1. はじめに
新しい仮想インフラの仕組みとして注目を集めるHCI(Hyper-Converged Infrastructure)ですが、その中でもHewlett Packard Enterprise社が提供するHCI製品、SimpliVityへの移行を検討している方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、VMwareで構築されている仮想化インフラ環境からSimpliVityへ移行するための手法としてVeritas NetBackupを使った移行手法と手順について2つご紹介します。
※本記事では仮想化基盤サーバの移行先としてSimplivityを想定した上記シナリオに基づいてSB C&S社が動作検証を行った内容について記事にします。
2.概要
移行手法としては、既存仮想環境の仮想マシン及びデータを新規SimpliVity環境にNetBackupを利用して移行します。環境や移行要件に応じてその際の移行手法として以下の2パターンで移行を選択できます。
①NetBackupのバックアップデータからのリカバリを利用した移行
②NetBackupのインスタントリカバリ機能とStoragevMotionを利用した移行
2.2 それぞれの移行手法についての説明
①は既存仮想環境のバックアップデータを取得し、移行先の新規SimpliVity環境にリカバリするという正攻法での手法になります。バックアップからのリカバリによるシステム移行となりますので新環境から旧環境へのシステム切り替え時にダウンタイムが発生します。しかしながら、稼働データではなくバックアップのコールドデータの移行となりますので安全かつ確実にデータ移行を実現できます。
一方、②のインスタントリカバリですが、バックアップイメージを変換しESXiサーバーに参照させすることでリカバリ作業無しで仮想マシンを起動し、高速にリストアを実施できるNetBackupの機能です。このNetBackupの機能とVMwareのStorage vMotionを組み合わせることで、システムを落とさずに迅速に移行先のSimpliVity環境に移行を実施することができます。移行専用の商用ソフトウェアを利用するという選択肢もありますが、①②双方とも新環境でNetBackupバックアップ機能を使う前提であれば、移行専用の商用ソフトウェアを利用するよりも安価、且つ確実にシステム環境の移行を実現できます。
3. 検証における機器構成
3.1検証構成
以下のような構成を想定し、検証を実施しています。
[移行前の構成イメージ(黒字はホスト名であり、移行対象サーバーはw2k8r2v)]
4. 検証手順
4.1 移行手順概要
オンプレミス環境で稼働している仮想サーバーをSimpliVity上に移行する場合を想定した手順を記載します。移行手順の全体のフローは下記の通りです。
①NetBackupのバックアップデータからのリカバリを利用した移行の概要
②NetBackupのインスタントリカバリ機能とStoragevMotionを利用した移行の概要
4.2 移行手順詳細
移行手順や詳細オペレーションについては以下のホワイトペーパー資料を参照ください。
■ホワイトペーパー_Backup&Recovery_SimpliVity
https://www.slideshare.net/vxsejapan/simplivity-backup-recovery-whitepaper
■ホワイトペーパー_Instant Recovery_SimpliVity
https://www.slideshare.net/vxsejapan/simplivity-instantrecovery-whitepaper
5. 考察とまとめ
バックアップデータからのリカバリによる移行は稼働データの移行手法とは異なり、既存システムに負荷を与えず、確実な移行を実現できます。
また、既存環境や可用性要件に応じてNetBackupのインスタントリカバリ機能を組み合わせることで、ダウンタイムを抑えた移行手法も選択できます。
移行用途だけではなく、移行先でもNetBackupをバックアップソフトウェアとして利用する前提であれば、移行コストを抑え、確実な移行を実現できるという意味で有用な移行手法になります。
既存仮想環境からSimpliVityへの移行の際には上記ホワイトペーパーの手順も参考して頂きながら是非トライしてみてください。
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