はじめに
Flutterは、Googleが開発するクロスプラットフォームフレームワークとして、モバイル・Web・デスクトップの枠を超えて進化を続けています。
本記事では、**最新バージョンFlutter 3.35(2025年8月リリース)**のアップデート内容と、今後の開発トレンドについて整理しました。
Flutter 3.35の主なアップデート
1. ステートフルHot Reload(Web版)
• Web開発において、状態を保持したままホットリロードが可能に
• 実験段階を抜け、デフォルトで有効化
→ 開発効率が飛躍的に向上
2. Wasmドライラン機能
• JavaScriptビルド時にWebAssembly(Wasm)変換の準備状況をチェック
• 問題があればコンソールに警告。
→ ビルド前に不具合を検出可能
3. Flutter Widget Previewer
• Chrome上でUIをプレビューできる新機能
• 実際の見た目を確認しながら開発できる
4. Create with AI ガイド
• Gemini Code Assist / Gemini CLI / Dart & Flutter MCP Serverを活用
• AIを利用したコード生成・リファクタリング・設計支援が容易に
5. バグ修正(3.35.1)
• 安定性改善とバグ修正のマイナーリリースも即座に提供
今後のFlutter開発トレンド
1. Dart 4の登場
• 並列処理強化、型推論の改善など言語仕様の進化
• 開発者体験のさらなる向上
2. Impeller 2.0
• 新レンダリングエンジンの標準化
• 高フレームレート・複雑アニメーションも滑らかに
3. AIとの融合
• コード補完、デバッグ提案、UI自動生成などAI支援がさらに強化
• AIファーストな開発体験へ
4. マルチプラットフォーム統合
• モバイル・Web・デスクトップ間で挙動を完全統一
• 共通コードベースによる完全一致UI/UX
5. パフォーマンス強化
• Hot Reloadの高速化
• Cold Start短縮
• CI/CD連携の強化
6. バックエンド連携
• Firebase / AWS Amplify / Supabaseなどとの統合テンプレートが拡充
• サーバレスやリアルタイム処理を直感的に利用可能
7. GUIエディタ「Flutter Studio」構想
• ウィジェットのドラッグ&ドロップ設計
• リアルタイムプレビューとコード自動生成
→ デザイナーとエンジニアの橋渡しに。
8. アクセシビリティ & i18n強化
• スクリーンリーダー対応
• ダイナミックなフォント/コントラスト
• RTLレイアウトやランタイムロケール切り替え
まとめ
Flutter 3.35は、**開発効率の向上(Hot Reload強化・Widget Previewer)とAI活用(Create with AI)**が大きな進化点です。
さらに、Wasm対応やアクセシビリティ改善など、将来に向けた布石も打たれています。
今後は、Dart 4、Impeller 2.0、AIとの融合を中心に、開発体験がますます強力になることが期待されます。
Flutterは「マルチプラットフォーム開発の中心技術」として、引き続き重要な選択肢になりそうです。