マイケル・ロップ氏の「リーダーの作法 ささいなことをていねいに」を読み解きながら、メモを残しています。
各章ごとにまとめていますが、章の原題ではなく私にとってのまとめをタイトルにつけなおしています。
この本との出会いと、アウトプットしながら読み解く経緯はこちらの記事で。
本文で登場する「ランズ」は、ロップ氏のネット上のハンドルネームです。
「はじめに」で、自身を「ロップ」とも「ランズ」とも呼ぶと宣言しています。
第I幕 『人の気持ちが分かる』基本的で難しいこと
「リーダーの作法 ささいなことをていねいに」は、大きくは3部構成になっています。
- 第I幕 Netscape:マネージャー
- 第II幕 Apple:ディレクター
- 第III幕 Slack:エグゼクティブ
今回は 「第I幕 Netscape:マネージャー」の7章~9章について学びメモを残します。
第I幕 Netscape:マネージャー
7章 パフォーマンスに関する質問
7.1 チェックリスト・センテンス
7.2 すべてが変わる
8章 ランズおすすめの時間節約術
8.1 ブラウザ
8.2 スマホ
8.3 電子メール
8.4 人生
9章 新任マネージャーのデス・スパイラル
9.1 よーい、ドン
9.2 最初は面と向かって
9.3 やがて、陰で
9.4 管理職に就くことは昇進ではない
第II幕 Apple:ディレクター
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7章 死神になるな、コーチであれ
ロップ氏は上司からのフィードバックを、毎月受けることを推奨しています。
「コーチか死神か」 と、シェイクスピアのようにインパクトあるフレーズが登場します。
あなたはコーチのような姿勢や態度で臨まなければなりません。パフォーマンス管理のスイッチが入っていれば、あなたの態度は死神のようなものになってしまいます。コーチか死神かによってどう思われるかが決まります。
- パフォーマンスに関わる状況は、多くの場合コーチングの余地がある。
- 様々な視点の価値を学び、共感を築き上げ、より良いコーチ、より良いリーダーになる。
- パフォーマンス管理なんて 「しなくてよい」 状態にする。
コーチングはときに嫌な気持ちになるし複雑で時間がかかる。
その上、手ごたえもつかみにくいとはっきり書かれています。
それでも積み重ねる価値があるということですね。
8章 1分1秒大切に(そして嵐の前の静けさ)
この章はとにかく具体的(過ぎるくらい)な実践方法が展開されます。
全体的にピリ辛というか、なんとなくヒリヒリした読後感の示唆が多いこの本。
その中で比較的、読者への攻撃力(?) が柔らかい章だと思います。
- 時間を適切に使うことに徹底的にこだわる。
- 1分1秒大切に。塵も積もれば山となる。
続く9章を読んでから改めてふりかえると、ここは嵐の前の静けさ感があります。
9章 任せるのは、不安になるほど、たくさん!
ロップ氏は聴き、伝え、任せ、多様性あるチームをつくることを推奨しています。
「第I幕 Netscape:マネージャー」の終幕(いわばクライマックス) だけあります。
8章の無風・凪ぶりは一体なんだったんだ…? と思うくらい怒涛のデス・スパイラルです。
内容の本質は、とてもよくある新任マネジャーのやらかし代表例みたいなもの。
ほかの本でも同じようなことは書かれているかもしれませんが、実感というか、ああ、あれね! というリアリティが、エンジニアにはたまりません。
この本の魅力は 『自分ごと化』をうながす強烈な説得力だと、とくに実感する章でした。
おかげさまで、グラレコもどきもじゃっかん渋滞気味ですね。
- マネジャーはプレイヤーの延長線にはない。レベル1になる意識と覚悟で再出発。
- チームは自分より多くの情報を持っていると理解し、耳を傾けて視点や判断を変える。
- 意見は賛成によっては洗練されない。健全な不一致を通じてより力のあるものになる。
- 質の高い仕事を自分が、ではなく、仕事の量が増えても質を維持できるチームをつくる。
読むとなにかしらの古傷が疼く人も多そうな章ですが、それだけにおすすめ!
ここまでの雑感
「第I幕 Netscape:マネージャー」読了!
ここまでに語られたことは、当たり前で、ささやかで、でも実践が難しいことばかり。
サブタイトルを見返すと… 「ささいなことをていねいに」 と。
なるほど。タイトルに偽りなしなのだな、とここまでだけでもわかります。
がぜん、第II幕と第III幕も楽しみです!
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