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TypeScriptのGenerics(ジェネリクス)型をまとめる

Last updated at Posted at 2022-02-12

はじめに

毎週参加しているTypeScript勉強会で、公式ドキュメントを読み解いたのでまとめます。

本記事の対象は、関数におけるGenericsのみになります。

Genericsとは?

例えば、配列の最初の要素を返す関数があるとする。

function firstElement(arr: any[]) {
  return arr[0];
}

上記は動作はするが常にanyを返してしまう。
こんな時に活躍するのがGenericsである。

function firstElement<Type>(arr: Type[]): Type | undefined {
  return arr[0];
}

実行時に<Type>という型の情報を引数のような形でもらい、引数や返り値のTypeに割り当てることができる。

function firstElement<Type>(arr: Type[]): Type | undefined {
  return arr[0];
}

console.log(firstElement<string>(['hoge', 'fuga']))
// output: "hoge"

console.log(typeof firstElement<string>(['hoge', 'fuga']))
// output: "string"

// <string>は省略可能(TypeScriptが推論してくれる)
firstElement(['hoge', 'fuga'])

上記の例では、実行時に<string>を渡すことで、firstElementの引数及び返り値がstringに制約される。

まとめるとGenericsとは、

  • 型の情報を引数のような形<>でやり取りできる
  • 定義時にはどんな型になるか分からない処理で、実行時に型を制約したい場合に使う
  • Genericsを使うことで、処理内の2つ以上の場所で使用することにより、例えば関数の引数と返り値のリンクを作成できる

Generics関数を良い感じに書く方法(ガイドライン)

※全て公式に載っている内容です。

extendsによる型制約に注意する

また配列の最初の要素を返す関数を例にする

function firstElement1<Type>(arr: Type[]) {
  return arr[0];
}

// 悪い例
function firstElement2<Type extends any[]>(arr: Type) {
  return arr[0];
}
 
// a: number (good)
const a = firstElement1([1, 2, 3]);
// b: any (bad)
const b = firstElement2([1, 2, 3]);

本来extendsを使うことでGenericsをより制限できるのだが、上記の例ではextendsを使用していないfirstElement1()numberを返しているのに対し、extendsを使用しているfirstElement2()anyを返しているので、良くないextendsの使い方である。

これは「TypeScriptはextendsによる制約をしている場合、実行時に型を解決するのではなく、実行前にextendsによる制約を使用して型解決を行なっているから」である。

つまり、extendsを使用する場合は、型を緩めるような使い方(上記のような<Type extends any[]>)はすべきではない。

Generics内でextendsを書く場合は、型をより制限するような形で書く

参考:
extends(良い使い方はこちらを参考に)
Push Type Parameters Down(引用元)

Genericsで定義する型パラメータはできるだけ少なく

function filter1<Type>(arr: Type[], func: (arg: Type) => boolean): Type[] {
  return arr.filter(func);
}
 
function filter2<Type, Func extends (arg: Type) => boolean>(
  arr: Type[],
  func: Func
): Type[] {
  return arr.filter(func);
}

<>内を見ると、上は<Type>のみなのに対し、下は<Type, Func extends (arg: Type) => boolean>と記述が多い。
これがどういうことかと言うと、「呼び出し元から無駄なコードが発生する」「可読性が落ちる」「推論の精度が落ちる」などの問題が発生してしまう。

Genericsで定義する<>内は、できるだけシンプルに書く

参考:
Use Fewer Type Parameters(引用元)

Genericsで定義する型パラメータは、処理内で2回以上使用する場合のみ使う

// bad
function greet<Str extends string>(s: Str) {
  console.log("Hello, " + s);
}
 
// good
function greet(s: string) {
  console.log("Hello, " + s);
}

Genericsは、複数の値の型を関連づけるものなので、処理内で1回しか登場しない型には使うべきではない。

型パラメータが1回しか登場しない場合はGenericsは使用しない

参考:
Type Parameters Should Appear Twice(引用元)

最後に

公式には、Genericsは「こう書くべき」ではなく「こう書いてはいけない」というアンチパターンが多く紹介されていました。
普通に書いている分には、そう書かないよな..?というものもありましたが、これらのルールをきちんと守ってGenerics書いていきたいです。

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