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[Autonomous Database] データ共有で共有した表をpandasで読み込む

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はじめに

Autonomous Databaseでは、Delta Shareプロトコルを使ったデータ共有ができます。
Delta ShareはオープンソースのAPIなので、サポートされている任意の受信者(他のデータベース、データ分析ツール、オープンソース・プラットフォーム)とデータをセキュアに共有できます。

今回は、Autonomous Databaseを共有のプロバイダとして、Autonomous Database内の表を共有し、Pythonのpandasで読み込んでみたいと思います。
データ共有は、Autonomous Databaseの付属ツールであるDatabase Actionsから実行できます。
※コマンドでも同様に実行できます。

データ共有へのアクセス

ADMINユーザーで以下を実行することで、特定のユーザーがデータ共有へアクセスすることができます。

begin
    DBMS_SHARE.ENABLE_SCHEMA(
            SCHEMA_NAME => '<ユーザー名>',
            ENABLED => TRUE
    );
    commit;
end;

共有の作成

  1. 上記で有効化されたユーザーでDatabase Actionsにサインインすると、以下のようにData Studio内にデータ共有が表示されます。
    1.png

  2. クリックすると、共有の提供共有の消費が選択できます。今回はAutonomous Databaseから表データを共有するので、共有の提供をクリックします。
    2.png

  3. + 共有の作成をクリックします。
    3.png

  4. 名前と説明(省略可)を入力し、をクリックします。
    4.png

  5. 共有を公開するクラウド(オブジェクト・ストレージ)を登録するため、クラウドの場所の作成をクリックします。
    5.png

  6. オブジェクト・ストレージへアクセスするための資格証明を作成します。
    6.png

  7. 以下のように各項目入力していきます。入力項目については、こちらをご参照ください。
    7.png

  8. 資格証明の作成ができたので、クラウド・ストアを追加します。先ほど作成した資格証明が選択されていることを確認し、バケットURIを指定します。namespacebucket-nameは適宜修正してください。
    8.png

  9. DEMO_OBJ_STOREというOCIネイティブ資格証明を作成できたので、それを指定し、をクリックします。なお、今回はスケジューリングは有効化しませんが、毎n分/毎n時間/毎n日/毎n週や開始日/終了日を指定しスケジューリングも可能です。
    9.png

  10. 共有する表を選択します。使用可能な表には、demoスキーマの所有している表が表示されています。今回は、MOVIE_SALES_2020Q2という表を共有します。
    10.png
    11.png

  11. 共有する受信者を設定します。
    12.png

  12. 名前と電子メールが必須項目です。また、ユーザー・トークン存続時間の指定も可能です。
    13.png

  13. 作成すると、SAMPLEユーザーに受信権限が与えられます。ただし、新規受信者はアクティベーションする必要があります。メールアイコンをクリックすると、メーラーが起動し、受信者のアドレスにプロファイルのダウンロード・リンクを含むメールを送信することができます。
    14.png

  14. 以下のようなメールを送信します。受信者側の作業は後の手順で確認します。
    15.png

  15. 作成をクリックします。
    16.png

これで共有の作成は完了です。
続いて、受信者側として作業を行います。

共有の消費

  1. 先ほどプロバイダから送信されたメール内のダウンロード・リンクをクリックします。以下のようなページに遷移します。
    17.png

  2. Get Profile Informationをクリックすると、delta_share_profile.jsonファイルがダウンロードできます。

  3. delta_share_profile.jsonを確認してみます。以下のように、エンドポイントと、ベアラートークンなどの情報が格納されています。

    {
      "shareCredentialsVersion": 1,
      "endpoint": "https://xxxxx.adb.ap-tokyo-1.oraclecloudapps.com/ords/demo/_delta_sharing",
      "tokenEndpoint": "https://xxxxx.adb.ap-tokyo-1.oraclecloudapps.com/ords/demo/oauth/token",
      "bearerToken": "aPFOYWgJz75f5_cLwZcpgw",
      "expirationTime": "2023-08-31T07:52:52.0Z",
      "clientID": "jONlE9VrRibYH0gDCILPTg..",
      "clientSecret": "WUwt2vsZyWUzOclt6Ea4mQ.."
    }
    
  4. プロファイルを取得できたので、共有されている表の情報を取得したいと思います。今回はJupyter Notebookでpandasからロードできるか確認してみます。delta-sharingはpythonパッケージとして提供されており、pip経由でインストールできます。

    pip3 install delta-sharing
    
  5. 以下のPythonプログラムをJupyter Notebook上で実行します。

    delta_read.py
    import requests
    import os
    import delta_sharing
    import json
    import shutil
    import datetime
    import pandas as pd
    from datetime import datetime, timedelta
    
    pd.options.display.width = 100
    def update_share_profile_token(profile_file, create_backup=True):
      # プロファイルの読み込み
      f = open(profile_file)
      data = json.load(f)
      f.close()
     
      # トークンのアップデート
      token_endpoint = data['tokenEndpoint']
      client_id = data['clientID']
      client_secret = data['clientSecret']
     
      if token_endpoint is None or client_id is None or client_secret is None:
         # 何もしない
         return
     
      # 新しいトークンの取得
      response = requests.post(
            token_endpoint,
            data={"grant_type": "client_credentials"},
            auth=(client_id, client_secret))
      response_json = response.json()
      print(response_json)
      if response_json["access_token"] is None:
        # アップデートしない
        return
      data['bearerToken']=response_json["access_token"]
      if response_json["expires_in"] is not None:
        # 有効期限のアップデート
        time_now = datetime.utcnow()
        expiration_time = time_now + timedelta(0,response_json["expires_in"])
        # デルタ・タイム・フォーマット
        data["expirationTime"] = expiration_time.strftime("%Y-%m-%dT%H:%M:%S.0Z")
       
      if create_backup:
        # プロファイル・ファイルのバックアップ作成
        shutil.copy(profile_file, profile_file+".bk")
     
      json_object = json.dumps(data, indent=2)
      with open(profile_file, "w") as outfile:
        outfile.write(json_object)
     
    # プロファイル・ファイルの指定
    profile_file = "/home/opc/python/delta_share_profile.json"
    update_share_profile_token(profile_file)
    
    # 共有クライアントの作成
    client = delta_sharing.SharingClient(profile_file)
      
    # すべての共有のリスト
    shares = client.list_shares()
    print(shares)
      
    # 最初の共有のスキーマの表示
    schemas = client.list_schemas(shares[0])
    print(schemas)
      
    # 最初の共有のテーブルの表示
    tables = client.list_tables(schemas[0])
    print(tables)
    
    
    ## pandasで10件だけロード
    for tab in tables:
      delta_path = profile_file + '#' + tab.share + '.' + tab.schema + '.' + tab.name
      df = delta_sharing.load_as_pandas(delta_path, limit=10)
      print(df)
    
  6. 以下のように、正しく実行結果が得られました。
    image.png

    Database Actions側で、共有を非公開にしてみます。3点リーダーをクリックし、非公開をクリックします。
    18.png

    非公開にすると、以下のようにステータスが赤色になります。
    19.png

    この状態で、受信者側で先ほどと同様にdelta_read.pyを実行してみます。
    以下のようにlist_schemasの部分でIndexErrorになりました。

    20.png

    また、プロバイダ側は、共有使用状況レポートから、受信者のアクティビティを確認することができます。image.png

おわりに

今回はAutonomous Database内の表を、pandasからロードするという内容でしたが、他にもSparkで読み込んだり、他データベース、BIツールから読み込むこともできます。

参考資料

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