、予測が難しい変動をモデル化するのに適しています。
トレンドの把握:非定常なデータのトレンドや長期的な傾向を把握するのに役立ちます。
データの特性:ランダムウォークは、自己相関が強く、過去の値が現在の値に大きな影響を与えるデータに適しています。
データがランダムウォークに従っているかどうかを判断する方法
- ACFプロットの確認
ランダムウォークのACFプロットは、ラグが増えるごとにゆっくりと減少し、高い自己相関を示します。 - 定常性のテスト
ADF検定(Augmented Dickey-Fuller test)を使用して、データの定常性をテストします。p値が0.05以上であれば、データは非定常であり、ランダムウォークである可能性が高いです。 - 視覚的な確認
時系列プロットを確認し、データにトレンドがあるかどうかを確認します。トレンドがある場合は、非定常データであることが示唆されます。
まとめ
ランダムウォークは、金融市場の株価や経済指標、売上データなど、予測が難しい変動を持つ時系列データのモデル化に適しています。これにより、データのトレンドや長期的な変動を分析することができます。