はじめに
今回は、量子コンピュータの世界的な状況について個人の意見や感想を書きたいと思います。
なお、以前QCoder #1に参加したので、その記事を使いまわそうと思ったんですが、Advent Calendarに載せられるのはその年の11月1日以降という制限があったため、日が変わる前に急いでこの記事を書いています。
ちなみにQCoder #1の参加報告はこちら。
量子コンピュータに対する期待と現実
さて、量子コンピューティングについては、概ね5年ほど前から存在を知って、Nielsen Chaung本や、嶋田さんの本を買って読んだりしていたのですが、一方で当初はHWについては余り知りませんでした。
その後、なんやかんやでHWについて知ってくると、量子ビット数が全然足りないし、ビットやゲートのエラー率が高くて、産業応用出来るような大規模化には、まだまだ時間が掛かることが分かって来ました。
研究者の努力の甲斐もあって、実現までの時間は100年から50年へ、50年から20年へ、さらには量子コンピュータの大手企業は、あと5年ほどで一定の規模の量子コンピュータが出来るというRoadmapを描き始めました。これは本当にすごいことだと思います。
一方で、理論的には分かるのですが、実装してみたら思いがけない課題が見つかるのが世の常です。実際、5年後に量子コンピュータが出来たとしても、様々な障害や現実問題への落とし込みを行う際の壁にぶち当たることでしょう。そうなって初めて、産業応用の可能性を語れる段階まで進んだことになるのではないでしょうか。
あるコンソーシアムでは、「AIブームは第3フェイズまであり、今回のブームは冬を迎えないだろう。量子COMに当てはめてみると、まだ第1フェイズではないか」というお話がありました。実際、量子コンピュータは、まだ産業界の実課題を解決しようという試みはほぼ生じていません。良い産業上のユースケースを見つけることが現状の一番の課題で、逆に言うと、良いユースケースが見つかれば、たちまち広がるポテンシャルを秘めているとも言えるのではないかと思います。
量子コンピュータのこれから
量子コンピュータは、まだまだこれからの可能性に満ちあふれています。
実は、量子情報を勉強するには、量子力学そのものではなく、線形代数や確率論が重要になります。要は、現在流行りのLLMを理解するために必要となる数学が共通するということです。ビジネス化が進んでいるLLMに比べて、量子コンピュータは、まだまだこれからです。
しかし、LLMは正直やることは決まっているし、研究者も技術者も人数が多過ぎてレッドオーシャンになることは目に見えているので、学生さんや若い方々は、ブルーオーシャンである量子コンピュータにも手を出しておくと、ゆくゆくは有利になったりするんじゃないかなと思います。
おわりに
今回は、エッセイというかポエムというか、単なる感想みたいなものを記事にしてしまいましたが、偶にはこういうのも良いかなと思いました。
まあでも、Qiitaなので、いつになるかは分からないけれど、今後はもうちょっと数学とかプログラミングの話も書いてみたいなと思っています。
それでは!お疲れ様でした!