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ソートアルゴリズムを可視化してみよう(3)

Last updated at Posted at 2023-10-30

JavaScript によるソートアルゴリズムの可視化

こちらのつづきです。

プログラムの解説 - ユーティリティ

今回は util.js の内容です。
中身は、乱数生成のクラスとタイマーのクラスです。

ソートアルゴリズム可視化の目的においては本題ではないので
読み飛ばしてしまっても問題ないですが、
中身が気になる方はご覧ください。

util.js
/**
 *  乱数生成クラス(XorShift)
 *  #シードが固定できる乱数生成器として採用
 */
class XorShift {
    /**
     *  XorShift 乱数の最大値
     *  @private
     */
    static MAX = 0xffffffff;
    /**
     *  XorShift
     *  @param {number} seed 乱数のシード値
     */
    constructor ( seed = 88675123 ) {
        [this.x, this.y, this.z, this.w] = [123456789 >>> 0, 362436069 >>> 0, 521288629 >>> 0, seed >>> 0];
        this.iterator = this.generator();
        // 最初に適当に回しておく
        const len = Math.floor( ( this.next() * 99 ) + 1 );
        for ( let i = 0; i < len; i++ ) {
            this.next();
        }
    }
    /**
     *  XorShift のジェネレータ
     *  @private
     */
    *generator () {
        for ( ;; ) {
            this.t = this.x ^ ( this.x << 11 );
            [this.x, this.y, this.z] = [this.y, this.z, this.w];
            this.w = ( ( this.w ^ ( this.w >>> 19 ) ) ^ ( this.t ^ ( this.t >>> 8 ) ) ) >>> 0;
            if ( this.w === XorShift.MAX ) continue;
            yield this.w ;
        }
    }
    /**
     *  乱数を出力する
     *  @returns number [0~1) の乱数
     */
    next () {
        return this.iterator.next().value / XorShift.MAX;
    }
}

/**
    タイマークラス
 */
class Timer {
    constructor () {
        this.running = false;
        this.elapsed_time = 0;
        this.start_time = 0;
    }
    /**
     *  タイマーをスタートする
     */
    start () {
        this.running = true;
        this.elapsed_time = 0;
        this.start_time = performance.now();
    }
    /**
     *  タイマーをリセットする
     */
    reset () {
        this.running = false;
        this.elapsed_time = 0;
        this.start_time = performance.now();
    }
    /**
     *  タイマーを再開する
     */
    resume () {
        if ( !this.running ) {
            this.running = true;
            this.start_time = performance.now();
        }
    }
    /**
     *  タイマーを中断する
     */
    pause () {
        if ( this.running ) {
            this.running = false;
            this.elapsed_time = this.elapsed_time + ( performance.now() - this.start_time );
        }
    }
    /**
     *  タイマーを停止する
     *  @returns number スタートからの経過時間
     */
    stop () {
        if ( this.running ) {
            this.running = false;
            return this.elapsed_time + ( performance.now() - this.start_time );    
        }
    }
}

XorShift クラス

XorShift128 と呼ばれる乱数生成アルゴリズムを実装したものです。
ビットシフトで構成されて高速に値を生成できる特徴があるのと、
シード値を指定できるということもあって組み込んでみました。

コンストラクタ

x, y, z, w という4つの変数を初期化します。
引数としてシード値が与えられた場合は、w を引数で置き換えます。
this.iterator には、後述するジェネレータメソッドから取り出す
イテレータを保持します。

その直後に乱数生成を実行しています。
固定シード値の場合は、乱数列がずれるだけなのですが、
何らか妙なシード値の場合でも、多少安定するようにしています。
おまじない

*generator ()

乱数生成部分のメソッドです。ジェネレータです。
無限ループで yield させることで、イテレータが値を取り出せます。

  1. t に、xx の左シフト を xor して代入します
  2. x, y, z に、y, z, w をそれぞれ代入します
  3. w に、 wwの右シフト の xor と、ttの右シフト の xor を行い、両者を xor して代入します

この 1. と 3. の演算が、この XorShift の名前の所以となっています。
また、3か所あるシフトのビット数 $( 11, 8, 19 )$ の組み合わせと、
変数 x, y, z, w で状態を保持している部分が、
この乱数の周期を実現している仕組みになっているそうです。
上記の場合 XorShift128 (周期 $ 2^{128} - 1$ )になります。

現在では、XorShift をさらに改良したアルゴリズムも存在しますが、
あまり高品質である必要もないので今回はこのバージョンです。
(なんなら線形合同法などでも十分なのですがせっかくなので。。)

なお、JavaScript では ビット演算は32ビット整数 です。
普通の右シフトではマイナス値も出てきて厄介なので、
符号なし右シフトを使い、$0 ~ 2^{32} - 1$ の範囲で値を取り出します。

next ()

乱数を取り出す際のメソッドです。
イテレータの存在は外からは知らなくて良いようにしています。
0xffffffff で割った値を返却することで、
$0 \leq x < 1$ という範囲で乱数を返却します。

Timer クラス

時間計測用につくりました。
だいたいメソッドの名前どおりに使います。

コンストラクタ

状態を初期化しています。

start ()

タイマーをスタートします。起動状態になります。
次に stop ()pause () が呼ばれるまで動作します。

reset ()

タイマーをリセットします。停止状態になります。

resume ()

タイマーを再開します。起動状態になります。
次に stop ()pause () が呼ばれるまで動作します。

pause ()

タイマーを中断します。停止状態になり、
pause () が呼ばれるまでの経過時間は保持します。
次に resume () を呼ぶことで再開できます。

stop ()

タイマーを停止し、経過時間を返します。

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