LoginSignup
6
1

More than 3 years have passed since last update.

Google Playに公開していたアプリが削除された話と復旧させた話

Posted at

概要

先日、Google Playに公開していたアプリ2件が突然Googleに削除されてしまったのですが、申請して復活してもらったので、その内容について書きます。

対象アプリ

今回、自分がGoogle Playに公開している2件のアプリが同時に削除されました。そのアプリは次の2件になります。

本アプリは通常のアプリではなく、Medolyという音楽再生アプリから送信されるイベントに反応して、各種アクションを実行する動作になります。例えば、再生中の音楽情報を送信するといった動作をします。各アプリ単体では、サービスのアカウント情報を登録したり、動作のカスタマイズを行うことができます。
これらをインストールすることで、Medolyから該当サービスの機能が利用できるようになるというアプリ設計になっています。

本アプリは2件とも2015年に公開したもので、細々とアップデートしており、つい最近、両アプリ共10/20にアップデートしたばかりでした。

停止の流れ

11/06に、自身のAndroid端末にGoogle Play Consoleアプリから次のような通知が2件表示されました。

image.png

アプリやWebサイトを見ると、次のような状態になっていました。

image.png

image.png

実際ストアのアプリページが開けなくなっていますし、Google Play Consoleを見ると各種情報が閲覧できなくなっています。慌ててメールを確認すると、次のようなメールが2件届いていました。

wa2c デベロッパー各位

審査の結果、Medoly Twitter Plugin(パッケージ名 com.wa2c.android.medoly.plugin.action.tweet)は、ポリシーに違反していると判定されたため、配信が停止され、Google Play から削除されました。

問題: コンテンツの繰り返しに関するポリシーへの違反

Google Play 上の既存のアプリと同じユーザー エクスペリエンスを提供するだけのアプリは認められません。アプリは、独自のコンテンツやサービスを生み出すことによって、ユーザーに価値を提供する必要があります。

どうやら、削除されたのは間違いないようです。削除の要因となった「コンテンツの繰り返しに関するポリシーへの違反」というのは、次のページに書かれています。

スパム - Play Console ヘルプ

Google Play 上の既存のアプリと同じユーザー エクスペリエンスを提供するだけのアプリは認められません。アプリは、独自のコンテンツやサービスを生み出すことによって、ユーザーに価値を提供する必要があります。

違反の例としては、次のようなものが挙げられています。

  • 独自のコンテンツや価値を追加せず、他のアプリのコンテンツをコピーしている。
  • 機能、コンテンツ、ユーザー エクスペリエンスがほとんど同じである複数のアプリを作成する。このようなアプリのコンテンツがどれも少量である場合は、1 つのアプリにすべてのコンテンツを集約することを検討してください。

要するに、他のアプリのコピーか、機能がほとんど無い低品質なアプリだと判断されたようです。

復旧の流れ

アプリは結構長いこと公開を続けていて、最近のアップデートでも停止に該当する心当たりは特に無かったため、異議申し立ての申請をすることにしました。次のページから申請することができます。

アプリが Google Play から削除された - Play Console ヘルプ

ちなみに、メール内にも申請用のリンクがあり、そこ経由すると必要な情報が自動的に入力された状態から申請できました。

2つ一度に申請するとややこしいですし、片方失敗した時にもう片方を別の内容で申請してみようと考えていたので、一旦Medoly Last.fm Pluginの方だけを対象に申請しました。とりあえず以下のような文面で申請してみました。(日本語でOKです)

本アプリ ( Medoly Last.fm Plugin ) は、外部のLast.fmサービスに対して通知を行うためのアプリケーションです。本開発者の別アプリである Medoly ( https://play.google.com/store/apps/details?id=com.wa2c.android.medoly ) と連係して利用する設計となっており、MedolyからLast.fmへのメッセージ通知や、Last.fmサイトからメタ情報の取得が行えるようになっています。

今回、「コンテンツの繰り返しに関するポリシーへの違反」としてアプリが停止された理由としましては、同様の画面構成で構成された他のアプリや、同開発者の別アプリとなる「Medoly Twitter Plugin」と類似していると判断されているものと推察しています。しかしこれは、設定画面や表示メニューについて標準的な開発手法に則った作りとなっているためであり、コンテンツを繰り返し作成している意図は一切ありません。Medoly Last.fm Pluginは、Medolyに対してLast.fmサービス機能を提供するためのものあり、ユーザに対して他アプリとは異なる独自性の高いユーザエクスペリエンスを提供するアプリとなっています。

上記理由により、アプリの再有効化をご検討いただけないでしょうか。

上記申請を出したのが11/6で、その翌日11/7に以下の返答がありました。

Google Play チームにお問い合わせいただきまして、誠にありがとうございます。

アプリのステータス:
Medoly Last.fm Plugin (com.wa2c.android.medoly.plugin.action.lastfm)
Medoly Twitter Plugin (com.wa2c.android.medoly.plugin.action.tweet)
Google Play での公開が停止されており、お客様の対応が必要です

詳しく検討させていただいた上で、お客様の異議申し立てが承認されました。Google Play にアプリを再度公開するために必要な追加の手順について、以下に詳しくご説明いたします。

何と1件の申請に対してアプリが2件とも復旧されました。
その後に操作手順が続きますが長いので省略。作業内容を端的に書くと「ストアの公開情報を更新して保存すること」です。メール内容に以下のような文面があるので、更新さえできれば何でも良いようです。

送信ボタンがグレー表示の場合は、ストアの掲載情報に小さな変更を加えるとボタンがアクティブになります。たとえば、アプリのタイトルの後ろにスペースを入れてから削除してみてください。ボタンが青色になったら、アップデートを送信していただけます。

Google Play Consoleのページを見ると、ストア情報の閲覧ができるようになり、表示データも一部復旧しています。指示通りストア情報を更新して保存し、2日ほど経った11/9に更新の通知が来て、無事アプリがストアに復旧しました。

停止原因の推察

今回、「コンテンツの繰り返しに関するポリシーへの違反」としてアプリが削除されましたが、その原因について推察してみました。

先に説明したように、本アプリは別アプリからのイベントによって駆動する事を想定したもので、アプリ単体ではアカウントの登録や動作設定を行うだけで、アプリの機能を利用することができません。そのため、表面的な機能は貧弱なものです。
加えて、自分のアプリは起動すると以下のような画面になっています。

Screenshot_2020-11-16-00-23-59-46.jpg Screenshot_2020-11-16-00-24-08-58.jpg

正直、画面をパッと見てもポリシーへの違反と言われるのも我ながら納得してしまう簡素な画面です。Googleのチェック担当者がこれをポリシー違反と判断するのも止むなしかな…という気持ちはあります。

ちなみに、10/20で行ったアップデートは、画面の内部的な構成を少し変更しただけで、表面的な部分はほとんど変わっていないです。

なぜこのタイミングか

しかし、アプリ自体は5年ぐらい前から公開されているもので、少しずつアップデートを行ってきましたが、この画面も昔からほぼ変化していません。それが、何故今になって削除されたのでしょうか。
まず、2本とも削除されたところを見る限り、10/20にアップデートを行ったことが引き金となっているのは恐らく間違いないかと思います。ストアにアプリが一旦公開された後、人間の手によるアプリチェックが行われて、そこでポリシー違反と判断されたものと推測しています。つまりAndroidアプリは、一度ストアに公開された後も、削除される可能性があるということになります。
ここでどのようなチェックが行われているか分かりませんが、機械的なチェックではなく人間による判断が行われていると考えられるので、判断する人によってブレが生じているのではないかと個人的には考えています。

考えられる対策

今回の「コンテンツの繰り返しに関するポリシーへの違反」を引き起こさないためにはどうしたら良いかは、正直よく分からないです。ただ、以下のような点に気を付けた方がいいのかなと思います。

  • 見た目に独自性を持たせる。簡素なメニューやボタンだけの構成は避ける。
  • アプリ単体で動作する機能を持たせる
  • ストアの説明をきちんと書く。単体で動かないなら、その旨をきちんと説明する。

要するに、人が実際に動かした時にきちんとしたアプリとして動作しているように見せるということでしょうか。

申請時に気を付けること

今回自分は、異議申し立て申請時の文面に以下のような点について気を付けて書くようにしました

  • アプリがどういう機能を有しているか
  • アプリがポリシー違反に該当しないと考えている理由
  • 分かりやすく書く
  • 感情的に書かない

一連の流れを見る限り、削除の判断は人間が行っているものと考えられます。そのため、その担当者がアプリを理解し、アプリがポリシー違反でないと判断してもらう必要があります。あくまでも人に伝えることが前提なので、不満や文句など感情的な文章を書くのは避けて、人間が機能や申請理由を理解しやすい形で伝えるように努めた方が良いと思います。なので、コピペのような機械的な文章は避けた方が良さそうです。
結果としてアプリが復旧したので、この判断はそれほど間違っていないと思います。

まとめ

今回アプリが削除された事例から、Google Playの公開アプリについて以下のような学びがありました。

  • Google Playにアプリが公開された後でも、ポリシー違反で突然予告なく削除されることがある。
  • 長く公開されているアプリでも、アップデート時のチェックで容赦なく削除される。
  • アプリのポリシー違反などのチェックは人の手で行われているらしい。
  • アプリの見た目を適当に作ると、チェック担当者によってポリシー違反と判断される場合がある。
  • アプリを削除停止しても、復旧申請(異議申し立て)で復活できる場合がある。

余談

アプリが削除されたのは今回で2回目で、5年ほど前に別のアプリが1度停止されたことがあります。理由はアイコンがポリシー違反と判断されたもので、こちらは復旧不可能でした(未だにGoogle Play Consoleに残っています)。ポリシー違反の種類や内容によっては、アプリが復旧不可能な場合もあるので、復旧できることをアテにしない方が良いかと思います。

6
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
6
1