はじめに
昨日までの私は Apple 信者でした。
ですが、MacBookPro 2016(整備品) の不具合が2つ発生し(キーボードの不良と液晶モニタの不良)、購入後1年間の保証期間内だったにもかかわらず、水没の跡があったため高額な修理代金を請求されました。
水没が直接の原因とは関係ないにしても Apple は不具合箇所を全部修理しないと、一部のみ修理は受け付けてくれないようです。
少ない小遣いでは足りずローンを組んで購入した MacBookPro 。購入後2か月でコーヒーをこぼしてしまったためにキーボードの不良が発生。そして10か月後に液晶モニタの不具合の発生。AppleCare+ ?入っていませんでした。だって1年間は保証がついているってことでしたから。
これまで、スマホは iphone で、iPadも ApplePencil とセットで持ち歩き、家では iMac 。常に MacBookPro も持ち歩いていましたが、今回のことでふと気付きました。なぜ、ここまで Apple にこだわっていたんだろうって。
確かに使いやすさ、操作性、複数の機器の連携。どれをとってもピカイチです。
ですが、知らず知らずのうちにこの Apple のエコシステムという名の囲い込みにどっぷりと浸かっていたのです。
今、世の中の多くの人は GAFA に代表される ITTech 企業のデジタルエコシステムに支配されつつあります。
気付かないうちにそれなしでは困ってしまう状況を作り出されているわけですね。
便利さを求めるあまり、何か大事なものを失いつつあるのかれしれません。
自由とは何か
自由とはなにか。ググってみましょう。(さっそくGAFAに支配されていますね(汗))
じゆう
【自由】
《名・ダナ》他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること。
自分の思うがままにふるまえること。とあります。
今、これまでのITライフを振り返ってみて自分の思うがままにふるまえていたか。と言われると?がつきます。
会社では Windows と Office という Microsoft の独占市場であるプラットフォームを使わされ、携帯電話は DoCoMo か au かソフトバンクという大手キャリアに2年縛りや毎月の高い料金を払い続けされられ、会社のシステムが IE しかサポートしていないという理由で、使いたくもないブラウザを使わされたり、とても自由とはいいがたい状況でした。
それはさも当たり前のようになっているわけですが、今も昔も状況は変わっていません。
昔(現在も続いていますが、)こういったことに疑問を持ち、抵抗してきた人たちも少なからずいました。
フリーソフトウェア運動の中心的な人物であったリチャード・ストールマンもその一人です。
フリーソフトウェアと聞いて、無料のソフトウェアを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、フリーソフトウェアとは無料のソフトウェアではなく、
ユーザーがどのような目的に対しても実行することを許可し、また、プログラムについて研究したり、変更したり、それを配布したりする自由も認めることを条件として配布されるコンピュータソフトウェアのことである
Wikipediaより
とされています。
GNU の創始者であり、Emacs や gcc を作ったのもこのリチャード・ストールマンです。
今では、世の中のインフラの多くを支えている Linux も GNU をもとにリーナス・トーバルスが完成させたものであります。そして、Git など今ではソースコードを公開しているオープンソースというソフトウェアがどれだけ世の中に貢献していることでしょう。
オープンソースという言葉の元となるエリック・レイモンドは、少なからずともリチャード・ストールマンの GPL という考え方に影響を受けているに違いありません。(リチャード・ストールマンはオープンソースという考え方にはあまりいい顔はしていませんが)
リチャード・ストールマンやリーナス・トーバルス、エリック・レイモンドの反対側にあったのはプロプライエタリ・ソフトウェアであり、ソースコードを公開せず、独占的に所有していたソフトウェアであったり OS であったわけです。
もちろん、これまでの IT の成長にどちらもかかせない存在であったことに違いはありませんが。
こういった背景の末に今の私たちの IT ライフがあるわけです。
ですので、今でも独占しようとする企業やシステムには反発する勢力があらわれますし、その点で言ったら今も昔も変わっていないわけです。
自由になるには
さて、これらの自由と不自由との間でなすすべもなく生活をしなくてはいけないわけですが、リチャード・ストールマンのように立ち上がるわけにもなかなかいきません。それだけのバイタリティの持ち主でしたら、もちろん止めません。立ち上がってこのシステムをぶち壊してください。
それでは自由になるにはどうしたらいいか。
元々、我々には自由になるという選択権が与えられているのです。
ですが、便利さと引き換えに自由を失っていっているのです。
これまでの科学やテクノロジーの発展を否定するわけではありませんが、みんなが使っているから、便利だからという理由だけで使ってしまう。思考停止状態。これこそが自由を失ってしまう大きな原因となっているのです。
この状態になってしまうと、自由はかなり奪われてしまいます。
このスマホはみんなも使っていて便利ですよ。なので、10万円ぐらい安いでしょ。月々の利用料は1万円ですよ。
これ携帯電話がなかった時代から考えてみたら、めちゃくちゃだと思いませんか?
だから、SIMフリーや格安スマホがでてきたり、最近では政府が携帯電話料金を下げろ、分かりやすい料金体系にしろと大手キャリアに是正させているわけです。
でも多くの人は何の疑問も持たずにみんなが使っているから、便利だからと使ってきたでしょう。
もちろん私もその一人ですけど。。。
どのようにしたらいいか
そこで私は考えました。
自由になりたい。解脱したいって。
解脱って(笑
もともと私は仏教が好きなので、仏教的な考えにいきつくわけです。
まずいくつかの大前提があります。
- 変わらないものはない
- 全ての元凶は欲
- 独り占めしない
- 悪いことはしない
苦集滅道、諸行無常、八正道とかそんな感じです。
これを IT ライフに置き換えてみればいいんじゃないかと。
変わらないものはない
世の中のすべてのものは変化しつづけています。
永遠なんてものはありません。
電話なんてなかった時代から、固定電話が各家庭にはあるようになって、ポケットベルがでてきたり、携帯電話がでてきたり、今ではスマホが当たり前になったり、どんどん変わっていきます。
そして、使っているOSも変わったり目まぐるしく変化していっています。
ハード面で言えば、物はかならずいつかは壊れます。壊れないものなんてないです。
ですので、これを前提として考えないとダメです。
ひとつのものにこだわっていてもしょうがないです。
そんなものは、すぐに変わってしまうか、無くなってしまいます。
ずっと使い続けられるハードウェアもありませんので、壊れることを前提で使います。
だったら、自分の身の丈に合ったものを、こだわりなく使えばいいんじゃないでしょうか。
そして変化を恐れてはダメです。
新しいものが出たら、今のものよりも使いやすい、安い、それが自分の価値観にあっていれば、選べばいいのです。
別に今のままでよければ、それを使い続けてもいいのです。
要は自分で考えて、本当に合理的な理由であればそれを使えばいいのです。
そこで間違ってもしてはいけないのは、自分と違う相手を敵対視しないことです。
鈴と、小鳥と、それから私。みんなちがってみんないい。
です。
全ての元凶は欲
人間はちょっと気を抜くと堕落してしまう傾向があります。
食欲、性欲、物欲、知識欲、、、などなど、タガが外れてしまうと際限なく欲を求めてしまいます。
これを渇愛といいます。
楽なほうへ楽なほうへと進みがちですが、その先は結局、苦なんですね。
疲れたからとダラダラと寝ていても、ずっと寝ていると頭が痛くなってくるでしょう。
なので、ほどほどにしとかなきゃダメなんです。
小欲知足です。
もっと便利な機能が欲しい。こういった楽しいゲームが欲しい。新しい機種が欲しい。
色々と言い出したらきりがないです。
そういった誘惑で世の中はいっぱいです。
その誘惑に負けないでください。
自分の必要な機能だけでいいのです。
どんどん楽なほうばかり求めるあまり、必要もない機能がいっぱい入ったOSができあがったりしてしまうんですね。
必要もない機能がいっぱい入った端末ができあがってしまうんですね。
企業はそれを付加価値だと言って売り込んできますが、果たしてそんなにたくさんの機能をいったいどれほど使いきれているんでしょうか。
無駄な機能が増えるからOSが重くなる。脆弱性が増える。
そうすると新しい高性能なハードウェアが必要となってくる。
だから無駄に高くなる。
シンプルイズベストです。
独り占めしない
今までの歴史を振り返ってみても分かるように独占してきた企業やサービスやシステムなどは、やがて引きずり降ろされてしまうでしょう。
自分だけが得をするのではなく、分け合って、共に成長していく。
そういったものが生き残っていきます。
あくまでもそれはサービスやシステムを提供する側のことですので、我々は変えることはできません。
変えることができたとしても、とても労力がかかります。
それよりも自分のできる範囲のことでいいのでやればいいのです。
例えば、自分が作ったソフトウェアがみんなの役に立ってくれればいいなと思う。←これ大事
お金を稼ぎたいから何かソフトウェアを作ろうではなく、みんなの役に立ってくれればいいなと思って作る。
そして、使ってくれた人たちがもっとこうしたほうがいいんじゃないか、とか、
ここのソースがおかしいよとか、そういった風に、自然と広がっていくようなそういった仕組みがやっぱり大事なんじゃないでしょうか。
そういったものはみんなから愛され長く使われるのです。
悪いことはしない
どんなにすごくても、結局ここを守らなかったら、ちょっとしたことですべてが台無しになります。
ITの世界では簡単に悪いことができてしまいますが、そういった誘惑に負けず、正しい生活をすること。
これは見過ごしがちですがとても大切なことです。
最後に
さて、これまでつらつらと私の考えを述べてきたわけですが、シンプルなITライフとは、自由になるにはどのようにしたらいいか、少しでも伝わってくれるといいなと思います。
昨日よりも今日、今日よりも明日がより良い一日となるように、ITをうまく活用していくこと。
ITなんてこれまでの人間文明の中の、土器や鍬や斧と一緒で道具の一つにすぎません。
それを使うのはあくまでも人間です。
それがいつしか複雑になりすぎて、人間が道具に使われるようになってしまいました。
そうではなく、道具は使うものです。
貴重な時間を無駄にしないでください。
必要なものを必要なだけ使いましょう。
それでは良いITライフを。