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Enterprise Vault.cloud クラウドベースのアーカイブサービスによる業務改善 ~分類エンジンの活用によるお客様対応力強化~

Last updated at Posted at 2020-07-01

はじめに

ベリタスのコミュニケーションアーカイブソリューションであるEnterprise Vault.cloudに新たにプライバシーやコンプライアンスに関わるデータを検知する Information Classifier 機能が搭載されました。この分類エンジンを企業のリスク管理(訴訟、不正取引、カルテル対策)を行う業務のみならず、大量のメッセージからそのキーワードにマッチする文字列を含むコンタクトを迅速・簡単・正確に抽出することで、企業内の多様な業務の改善に生かすことが可能です。

ソリューションの効果はこちらからダウンロード

組織は COVID-19 の影響もあり、既存のお客様とのコミュニケーションをより強くすることが求められています。一方、この数年の人手不足や人員の入れ替わりから以下のような課題も聞かれます。

  • 営業力に課題
  • コンタクトセンターで案件精査が上手くいかない
  • マーケティングリードの品質に課題がある
  • 従業員エクスペリエンスをあげたい
  • R&Dをさらに最適化させたい
  • プロジェクトの人的リスクを管理したい

なお、ご紹介するシナリオは検証に基づいたものですので、安心してご利用いただけます。

Enterprise Vault.cloudについて

Enterprise Vault.cloud(以降EV.cloud)は、企業で利用するメールやメッセージをジャーナルに取り込んで保管し、企業・組織のリスク対応や個人のメール管理に利用するクラウドベースのアーカイブサービスです。メールシステム等と連携しながら、メールやメッセージを長期的に保管するアーカイブ機能を提供し、そのアーカイブから強力な検索機能を使って、監査やコンプライアンスに対応するための情報収集を即時に行い、企業の経営に関連するリスクを低減いたします。
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このEV.cloudを導入いただくことで、ご採用いただいた企業の方々への以下の図のようなメリットが生まれ、メールシステム単独の運用では解決できない様々なお悩みを解決することができます。
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Enterprise Vailt.cloudの分類機能について

EV.cloud上で、あらかじめ設定したマッチング条件に基づいて、アーカイブから該当する文字列を含むメールを定期的に抽出・分類することができるVeritas Information Classifier(分類エンジン)は、Veritasが開発した強力な文字列マッチング機能(正規表現や条件のグループ化や複数グループ指定等)によって、膨大なデータ内に埋もれた企業にとって脅威となる情報を可視化し、情報管理責任者や調査担当者によるデータ抽出作業や抽出後の対処を簡単・迅速・正確に実施することが可能となります。

またこの分類エンジンはVeritasが提供する様々なソリューションにバンドルされ、エンタープライズの環境においてあらゆる種類の基盤に対応したデータの保護・管理を行う統合型基盤に取り込まれています。

その処理の流れですが、メールのアーカイブ処理を行う前にメールや添付ファイル等のコンテンツをこの分類エンジンを使って調査し、事前に情報管理者が登録したマッチングパターンに合致した文字列を含むメールに分類タグが紐づけられます。情報管理責任者や調査担当者はアーカイブされたメールを調査する際に、検索の条件としてこれらの分類タグを指定し、メールの抽出作業を効率よく実施することが可能です。
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Enterprise Vailt.cloudの分類機能の特徴

ここからは、分類機能の特徴をいくつか紹介します。

<分類ポリシーと分類タグ>
分類機能の利用開始時には、まず管理者は対象メールを分類・抽出するために、EV.cloudの管理ポータルから分類機能を設定するための画面を起動し、マッチングしたい文字列の登録やマッチング条件を指定して抽出パターンを登録します。この抽出パターンにマッチングしたメールを参照したい担当者・利用者が、いつでも簡単に必要なときに効率よく抽出できるようにするため、抽出パターンにタグ(分類タグ)を紐づけ、分類ポリシーとして新たに登録します。

<分類パターンと文字列マッチングのための正規表現利用>
次の図は、新しく分類ポリシーを作成する画面ですが、その抽出条件を指定する部分に、分類機能の特徴である文字列マッチングための正規表現を使ったり、ビルトインの分類パターンを利用したり、いくつかの条件を組み合わせて設定をすることも可能です。
この分類ポリシーの設定にて抽出条件に対して紐づけた分類タグは、実際のメールを検索する際の検索条件として利用します。(最初からEV.cloudに組み込まれているビルトインの分類ポリシーを利用することも可能です)。
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分類機能が利用者にもたらす価値

この分類機能を使ったメールの自動分類と、その抽出基盤の利用によって、以下のような価値を利用者にもたらします。

  • 企業内の大量メールからリスクのあるデータを自動的に抽出することで迅速に特定し、企業の信頼性を高めることができる
  • 分類エンジンに組み込まれているビルトインの分類ポリシーや分類パターンを使って、簡単にかつ正確にメール内に潜むリスクを可視化し、企業の経営リスクの削減をはかることができる。
  • 自由な文字列マッチングパターンを設定できるため、決められた単語、条件を指定するだけではなく、さまざまなキーワードを指定し、業務に利用することで、多大な効率化を図ることができる。

企業のお客様対応力強化を目的とした分類機能の適用

ここまでの説明では、EV.cloudの分類機能は企業のコンプライアンス遵守やリスク低減のため、アーカイブされた大量のメールから、問題となる対象メールを調査する法務部門や人事部門の調査管理者・担当者が利用することで、企業に潜む問題を迅速に、効率的に分類・可視化する機能として紹介してきましたが、ここからは、この分類機能を企業のお客様対応力の強化の基盤として導入し、営業部門やマーケティング部門の担当者が活用することで、お客様対応をきめ細かく、タイムリーに行うことでお客様満足度の向上につなげていくためのシナリオについて、ご紹介していきます。

メールによるお客様からの問い合わせ対応や、リードの獲得の課題

お客様からの商品購入に関する問い合わせや苦情・クレーム、ご相談等について、お客様自身がWebサイト上からメッセージを書き込んだり、企業がメールアドレスを公開して共有メールボックスに直接お客様からの問い合わせを受け、対応を行っているケースがありますが、営業窓口部門として以下のような課題があります。

  • 問い合わせが届いてからお客様担当の社員が情報を受け取るまで、時間がかかる
  • お客様の問い合わせ内容に急ぎの対応依頼やクレーム等、迅速な対応が要求される連絡がある
  • お客様独特の言い回しやトラブルの前兆などを担当以外のメンバーでは感づかない
  • 問い合わせメールが膨大なため、メールの内容から優先度をつけた処理を行うことが難しく重要な連絡に迅速に対応できない

また、マーケティング部門等ではキャンペーン等で取得したお客様からの問い合わせやリードを営業活動とマッチングさせたいがギャップが大きく、具体的な販売機会につながっていかない、といった点や実際のお客様からの問い合わせからビジネスのヒントが探したい等の要望もあります。

これらのように、非常にタイムリーな対応が求められ、トラブルにも関連するような情報が大量のメールの中に埋もれてしまい、せっかくの機会をロスしてしまう等、営業力の低下にもつながるケースがあります。
このようなお客様とのコミュニケーションの状況を改善するため、メールの内容からその文脈やキーワードを確実に拾い上げ、タイムリーに担当者につなげて正しく対応することで、お客様の満足度向上を実現するソリューションシナリオを策定しました。

お客様対応能力の強化シナリオ

ここからは、お客様から寄せられる大量のメールの問い合わせの中から、重要なお客様やトラブルの前兆等のコメントを含むメールについて分類エンジンをつかって自動で検出、担当者へタイムリーに通知し、担当者の次のアクションに確実につなげていくソリューションシナリオの説明を行っていきます。
まずはEV.cloudと分類エンジンおよび、今回のソリューションシナリオで重要な機能の1つとなる強力なメール抽出機能と、自動通知機能をもつDiscovery.cloudの連携によってメールをどのように抽出してその内容を担当者がタイムリーに把握できるのか、その連携の全体像を次に示します。
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Microsoft365等のクラウドやオンプレミスのメールシステムからMailジャーナルを自動で受け取ったEV.cloudでは、まず分類エンジンが分類ポリシーに設定された文字列マッチング等の検索パターンを使って、該当するメールを抽出(例えば顧客名にマッチングさせて抽出)し、分類タグをつけ、インデックス化をすることで、分類作業は完了です。
次にDiscovery.cloudにて、分類タグを条件に指定した検索を登録し、定期的にインデックスを検索して、一致する文字列パターンをもったメールを検知した場合には、登録済みの通知先にメールにて通知を行います。
この通知を受けた担当者はDiscovery.cloudの画面を立ち上げ、分類タグを検索条件として、該当のメールを抽出し、内容をチェックします。
このように分類からインデックス化、抽出・通知まで自動で連携するため、手作業で行っていた仕事も不要となり、効率化が進み、お客様からの情報をタイムリーに担当者につなげていくことで、迅速な対応が可能となります。

そして実際の業務上の担当者によって、どのようにこの業務フローを回し、迅速な対応を実現していくのかそのシナリオを次の図で説明いたします。

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上記のシナリオは、お客様が様々な問い合わせを行うメールを共有メールボックスで受信し、EV.cloudに連携されたジャーナルに分類タグをつけ、該当するお客様からのメールを自動で抽出(例えばお客様名での抽出)、そのお客様の担当の営業窓口に定期的に通知をし、営業担当者が該当メールを確認した上で、その内容に応じてお客様へ連絡する、というシナリオです。
このシナリオによって、正確に「ビジネス機会」を抽出し、「タイムリーに」「自動的に」、各担当者へ「定期的に通知」を行うことで、これまでの課題を解決し、お客様対応力の強化とお客様満足度向上の実現へつなげることができます。

実際に当シナリオの登場メンバーが行う作業例としては以下のとおりです。
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分類パターンにどのようなキーワードの指定をするのか?

メールを分類するためのキーワードとして、これまでのEV.cloudではプライバシーやコンプライアンスにかかわるようなキーワードを指定していました。例えば、ビルトインの分類パターンとして「免許証番号」「銀行口座番号」「IPアドレス」等、その文字列マッチングパターンが標準で多数搭載されており、これらに紐づけられた分類タグを検索条件として指定し、企業のリスク軽減のためのメールの一括調査を実施していくことがメインの業務として行われてきましたが、これまでのようなキーワードではなく、重要なお客様名やトラブルの前兆等のコメントが含まれたメールを抽出するためのキーワードを登録・設定することで、お客様が発信したメールからさまざまなメッセージを拾い上げ、顧客対応力の強化につなげていくことが可能となります。
このためにはどのようなキーワードを分類ポリシーに登録するのか、お客様対応力強化シナリオの観点では例えば以下のようなキーワードの候補が考えられます。

「お客様名」
企業のお客様名をキーワードとして利用。正規表現を使って(株)やブランク等のパターンにも問題なくマッチングでき、メールに記載されたお客様名をもれなく抽出が可能。このお客様名と通知先の営業担当を結びつけるため、重要なキーワード。

「返品」「障害」「故障」「不良」等
トラブルや予兆を把握するキーワードとして分類ポリシーに登録。これらのキーワードをグループ化し、このうちのいずれかをメール内の文字列とマッチングさせる。このあと営業担当に自動通知することで、メールに記載されているちょっとしたキーワードから、お客様の状況を確認するきっかけを作ることができ、早期の問題対応を実施することで、お客様満足度の向上につながる。

「見積」「予算」「競合」 等
具体的な商談がすぐに進みそうなキーワードのひとつであり、早急に該当の窓口からお客様へコンタクトをし、タイムリーなご提案を実施することも可能。営業力の強化につながる。

このようなキーワードを実際にはどのように分類ポリシーに設定していくのか、その全体イメージを以下の図にて紹介します。
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分類ポリシーに、
  ポリシー名
  分類タグ名
  文字列マッチングパターン
を指定し、登録をしますが、上図の例では以下のような2種類の設定パターンで、お客様の名称でメールを抽出する設定を行うことが可能です。

  • 分類パターンに複数のお客様名のマッチングパターンを登録し、分類タグに営業担当名を設定することで、営業の担当範囲のお客様を分類ポリシー上で紐づけることが可能。またDiscovery.cloudの自動抽出条件設定に営業担当名のタグを設定するのみ。
  • 分類タグ名と分類パターンにお客様名を設定し、Discovery.cloudの自動抽出条件設定として、分類タグ名にお客様名のタグを複数指定する。

※Discovery.cloudでは、自動抽出条件の設定のなかで、自動通知先としてそれぞれの営業担当のメールアドレスも設定します。

このような方法で分類ポリシーの設定を行うことで、共有メールボックスにお客様からのメールが届けばそのお客様の営業担当者へ通知が飛んでいく仕組みを実装することができます。

お客様対応能力の強化シナリオ5つのポイントのまとめ

実際にお客様対応能力強化シナリオの検証を行った結果として、5つのポイントを以下の表にてご紹介します。
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※上記は入念なシナリオの検証を行って、確認済みです。

おわりに

ここまで分類エンジンの使い方として、お客様対応力強化シナリオを紹介してきましたが、この他にもさまざまなパターンや文字列マッチングを駆使して、データを可視化することで、企業の業務改善や省力化を実現することができると確信していますので、いろんなアイデアを考えながらEnterprise Vault.cloudと分類エンジンの組み合わせをぜひともご活用ください!

資料のご紹介

以下のSlideShareのリンク先に、ここまで紹介しましたソリューションに関連する機能や画面のキャプチャー等の情報を掲載した資料もあります。こちらはWebセミナーにて当ソリューションを紹介した際の資料ですので、ぜひご参照ください!

=> 劇的に変わる!データ分類エンジンを使ったコミュニケーションアーカイブとその真価 へのリンク

【まとめ記事】ベリタステクノロジーズ 全記事へのリンク集もよろしくお願いいたします。

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